DAOKO WEARS T-SHIRT CHOKER AND NECKLACE AMBUSH®. RING MODEL'S OWN.

青き炎を燃やす、19 歳のラップシンガーDAOKO

インターネットが盛り上げるアンダーグラウンドなシーンを経由し、ポップアイコンを目指す黒髪ロングの美女ラップシンガー。そのキャリアから、彼女が考える“モダン・ラブ”について聞いてみた。

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28 December 2016, 3:30am

DAOKO WEARS T-SHIRT CHOKER AND NECKLACE AMBUSH®. RING MODEL'S OWN.

2012年、若干15歳にしてニコニコ動画への投稿をきっかけに注目を集めたDAOKO。インディーレーベル時代にして、m-floや映画『渇き。』の中島哲也監督をも唸らせた才女だ。2015年には、自身の名を冠した1stアルバムを発表し、メジャーデビューを果たした。ラップミュージックとダンスミュージックを融合させたキャッチーな音楽性が特徴だが、それは一体どのようにして育まれたのだろうか?

「中学生の頃に、SNSとニコニコ動画にハマって、そのなかでボーカロイドやネットラップに興味を持つようになっていきました。インターネットを経由して偶然辿り着いたという感じですね。それから、電気グルーヴとかテクノを聴くようになり、ジャンル問わず、幅広いサウンドを好きになっていきました。私の音楽は、基本ラップミュージックだけど、憧れのラッパーはいないんです。だから、独自のスタイルが生まれたのかな」

高校在学中は、正体を隠して音楽活動を行い、卒業と同時にメジャーデビューが決定。それを機に、顔出しを決意した。「高校の頃は、本当に仲の良い友達にしか音楽をやってるって言ってなかったんです。高校生の自分と、アーティストの自分を分けたかったから。等身大で活動するようになって、気持ちの面でも変化はもちろんありましたね。ライブのときとか、オーディエンスの顔が見える分、面と向かってコミュニケーションしたいって強く思うようになったんです。それまでは自分自身との対話で、一方通行だったかもしれない。顔って"玄関"みたいなものだから、そこから私を知ってもらえたらって思えるようになっていきました。少しでも多くの人に覚えてもらえるように、フックになるテーマカラーを設定して。もともと青が好きな色だったけど、ちょっとした意味も込めて決めたんです。炎は、一番熱い部分が青いって、理科の授業で習ったじゃないですか? 赤よりも熱い色っていうのもドキドキするし、一見冷たいように見えても、扉を開けてみたら誰よりも熱いっていいなって。だから、今日の衣装やメイクにも青が入っていて嬉しい。表現するうえでファッションは大切なファクター。でも、ただ着飾るだけじゃ意味はなくて、自分らしさを忘れないようにしたい。色んな国の人が、私の音楽にアクセスできる時代だし、日本人であることを誇りに思っているから、黒髪を武器に発信していきたいと思っています。

ファッションは、やっぱりアティチュードを感じるのが格好いいと思うので、音楽とリンクしたストリートスタイルがしっくりくる。「FASHION」という曲に、「FASHION MUSIC ART /フラットにみたら三者三様/大差ないよ」ってリリックがあって、この3つは私にとって切っても切り離せないから歌詞にしました。もちろん音楽が一番だけど、ファッションに加えて、アートも重要な表現手段です。ツアーの物販用に、写真とイラストに詩をのせたZINEを制作をしました。身近な街、渋谷を"写ルンです"で撮影したんです。それを描き溜めていたイラストと組み合わせて、詩と共に編んでいきました。曲を作るときは、歌詞を書いてから音を作るんですけど、ZINEのときは、写真やイラストからインスピレーションを得て詩をつけるから、作業工程が逆で楽しいです。さまざまな表現方法を用いることで、やっと自分のなかでバランスが保てるというか。私、デジタルなイメージが強いかもしれないけれど、こう見えてアナログも好きなんですよ。フィルムカメラは、エッジィな質感とあの独特な"違和感"にグッとくるんです」。落ち着いた表情で、的確な言葉を選びながら話す彼女は、まだ未成年というから驚きだ。

「10代半ばから、ずっと年齢コンプレックスなんです(笑)。顔も年齢も明かさずとも、誰とでもつながれるのが、インターネットの魅力だと思っていたけど、実際に年下だとナメられるし……。フラットに見てほしかったから、できるだけ隠していたかった。年上ばかりの環境で、早く大人になりたい! っていう願望がずっとつきまとっていますね。だから、20歳になったら『咲くぞ! 蝶になるのよ、私!』みたいな気持ちです。その前に、19歳になって、ちょっぴり大人なDAOKOも見せられたらな。新しいシングル『もしも僕らがGAMEの主役で/ダイスキ with TeddyLoid / BANG!』は、第2フェーズに突入したって思っていて。それまで、負の部分を昇華させるために曲を作っていたんですけど、音楽に救われて生きている私が、今度は誰かを音楽で救いたいって気持ちを込めて制作に励みました。キャリアを重ねてそこまで考えられるようになりましたね。よく自分を客観的に見れてるよねって言われるんですけど、文字にすると冷静になれるから。愚痴を愚痴のまま表現してしまうのは悲しいけど、それを作品にしたら、誰かを楽にしてあげられるかもしれないし。邪悪なものでなくなるでしょう? そういった意味で一歩階段を上った作品です 」。

そんな、大人の階段を上りつつある彼女が考える"モダン・ラブ"とは?

「SNSが発達して、誰かとつながっているのが当たり前の時代。昔は会うまでにものすごい熱量をかけて、伝書鳩とか飛ばしてコミュニケーション取っていたけど、今は思いを気軽に伝えられる反面、気持ちが分散していますよね。それがちょっぴり悲しいな。電波に乗せた"インスタント・ラブ"っていうか。作詞をするときによく考えるんですけど、愛って一言で説明するのがすごく難しい。シングルに含まれている「BANG!」って曲は、愛と憎しみは表裏一体って歌っているんです。今まであんなに愛してたのに、全部裏返って憎んでしまう人間の怖さについて。愛にはそういう陰と陽があるし、不可解だから、世の中にはこれだけラブソングがあるのかもしれないですね」

Credits


PHOTOGRAPHY KO-TA SHOUJI 
STYLING HAYATO TAKADA 
TEXT AYANA TAKEUCHI

Hair Kazuya Matsumoto at W
Make-up Ken Nakano
Hair assistance Shiori Tanaka 
Make-up assistance Eiji Inagawa
Location Sri Balaj