ナザレの街を回想しながら:5-knot 2018SS

ポルトガルの中西部に、ナザレという大西洋に面した小さな街がある。鬼澤瑛菜と西野岳人がデザインを手がけ、「旅とVintage」をテーマに掲げる5-knotは、10シーズン目でかつて訪ねた海風かおるこの街の景色に想いを馳せた。

by Tatsuya Yamaguchi; photos by Takao Iwasawa
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19 October 2017, 5:37am

Amazon Fashion Week Tokyoも4日目を迎え、折返し地点だ。あいにくの雨が続くなか、この朝、渋谷ヒカリエ・ホールBは波音と青白い照明に包まれ、ポルトガルの伝統的な手書きタイル(アズレージョ)を模したランウェイがあった。「旅とVintage」をブランドコンセプトに掲げる、5-knotのショーが開催された。

生粋の旅好きであるデザイナーの鬼澤瑛菜と西野岳人自身が、これまで訪れた場所で吸収したものをデザインに落とし込んでいる。今季は、ポルトガル中西部にある海沿いの街、ナザレの想い出だ。漁港として栄え、漁民の衣装や生活習慣に根ざしてた独特な空気感のあるポルトガル屈指のリゾート地だ(一説によれば新約聖書でイエス・キリストが少年期を過ごしたとされるパレスチナのナザレと深い関わりがある)。ただし、湘南にアトリエを置き、趣味がサーフィンだという彼らにとっては「30メートルを超える、世界最大級の波がたつところ」でもある。コレクションノートによれば、「深いコバルトブルーの海、白い砂浜、通り抜ける海風、細い路地」がある街なのだ。

朝があけるように明転し、ショーは始まった。体を拘束しないリラックスしたスタイルが続くなか、時おりビーチウェアのようなトップスがレイヤードされている。抑制された色彩の植物や果実柄はアズレージョやマヌエル様式の建築から、ギンガムチェックやストライプ、豊かなカラーリングはナザレの路地で見かけた、色鮮やかな"洗濯物"に着想したという。風をはらむエアリーなオーガンジー、ウエスタンシャツ風のフリンジ、歩くと揺れるリボンやロープもまた、吹き付ける海風でなびく姿をイメージしているのだ。ソックスやタイトなパンツに用いられたストレッチエナメル素材のビビットカラーが、彼らの記憶の回想に添えられた、5-knotのオリジンだ。

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