Photography Mitchell Sams

テクニカラーを持ち込んだSies Marjan: 2018AWニューヨーク・ファッションウィーク

Sies Marjan2018年秋冬コレクションにまつわるあれこれ

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feb 14 2018, 11:25am

Photography Mitchell Sams

どうやらペンシルヴァニア・ホテルではウェストミンスター・ケネル・クラブ・ドッグショー(希少な犬種を紹介する有名なドッグショー)が開催されていたらしい。ペット雑誌記者たちを見かけたし、なによりホテルに犬たちが入って行くのを目撃したからだ。しかしそこには、ホテルの曲がりくねった廊下を進む者たちの姿もあった。Sies Marjanによるニューヨーク・ファッションウィークのショーが開催されていたのだ。ミッドタウンにある古びた建物の中に広がっていたのは、コンセプチュアルなコレクションによる宝石のような光景。そのなかで、イヌたちが煌びやかにウォーキングを披露していた。

サンダー・ラック(Sander Lak)のブランドSies Marjanによるショーは、わずか数シーズンの間に、ニューヨーク・ファッションウィークで最も注目を集めるプログラムの1つとなった。元Dries Van Notenのこのデザイナーは、スポーツウェアをあちこちで見かけるニューヨークという都市には似通わない方法で、実験的なデザインに鮮やかな色彩を融合させている。急速な注目度の高まりもあり、業界随一のキャスティング・ディレクターであるアニタ・ビットン(Anita Bitton)の協力を得たサンダーは、毎シーズンその時々をときめくモデルから数人のアイコニックなモデルまで、幅広いキャスティングでショーを作り上げた。

今シーズンもそれは例外ではない。ショーの冒頭に登場したのは、アクアマリン色のシルクのプリーツドレスに身を包んだエディ・キャンベルだ。裾の広がったパンツに合わせられたドレスからは、プリーツが中央から螺旋状に広がっている。それに続いたのは、暗褐色から桃色までさまざまな色を施した同じシルエットのコレクションの数々。なかでも美しかったのは、スカーレットやネイビー・ブルーのグラデーションに染まった、サンダーの代名詞ともいえるサテンシャツやスラウチードレスが登場した瞬間だ。ピンクのネオンに照らされたそれは柔らかい衣服に包まれた、夕日への優しくて美しい賛美歌のようであった。

まるで宇宙船がサンダーの惑星に着陸したかのような、ホログラムを用いたトレンチコートと同素材のバッグの組み合わせも傑出していたコレクションだった。ミニマリズムとロマン主義、そして個性を組み合わせたサンダーは、ニューヨークでも唯一無二の存在だと言える。縮小されたスケジュールにも関わらず、Sies Marjanのショーは今シーズンのファッションウィークのハイライトの1つとして記憶されることになるだろう。

Credits


Photography Mitchell Sams

This article originally appeared on i-D UK.

Translation Ray Washio