90年代が恋しい!ヴィンテージ広告のコレクション

コツコツと切り貯めていたヴィンテージ広告のスクラップコレクションをソーシャルメディアで公開している若いコレクターに話を聞いた。

by Tish Weinstock
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31 May 2016, 3:45am

from the face, august 1992

ナイジェリア生まれで、現在はロンドンでグラフィックデザイナーとして活躍しているハリマ・オラレミ(Halima Olalemi)は、@adarchivesというハンドルネームを使い、InstagramとTumblrでヴィンテージ広告の画像を日々、アップし続けている。『Sleazenation』や『The Face』、そして『i-D』など実にたくさんの雑誌から切り抜かれた広告は、今では見つけることが難しい"失われた過去の遺産"だ。コレクターを自負するハリマが、元々は"パーソナルに"始めたこのプロジェクトだったが、すぐにアートシリーズのコラボレーションへと発展した。イーストロンドンにあるSuperimpose Studioが、キュレーションを買って出たのだ。相当量のコレクションを所蔵しているハリマは、本の出版やオンラインギャラリーとしての公開などを視野に入れ、このプロジェクトをさらに大きく膨らましていきたいと考えているという。i-Dは、雑誌と広告、そして過去を保存しておくことの大切さについて、彼女に話を聞いた。

From The Face, January 1990

「Ad Archives」立ち上げの経緯についてお聞かせください。
ハードドライブに残していた、古い雑誌からの切り抜きを、ソーシャルメディアにアップし始めたのがきっかけでした。はじめは友達に見せるためにアップしていただけでしたが、古い広告が並んでいるのは視覚的にエキサイティングで、今でも何か"感じさせるもの"があると思ったんです。そこで、他の雑誌からも広告を切り抜いて、アップするようになりました。Superimpose Studioとのコラボが始まると、プロジェクトの目的も変化していきました。Superimpose Studioのトビーとオリーは、彼らが所蔵する『The Face』誌のコレクションを通して、スタジオとしての視点もそこに見せていきたいと、新たな角度を加えてくれました。

ヴィンテージ広告への興味はどのようにして生まれたのでしょうか?
ロンドン芸術大学のLCC在学中、類型学と広告を学ぶコースを取っていたときのことでした。古いヴィンテージのエナメルサイン広告看板に使われているタイポグラフィーやレイアウトに惹かれて、そうした広告物を集めるようになったんです。そして、興味はだんだんファッション広告に移っていきました。

From The Face, July 1993

い広告を発掘する魅力とはなんでしょう?
タイムカプセルを開けるような感じですね。ひらすら調べるんです。「誰が作ったか」、「公開当時にどんな評価を受けたのか」、「シリーズ広告だったのか」って。複数の広告が物語みたいに繋がって、キャンペーンとして成り立っているような作品と出会うと嬉しくなります。

ヴィンテージ広告はどこで見つけるのですか?
はじめは、個人的に保存していた『Sleazenation』や『The Face』、『i-D』といった雑誌から切り抜いていました。私はいわゆるコレクターで、雑誌を捨てずに取っていたんです。アーカイブとして残そうと考え出したのは、Superimpose Studioとのコラボレーションが始まってからです。Instagramにアップする広告にも、彼らの視点やインスピレーションを反映させたいんですよね。最終的には、「Ad Archives」がノスタルジックな空間というだけでなく、ビジュアルライブラリーとしても機能するようになればと考えています。

現代の広告がある状態についてどう思いますか?
それはそれぞれがどのような消費者であるかによると思いますね。最近の広告には、モノを買う(わさせる)広告と、作品としての広告、2通りの見方があると感じています。デザイナーとしては、可能性の限界をクリエイティブに押し広げてくれる広告が好きです。これらの古い広告は、今の広告より見る者を引き込む力がありますね。この企画を始めた当初は、こんなにも力強いビジュアルコンセプトに出会うことになるなんて想像すらしていませんでした。

From The Face, February 1993

ソーシャルメディアの台頭がノスタルジアの必要性を高めている現状は、どのようにして生まれたのでしょうか?
ノスタルジアへの渇望のようなものは、BeboやPiczo、MySpaceを通して、これまでもずっとあったんだと思います。ただ、Instagramでは、ある時代が表現された画像を並べて、ムードを保った空間を簡単に作り出すことができるんです。ですから、ソーシャルメディアはそれを作り出したわけではなく、ノスタルジアに創造のプラットフォームを与えたんだと思います。

ヴィンテージ広告でなければ、他に何を収集してみたいですか?
根っからのコレクターですからね。すでに様々な物を収集していますよ。電車の切符からボクシングのポスター、ライブのセットリスト。それと、特に気に入っているんですが、古いフェティシズム専門誌『Exotique Magazine』も集めています。

次なるステップは?
高解像度のスキャナーが必要で、今は芸術振興会からの助成金がおりるのを待っているところです。今は、わざわざ図書館までスキャンにしに通っているんですよ。このプロジェクトをどれだけ広げられるかを知るためにも、著作権の法律についても調べなきゃと思っています。今後はこれを本にまとめるか、オンラインの作品ライブラリーにして公開できたらいいなと考えています。当時、広告を作っていた人たちにも話を聞く予定。今後、このプロジェクトはもっと大きくなりますよ。

From The Face, June 1992

From The Face, August 1993

From The Face, August 1993

From The Face, July 1990

From Sleazenation, 1997

Credits


Text Tish Weinstock 
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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