「オリジナル」と「コピー」を問う。Gucciとマウリツィオ・カテランが手がける大規模アート展「The Artist is Present」

Gucciのクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレと現代アート界の異端児マウリツィオ・カテランによる大規模な展覧会が、2018年10月、中国を舞台に開かれる。夢と現実、コピーと本物、そのボーダーが大きく揺らぐことだろう。

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apr 19 2018, 9:03am

Screenshot via video  The Artist is Present. from i-D Italy.

クリエイティビティに溢れたコレクションで、ファッション界をリードしつづけているGucci。そのユニークな世界観を生み出すのは、クリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレだ。彼の頭のなかをちょっと覗くことができるとしたら? 色彩豊かなタペストリーに絨毯、生まれたてのドラゴン、未知の生物の頭蓋骨……と、それはイマジネーションの宝箱みたいなものかもしれない。そんなアレッサンドロの夢のような世界を目撃できる大規模な展覧会『The Artist is Present』が、2018年10月、中国のメトロポリスを舞台に開かれる。彼の見る夢が現実となるというわけだ。

展覧会でアレッサンドロとタッグを組むのはイタリアの現代アーティスト、マウリツィオ・カテラン。ミラノ証券取引所の真ん前に中指を突き立てた巨大彫刻を設置したり、部屋の片隅で懺悔するヒトラーそっくりの像を発表したりと、何かと話題に事欠かない現代アート界の異端児ともいえる人物である。

Photography courtesy of Gucci from i-D Spain.

現時点で展覧会についてわかっているのは、キュレーションをマウリツィオが手がけ、アレッサンドロ率いるGucciが主催。そして、すべてがアプロプリエーション(盗用芸術)によって構成されるらしいということだけだ。

シミュレーションとコピーを繰り返し、オリジナルを盗むことで、いつしか本物らしい現実となっていく。現代においては、誰もが、幻想と現実の狭間にある、見せかけの世界の一端に身をおいているといえるだろう。だが同時に、コピーとは生き物が生まれながらにしてもつ本能でもある。さて、オリジナリティとは何か。オリジナリティはどう保たれ、どこで失われるのか。「The Artist is Present」展では、シミュレーションやコピーという“再現”の行為を通して、いかに真のオリジナリティに到達することができるのかを問う作品にフォーカスする。ファッションもアートも、常に盗用と模倣を繰り返し生み出されている。もはや誰の作品であるかを、誰が決めることができるのだろう。アレッサンドロとマウリツィオの企みに注目したい。