偉大なボウイを振り返る「DAVID BOWIE is」展

音楽界のスーパースター、デヴィッド・ボウイ。2016年1月10日、69歳でこの世を去った彼の足跡を辿る体験型の大回顧展「DAVID BOWIE is」が開催される。会期初日は、ボウイが生きていれば70歳の誕生日となる2017年1月8日(日)。

by Yuuji Ozeki
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16 December 2016, 12:05pm

ミュージシャンの枠を超えた類まれな表現者として、音楽はもとより、全世界でアートやファッション、カルチャー、そして一般社会にも多大な影響を与え、死してなお人々をインスパイアし続けるデヴィッド・ボウイ。イギリスの音楽誌『NME』が行なったアンケートでは「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」にも選出されている。2016年1月10日、1年半におよぶガンとの闘病の末、69歳で帰らぬ人となったボウイの世界観やキャリアを総括した大回顧展「DAVID BOWIE is」が、2017年1月8日(日)より4月9日(日)まで天王洲の寺田倉庫G1ビルで開催される。

本展は、アルバム『ザ・ネクスト・デイ』をリリースした2013年、ロンドンの芸術及びデザインの殿堂、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)でスタートした。ヴィクトリア・ブロークスとジェフリー・マーシュがキュレーションを行い、ボウイの魅力と50年間に及ぶクリエイティビティを、音楽や映像と共に体感できる画期的な展覧会として、欧米各地で約150万人を動員するヒットを記録している。今回、アジアでは日本が唯一の開催国となる。

「ジギー・スターダスト」「シン・ホワイトデューク」などで実験的かつカルトな役回りを演じていたロックミュージシャンは、80年代に入る頃にはポップ・スターへと変貌を遂げていく。その度に、設定上のキャラクターが憑依したボウイはファッションの力を最大限に利用することで、ステージ衣装やヘア・メイクアップも注目の的となった。70年代初頭は山本寛斎、90年代後半はアレキサンダー・マックイーンを筆頭に、世界のトップ・デザイナーたちとコラボレーションを行ない、時にバレエや演劇など舞台芸術のスペシャリストたちの手を借りながら、奇想天外で性差を超えた、語り継がれるスタイルを作り出してきた。ボウイ展では、音楽界最大のファッション・アイコンであるそんな彼が着用した衣装の数々が集結。ジギー・スターダスト・ツアーで纏った"出火吐暴威"の刺繍入りマント、ジョルジオ・アルマーニやエディ・スリマンが手掛けたスーツ、生前最後のツアーとなった『リアリティ』で見せた、ボウイ流のストリート・スタイル、そのほか今回が初公開の衣装など多数展示される。

大抵の場合、それなりの地位を築いたミュージシャンは確立した己のスタイルを維持しながら活動していく。それをファン及び商業的な取り巻きから求められることで、良くも悪くも落ち着いてしまうことは往往にしてあることだ。しかし彼の場合は、メディアからのバッシングやファン離れを恐れることもなく、自らのスタイルをによって多岐にわたる大胆な音楽性の変化を繰り返し、それぞれの時代においてエポックメイキングな作品をリリースしてきた。本展は、その時代時代で革新的な作品を発表してきたボウイの"音楽を展示"することに注力されている。会場のデザインや音響・映像の監修には、先鋭的な舞台セットや映像デザインで高い評価を浴び、2012年のロンドンオリンピック開会式の演出にも関わった59プロダクションズを起用。最新テクノロジーを駆使し、サウンドとヴィジョンがシンクロした全く新しいマルチメディア空間が用意され、我々を臨場感あふれるボウイの世界へと誘ってくれる。四方に高く積み重ねられたスクリーンから流れる彼のアイコニックなライブ・パフォーマンスを、この目と耳で体験してみよう。なかでも「ショウ・モーメント」のセクションは、ボウイ展の最大のハイライトかもしれない。

ボウイは、伝統芸能・歌舞伎に魅せられ、ライブ・パフォーマンスに歌舞伎の化粧法や早変わりのテクニックを取り入れている。プライベートでもしばしば訪日するなど、親日家としても知られる彼に所縁の深い日本開催にちなみ、オリジナル展示も予定されている。「DAVID BOWIE MEETS JAPAN」と題されたこのセクションでは、映画『戦場のメリークリスマス』で共演した北野武・坂本龍一両氏がボウイについて語った撮りおろしインタビュー映像を上映。「僕は日本の影響下にある」と歌詞に綴った『ヒーローズ』のジャケット写真を撮影するなど、40年以上にわたってボウイを撮り続けた鋤田正義の写真のほか、1977年発表の楽曲「モス・ガーデン」のレコーディングに使われたミニ琴や、ボウイ自ら描いた三島由紀夫の肖像画が展示される。日本人と対峙したボウイが見せた感性、クリエイティビティや美学などを浮かび上がらせ、日本を愛し愛され続けるデヴィッド・ボウイと我々の関係性を改めて解き明かしていく。


会場に隣接したオフィシャルショップではオリジナルグッズも販売。2013年に販売され、完売した公式図録『DAVID BOWIE is』の日本語版を完全復刻。レコード・ジャケットの原画や写真、ステージ衣装、出演映画のスチール、直筆歌詞ほか世界初公開のボウイの私物などが満載の永久保存版だ。ほかにも全世界の回顧展で売り切れ続出のトートバックなどがラインナップする。アジア初上陸となる話題の大回顧展、貴重なこの機会を見逃すな。

「DAVID BOWIE is」展
会期:2017年1月8日(日)~4月9日(日)
会場:寺田倉庫G1ビル

Credits


Text Yuuji Ozeki

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