自由を浮き立てて:KEISUKEYOSHIDA 2018SS

Amazon Fashion Week Tokyoの2日目が始まった。KEISUKEYOSHIDAは近代の政治や社会へのカウンタカルチャーとして歴史に刻印されている、60年代後半のヒッピースタイルにインスパイアされていた。今の空気を呼吸する自由の体現者たち。

by Tatsuya Yamaguchi; photos by Shun Komiyama
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17 October 2017, 5:55am

2015年にデビューしたKEISUKEYOSHIDAが表参道ヒルズのスペース オーでショーを開催した。開演前の会場にはBob Dylanとともに1960年代のモダン・フォーク・ソングの人気を担ったともいえるJoan Baezの歌声が響き渡る。それに聴き入っていると、朗らかな空気を搔き切るようなエレキギターのカッティングで、ランウェイの幕が上がった。膨らみを持たせたロングヘアに細身のヘアバンド、リブをあしらった膝下からフレアするパンツ、細やかな花柄のシャツ、クロコの型押し厚底ブーツ。地続きな時代はほんの少し遷移して、60年代後半から70年代のヒッピースタイルに着想したルックだ——ただし当時のスタイルをそのまま復権させたわけでは決してない。スウェットパーカのポケットをインサイドアウトしたり、服地をバッサリと切り込んだり、つなげ合わせたり、切りっぱなしにしたり。ヒッピーたちは裸で過ごす人もいたくらいだというから、この大きな穴から覗く肌くらい臆しない、ということだろうか。あるいはテーラリングジャケットを解体したり、メンズウェアの生地を随所にドッキングしていたり、と吉田ならではのアイコニックな表現が続いた。

彼がブランドテーマに掲げている「明るいのか暗いのかわからない空気」で言えば、今季は明朗快活で自由を謳歌していて、明るい方向に大きく彼の気持ちが動いているのだろう。かのヒッピーカルチャーが政治や社会に対するカウンターであったとしても、今季、吉田が着想したのは、もっと個人的なもの、例えば少年時代の淡く苦い記憶なのかもしれない。こればかりは本人に尋ねるほかない。

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