編集部が選んだ、夏に訪れたいエキシビション5選

3年ぶりの本格開催となった浅間国際フォトフェスティバルから、来日アーティストや国内アーティストまで、この夏おすすめのエキシビションを5つをご紹介。

by Noriko Wada
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05 August 2022, 5:54am

大平龍一 「SYNDROME」

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©Ryuichi Ohira Courtesy of Nanzuka

彫刻家の大平龍一は、アートから日常において文化的な営みに欠かせない木材の持つ特性に立ち返り、かつ人間の原初的衝動のような創造性に基づき、「意味の定まらない」造形物を制作している。そのなかでも、大平はパイナップルに熱狂的な執着をみせる。過去の美術文化史にある“意識的に”用意されたアートの権威に対する抵抗ではなく、好きなものを無意識的に、しかし職業的に創作する作家の態度により、パイナップルや改造車、ダイヤル式電話などの意味も関連性もないものが大平の理由なき愛着というただひとつの共通点で組み合わされる。「私は不可能な行為としてパイナップルを作り続けるときに幸福に包まれる」と大平は語る。本展の主役である合体ロボットのように擬人化したパイナップルのアバターを思わせる大型木彫作品は必見。

大平龍一 「SYNDROME」
会期:2022年7月23日(土) - 9月4日(日) 11:00 - 19:00
月曜・祝日休廊 *夏期休業期間:8月11日(木)- 8月15日(月)
会場:NANZUKA UNDERGROUND 
東京都渋谷区神宮前3-30-10

レスリー・ヒューイット「Index Array」

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Leslie Hewitt Daylight/Daylong 001, 2021 Digital chromogenic print 19.1 × 51.8 × 7.6 cm | 7 1/2 × 20 3/8 × 3 in Photographer: Guillaume Ziccarelli Courtesy of the artist and Perrotin

ニューヨークとテキサス州ヒューストンをまたいで活動する、アメリカ人アーティストのレスリー・ヒューイットによる本展は、立体作品一点と一連の新作「Daylight/Daylong」が展示されている。本作は、2021年に参加したテキサス州マーファのチナティ財団によるアーティストインレジデンスの期間中に出会ったダン・フレイヴィンの建築や場所、光との関係性の考察に基づいた、ディプティク(二連画)の形で構成した一連の写真作品群だ。各作品の左側の構図はテキサス州西部の地平線から昇る朝日を捉え、右側はフレイヴィンの作品から得た“自身の知覚体験”を抽象化し、自らデザインした木箱のなかに収められている。奥行きを持ち並べられた作品群は、網膜のプリズム、カメラのレンズ、フレームのガラスを通して、光と色、イメージは屈折し、鑑賞者の視点に再構築されるだろう。

レスリー・ヒューイット「Index Array」
会期:2022年7月20日(水) - 8月20日(土)12:00 - 18:00
月曜・日曜・祝日休廊
会場:ギャラリーペロタン東京
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F

EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 「patchwork my city」

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ストリートカルチャーの視点から街やパブリックスペースに「意外な見え方」を提示することで、ストリートだけではなく美術館など活躍の場を広げる匿名アーティスト集団の「EVERYDAY HOLIDAY SQUAD」。本展は、タイトルの通り、都市の断片をつなぎ合わせることをテーマに東京の地図をモチーフにした作品が展示される。フランスを拠点に活動したシチュアショニスト・インターナショナルによるプロジェクトやイギリスの前衛建築集団アーキグラムの表現をヒントに、都市の情報を地図にドローイングやコラージュを施したり、流通に使われるクレートを用いて地図を立体化させた作品が並ぶ。急速に変化する東京の街をパッチワーク(解体/再構築)し、現代の東京の姿を多角的な視点で捉え直した作品は、鑑賞者に都市で暮らすなかでの新しいインスピレーションをもたらしてくれるはずだ。

EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 「patchwork my city」
会期:2022年7月16日(土) - 8月28日(日) 14:00 - 19:00
月曜・火曜・祝祭日休廊 *夏季休廊:8月13日(土)- 8月14日(日) 
会場:PARCEL 
東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 DDD hotel 1F

タティアナ・ドール展

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©Tatjana Doll Courtesy of Nanzuka

ドイツ人アーティストのタティアナ・ドールは、旧西ドイツのブルクシュタインフルトに生まれ、現代アーティストを数多く輩出したデュッセルドルフ芸術大学を卒業し、ドイツ国内の美術館やヨーロッパを中心に個展を開催している。ドールの描く対象は、自動車から名画、映画のワンシーンまでありとあらゆるものであり、純粋な知的好奇心を満たすような初期衝動を感じさせる。一方で、エナメルや油絵具などの素材や大胆で躍動感溢れる表現により脅威や不穏な雰囲気が漂い、政治社会的探求が垣間見られる。本展は、世界に1台のみ存在するロールスロイス・スウェプテイルやブガッティ・ラ・ヴォワチュールなど高級車をモチーフにしたペインティング4点が展示される。

タティアナ・ドール展

会期:2022年8月2日(火) - 9月10日(土) 火 - 木 11:00 - 16:00, 金 - 土 11:00 - 17:00
日曜・月曜・祝日休廊 *夏期休業期間:8月11日(木)- 8月15日(月)
会場:3110NZ by LDH kitchen
東京都目黒区青葉台1-18-7 カスタリア中目黒

「浅間国際フォトフェスティバル 2022 PHOTO MIYOTA」

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長野県御代田町で開催中の「浅間国際フォトフェスティバル 2022」。3年ぶりの本格開催となる本フェスティバルはリアルの「PHOTO MIYOTA」とバーチャルの「PHOTO ALT」の両会場が設けられ、グッチがメインスポンサーを務めるリアルのメイン会場MMoPの施設内には会期の幕開けと同時に御代田写真美術館がオープン。同会場では、木村和平、小林健太、沢渡朔、野村佐紀子、細倉真弓、水谷吉法、森山大道ら7名の写真家による、GUCCIをまとった男性たちを被写体に撮り下ろした作品が展示されている。さらに展示を記念し、IMA Photobooksより限定版写真集『NEW GENTLEMEN』がエディションナンバー付き300冊限定で刊行されるほか、グッチ六本木 メンズショップにて7月28日から9月4日まで、森山大道が志尊淳を撮り下ろした作品が並ぶ写真展「NEW GENTLEMEN by Daido Moriyama featuring Jun Shison」も開催されているのでお見逃しなく。

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Courtesy of Gucci

「浅間国際フォトフェスティバル 2022 PHOTO MIYOTA」
会期:2022年7月16日(土) - 9月4日(日) 10:00 - 17:00 (屋内展示の最終入場:16:30まで)
水曜定休 *8月10日を除く
入場料:一部有料
会場:MMoP
長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1

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