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ジェリー・バトルズが撮るヴィジュアルダイアリー

NYとLAを拠点にし、マルジェラやナイキなどを始めとした多くのクライアントを持ち、N.HOOLYWOODのNYコレクションのバックステージを撮り続けているジェリー・バトルズ。その一方、彼は旅をしながら世界中のストリートを撮り続けている。今回、日本では初の展覧会「Almost Home」を開催した彼に、会場のMister Hollywoodで話を聞いた。

i-D Staff

i-D Staff

いつから写真を撮り始めたのでしょうか?
16歳の頃です。カリフォルニア出身で、スケートカルチャーやグラフィティアートの周辺にいる人たちとよく遊んでいて、そういったサブカルチャーから影響を受けてきました。大学で美術と写真を学んだ後にヨーロッパへ渡り、23歳から仕事として写真を撮っています。

ヨーロッパへ渡った理由を教えてください。
大学を卒業した後、当時付き合っていた彼女(現在の妻)がフランスとアメリカのハーフだったので、彼女の親戚がいるフランスに行くことになりました。ファッションショーのバックステージやメゾンのアトリエへ行ったり、パリならではの環境で活動しているうちに、ドキュメンタリーやジャーナリズム風の写真を撮る事に面白さを感じるようになりました。

他にはどんな写真を撮っていますか?
クライアントワークだと、ファッションやスポーツブランド、アスリートの写真を撮っています。パーソナルプロジェクトでは、ストリートをメインに撮っていて、その写真をまとめたのが今回の展覧会です。

あなたの写真のスタイルについて教えてください。
生々しく静かに見えると思いますが、一つ一つは強い個性を持っています。他の写真家などからあまり影響を受けないよう意識しながら撮っているうちに、自分のスタイルが確立されていきました。

どこからインスパイアを受けているのでしょうか?
日々の生活や世界情勢、また旅を通して色々なものから影響を受けています。他の人とは違う視点で物事を捉えていると自分では思っています。あと、宗教的な意味では神からの影響、そして祖父は自分にとってとても大きな存在です。

あなたにとって、旅をすることはどんな意味を持っていますか?
慣れ親しんだところにずっといると、日々の変化になかなか気づきにくいですが、いろんな場所に行くとすべてが新しい経験になり、旅が終わって帰ってきたときに、それまで見てきたものがまた違って見えてきます。なので、自分にとって旅をすることはとても大事なことです。

今回の写真集のタイトル「ALMOST HOME」について教えてください。
このプロジェクトは2年半前にスタートしました。様々な場所を旅して手に入れた、文化的なインスピレーションを集めたダイアリーです。ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、オクラホマ、ノースカロライナ、テキサス、タイ、日本とたくさんの場所で撮りました。このシリーズでは様々な文化が共存しています。

今回の展覧会に至るまでの経緯について教えてください。
N.HOOLYWOODのニューヨークでのショーのバックステージを約5年撮っているのが縁で、今回の来日が決まった時に、ちょうど写真集も出ました。先月ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移したタイミングも重なり、新しいことを始めようと思い、展覧会をすることになりました。

お気に入りの写真を教えてください。
この写真は非常にニューヨーク的なもので、彼が着ているのは、ヤンキースがワールドチャンピオンになったときのジャケットです。このジャケットや後ろ姿からもプライドが見えてきます。あと、写っている人の顔が見えず、ミステリアスな感じもいいですね。もう一枚(2枚目)は、PALACEに所属するスケーターでアーティストでもあるショーン・パワーズがニューヨークのクイーンズで髪を切っている日常的な一枚です。今回のシリーズの中で、唯一鏡越しに自分が写り込んでいるものですね(笑)

表紙の写真(1枚目)はどこで撮ったものですか?
ニューヨークのブルックリンにある教会の扉です。鍵がかかったドアの向こうに秘められた世界を写しているこの写真を表紙にすることで、写真集自体にどんなものが詰まっているかを見る人に想像させます。あと、写真の中に教会の十字マークがいろんな場所に入っているのも神秘的です。

今後の展開について教えてください。
今回の来日中にもいくつか新しいプロジェクトを予定しています。あと、ショートフィルムを作って、次の個展ではインスタレーションとして展示したいですね。

www.jerrybuttles.com

Credits


Text Takashi Ogami
All Images by Jerry Buttles