多様性と愛を求めて:メキシコのプライド・パレード

LGBTQコミュニティがジェンダーを超えて世界に平等を訴えるプライド・パレード。昨年の夏、『i-D Mexico』はメキシコシティで開催されたプライド・パレードに密着し、参加者たちに「人間としての尊厳」「多様性」そして「愛」について訊いた。

by i-D Staff
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30 January 2017, 4:26am

アルベルト・ペレーラ 27歳

参加目的は?
友達に連れられて、初めてパレードに参加しました。みんなで年に一度こうして集まって自分たちの存在を祝福できるのは、とても幸せなことです。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
ゲイ・プライドは「ほかの人たちと違ったっていいじゃないか」と自分の存在を肯定する方法。人権のための戦いの方法だと思います。

何と戦っていますか?
先入観ですね。「コミュニティ」や「LGBT」というカテゴリーを超えて、多元的に考えられるようにするために。そして、そこに存在し続けてきた暴力の垣根を取り払うことです。

メキシコは包摂的な国だと思いますか?
メキシコはどんなものでも認められ、共存できる国です。でもだからといって、それが受け入れられて平等の体制に組み込まれているとは限らない。夜の世界でのみ認められているように感じます。隠れなくても良いような環境を作るためには、まだまだできることがたくさんあります。

自分のアイデンティティをどう生きていますか?
自分を「クィアだ」というのは好きじゃないし、それが一般的に知れ渡ったからというだけでその名称を用いるのもイヤです。自分をシスジェンダーだとも思わないし——自分はただ流動的なジェンダーなのだと考えていて、それを楽しんで生きています。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
私は美しい世界に生きているし、自分の信条を大切に生きています。フェミニズムやドラァグの世界、トランスセクシュアリティといった、私の興味を惹くものを深く理解するようつとめています。

ベンハ 29歳

参加の理由は?
このコミュニティを祝福するためです。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
自分がゲイであることに誇りがもてるという以上に、日々の生活の中できちんと存在を受け入れてもらえる環境を作ること。誇りとともに毎日を生き、ゲイであるということが意味するものをすべて受け入れて生きる——そして自分という存在に偽りなく生きる勇気を持つということ。隠れることなく、オープンに、人生を謳歌することです。

パレードの何を素晴らしいと思いますか?
LGBTの子どもを持つ親たちが、サポートの姿勢を世界に示すために参加しているのを見ると感動しますね。また今年のパレードは、オアハカで起きた教職員デモなど他の問題にも意識を向けた内容でした。

現在、あなたは何と戦っていますか?
利己的な言い方になるかもしれませんが、いまは何とも戦っている感覚がないので、それは幸運なことだと思います。自由に暮らし、敬意を払ってもらえる環境にいると感じています。しかし、コミュニティのレベルで考えると、僕たちはリスペクトと人権、そしてLGBTIQコミュニティの社会的認知のために戦わなくてはならないと思いますね。本当に近い未来、この国に完全なる平等が実現して、LGBTIQなんていう言葉自体が「時代遅れ」と感じられるような社会になればいいなと思います。

メキシコは包摂的な国だと思いますか?
答えは「イエス」でも「ノー」でもあります。多くの意味で、僕はメキシコがとても進んだ国だと思っています。いまだにヨーロッパのいくつかの国では異論が根強い同性婚も、メキシコでは認められて久しいですからね。ただ、メキシコでは同じコミュニティのなかで排他的な面が見られるのも確かなんです。メキシコ社会には人種差別や階級差別が根強いし、自分とは違う人たちに対する攻撃は今でも見られる。LGBTIQコミュニティのなかでも同様です。

自分のアイデンティティをどう生きていますか?
僕のアイデンティティは、「男性を恋愛対象とする男性」だと思っています。それは、例えば髪の色が金色か茶色か程度の違いなのだと思うんです。それだけが僕という人間を定義づけているわけではない——僕はもっとたくさんの要素でできあがった存在です。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
誰に対しても、自分勝手な物差しで測らないということ。そして社会として不必要な先入観を取り除くということを心がけています。

ブレンダ 18歳

参加の目的は?
今回が初めての参加です。友達に誘われ、大切なことだと思ったから参加しました。

パレードの何を素晴らしいと思いましたか?
それぞれが誇りを表現するために考えた服装。

現在は何と戦っていますか?
誰もがお互いに敬意をもち、共存できるようになればと思います。

メキシコは包摂的な国だと思いますか?
この国の現状に変化を生みたいと考えている人が大勢いて、たしかにこの国はより包摂的になってきてはいます。それでもまだまだ道のりは長いです。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
意見を声高に主張し、お互いをサポートすることだと思います。

エドワルド 22歳

参加の理由は?
受容と幸福な人生を体現するゲイの好例として存在を示すことが重要だと考えたからです。パレードは、アイデアと感情を表現するのに最適の場です。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
幸せであること。それがゲイ・プライドです。自分を、あるがままの自分として受け入れることができる、そして自分自身でいることが悪いという考えに反抗することですね。

パレードの何を素晴らしいと思いましたか?
多様性。コスチュームにかけたみんなの思い。共存。

何と戦っていますか?
「ヘテロ(異性を愛するということ)がノーマルだ」という考えからくる「ゲイは間違っている」という概念。まずは私たち自身が自分たちを受け入れられなくてはならないと思うんです。

メキシコは包摂的な国だと思いますか?
より包摂的な国になろうと戦っている段階です。以前に比べればとてもオープンになりましたが、まだ起こすべきことはたくさんあります。

自分のアイデンティティをどう生きていますか?
私のアイデンティティは、「ホモセクシュアルの男性」です。それを楽しんで生きています。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
誰のことも尊重して、私たちと歩調を揃えられるよう教育をしていくことです。

ジェイソン 18歳

参加の理由は
多様性を祝福して、楽しんで、これに参加している美しい同志たちと有意義な時間を過ごすためです。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
ゲイとしての人生を楽しむこと。自由で幸せであること。

パレードの何を素晴らしいと思いましたか?
このビール。あとたくさん歩いたこと!

何と戦っていますか?
たくさんの苦難がありますよ。でも自分自身に正直で、他人を愛し、自由でい続けることで、現実は好転していくと信じています。

自分のアイデンティティをどう生きていますか?
ときにホモセクシュアルのベイビーとして。また、ストレートのベイビーとして。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
着たい服を着たいように着て、楽しく生きる。

今日、このパレードの後にはどんなお祝いを?
あらゆることをしてお祝いしたい!

マルタ 30歳

参加の理由は?
平等な社会の実現のために参加しました。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
私たちは誰もが平等で、同じ権利を有している——それを祝福するということだと思います。

パレードの何を素晴らしいと思いましたか?
誰もが幸せそうなところ!

何と戦っていますか?
ジェンダーなんか関係ないんだということ、そしてこの国の国民は誰もが同じ権利と義務を有しているんだということを、認めていない社会と戦っています。

自分のアイデンティティをどう生きていますか?
女性として、ヘテロセクシュアルとして、人生をフルに生きています。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
ひとがどう思うかなど気にせず、自分を存分に生きるということです。

オルランド 22歳

参加の理由は?
多様性と愛を祝福するためです。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
僕はゲイで、自分が何者かということに恐れを感じずにゲイとしての人生を謳歌しています。

パレードの何を素晴らしいと思いましたか?
いま着いたところだからまだ全てを見れてはいないけれど、楽しそうにしている人をたくさん見られることはいいですね。

何と戦っていますか?
「皆が同じようにならなくてはならない」という社会通念ですね。たくさんのジェンダーが共存しているのがこの世界。偏見はなくさなければなりません。

メキシコは包摂的な国だと思いますか?
包摂的な社会になり始めているとは感じます。完全に包摂的な社会が実現できるのかはわかりませんが、でもそれに向けてこの国は頑張っています。

自分のアイデンティティをどう生きていますか?
僕は男性であると同時に、ゲイです。僕には色んな面があって、スカートを履いたり、口紅をつけたりとフェミニンな一面も大事にしつつ、ちょっと変わっていたり、楽しかったりする自分を大切に生きたいです。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
ひとと違うことを恐れず生きること。そうすることで、社会は僕たちのような存在に気づき、気づきによって恐怖心が取り除かれ、包摂的な社会ができあがるきっかけになるからです。

ユニュエン 16歳

参加の理由は?
誇りと敬意を後援したいからです。

あなたにとって「ゲイ・プライド」とは?
勇気です。

パレードの何を素晴らしいと思いましたか?
雰囲気。

何と戦っていますか?
クィア、ゲイ、トランスジェンダー、レズビアンであることで存在の価値が変わるような風潮を変えたい。

メキシコは包摂的な国だと思いますか?
包摂的になりたいけれど、様々な理由があってまだそうなれていない——それがメキシコの現状だと思います。

より包摂的な社会を実現するために、いま私たちが日々の生活の中ですべきことは?
違いを超えて、誰に対しても敬意を持つということを実践する。

Credits


Photography María Fernanda Molins
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.