Courtesy Louis Vuitton

ニコラ・ジェスキエール史上最高のルイ・ヴィトン クルーズコレクション

SFと脱構築的テーラリング、近未来的なシルエットに、グレース・コディントンとのコラボレーションを見事にマッシュアップ。

by Holly Shackleton; translated by Aya Takatsu
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31 May 2018, 5:12am

Courtesy Louis Vuitton

昨夜、ニコラ・ジェスキエールがLouis Vuittonの2019年クルーズコレクションを披露したのは、南フランスにあるマーグ財団美術館の彫刻的な庭園だった。この現代美術館はジョアン・ミロ、アルベルト・ジャコメッティ、ジョルジュ・ブラック、マルク・シャガールらの作品を所蔵している。

カンヌから1時間のその美術館は、クルーズコレクションのショーに訪れた観客をカルチャーツアーに誘いたいジェスキエールにとって、まさに理想の場所であった。彼はかつて、京都の山の上に建つ素晴らしいミホ・ミュージアムや、パーム・スプリングスにあるボブ・ホープの邸宅、そしてリオ・デ・ジャネイロのニテロイ現代美術館をショー会場にしている。

美術館そのものーー「知的で美しい建物。魂のある場所です」と彼は言うーーから着想を得たこのコレクションは、ジェスキエールの最高傑作ともいえるものであった。ブラジルから飛んできたシャーマンが執拗にこの旅を脅かし続けてきた雨を追いやり、モデルたちが素晴らしきジョアン・ミロの迷宮へと誘うと、その空気に魔法がかかった。

ニコラが「折衷主義の祝祭」と呼ぶ、80年代のフューチャリズムと脱構築的なテーラリング、未来的なシルエットからなるこのマッシュアップには、彼がここ5年で築き上げてきたたくさんのファッションコードが切り貼りされていた。

シルクのブラウスやスカート、ワンピースなどにある女性らしさは、巨大なスニーカーやマニッシュなジャケットで強調されている。オーバーサイズでボクシーなものから、クロップトまで。ラウンドショルダーの80年代風ボマージャケットや、ライアン・ヴァン・ロンバエイ(Rianne Van Rompaey)がまとうクリスタルが輝くドラマチックな黒いラペルつきブレザーなどが印象に残った。

アクセサリーについては、彼の良き友人であり元アメリカ版『VOGUE』のクリエイティヴ・ディレクター、グレース・コディントンとコラボし、彼女の比類なきイラストをもとにした猫型のバッグをつくり上げている。LVのモノグラムが入った赤いパジャマでショー会場に現れたグレースはこう話した。「ニコラやそのチームとコラボするのは、すごく楽しかった。(愛猫の)パンプキン、ブランケット、そしてニコラの犬の夢がかなったのならいいけど。私のはかなったわ。そもそもこれは、私たちの動物好きに端を発しているの。ファッションを超えたところでニコラと私を結びつけるものだから」

ショーの目玉はスニーカーだ。完売した2018年春夏コレクションのLVアークライトスニーカーに乗じてジェスキエールが発表したのは、ファッション狂垂涎の新デザイン。丸々としたSFっぽいものから、太ももを細く見えるオーバーニーまで、あらゆるスニーカーにフューチャリスティックなラバーソールがあしらわれ、強いカラーに染め抜かれていた。

先週ジェスキエールは、ウィメンズのアーティスティック・ディレクター契約を更新したと公表した(#notgoinganywhereで彼のインスタ投稿が読める)が、それは彼が引き続き業界の最先端にとどまること、そしてそのデザインがみんなのほしいものリストのトップにあることを確かにする、賢明な一手だったといえる。

This article originally appeared on i-D UK.