その6ヶ月後、2018年春夏コレクションのショーが行なわれた朝へと、時間を早送りしてみよう——半年がもたらす変化に誰もが驚くことだろう。Marques'Almeidaのデザイナーは愛娘マリアの親となり、かける音楽もマリアを寝かしつけるためか、ドリー・パートンの「Coat of Many Colors」に変わっている。デザインもまた自然な進化を遂げていた——2018年春夏コレクションは、これまでで最高の出来だとわたしたちは考えている。LVMHプライズを受賞した経験もあるふたり。今シーズンのコレクションを制作するにあたり、成功することへの社会的プレッシャーから、家庭を守ること、綺麗でいること、強く(しかし、強すぎず)あること、そして自信を持っていなければならないということ(しかし、パートナー男性を尻に敷いてしまうほどでなく)まで、女性が社会で強いられる「あり方」について考えたという。i-Dは、そこに異議を唱えるMarques'Almeidaに賛同する! わたしたちは、やりたいことをやりたいようにやるのだ!
電車の走る音が頭上を通り過ぎるなか、モデルを務めた女性たちは史上最長のランウェイを闊歩した——今は使われていない、ブリック・レーンの鉄道線路だ。ガラスのない窓から太陽の光が差し込み、映画『リトル・ミス・サンシャイン』のオリジナルサウンドトラックからの「And the Winner Is…」に続いて、ドリー・パートンの「Coat of Many Colors」がフィナーレで流された壮大なコンクリート空間に、モデルたちのヒールが床を打つ小気味良い音が響く。仕事に急ぐ女性、友達と軽く一杯ビールを飲みに待ち合わせ場所へと急ぐ女性、託児所に子どもを迎えにいく女性、文学賞もしくは音楽賞を受賞した、あるいは素晴らしいコレクションをデザインして授賞式へと向かう女性——モデルたちはさまざまな女性に扮してランウェイを歩いた。その女性像は、あなたであり、わたしでもあり、わたしたちの誰もが友人に持つ普通の女性だった。その女性像を、金色に輝くカーリーヘアの新人モデル、ペネロペ・ハロ(Penelope Haro)が体現していた。