ニコール・リッチーのアイコニックなルック7選

パリス・ヒルトンはJuicy Coutureのピンクのトラックスーツを世に知らしめたが、花冠、Von Dutchのキャップ、スカルスカーフがあるのはインフルエンサーの先駆けだったニコールのおかげだ。ありがとう、ニコール!

by Roisin Lanigan; translated by Nozomi Otaki
|
21 April 2021, 11:09am

誰もが暇を持て余している2021年、ひたすらノスタルジーに慰めを見出している今こそ、見過ごされてきた過去のアイコンに目を向けるまたとないチャンスだ。

キーラ・ナイトレイの演技力を擁護したり、『The OC』のマリッサ・クーパーの力を再評価したりするなかで、私たちはようやく2000年代の女性を誤解していたこと、彼女たちを厳しすぎる目で判断していたこと、その影響力は今なお健在であることに気づかされた。その最たる例が(少なくともファッションの観点からは)ニコール・リッチーだ。

パリス・ヒルトンと同様、リアリティ番組『シンプル・ライフ』で一躍スターダムに上りつめたニコールだが、ポップカルチャーにおける重要人物として語られる機会はほとんどない。しかし、ふたりの小さなスクリーンデビューから14年、今こそ彼女を気の利いたセリフも言えない助手以上の存在として再評価するべきだ。それを私たちが知る最も奥深く科学的な媒体、すなわちファッションを通して分析したい。ニコール・リッチーのアイコニックなルックを通して、彼女の唯一無二のスタイルを振り返る。

Paris and Nicole in matching denim outfits
Photo by David Klein/Getty Images.

2001年 ワントーンの全身デニムルック

先ほどニコールはただの助手以上の存在だと言ったが、彼女が隣に立つパリスとともに、しかも『シンプル・ライフ』の前に、真にアイコニックな双子ルックを披露していたことを忘れてはいけない。この2001年の浮かれた雰囲気が伝わってくる写真は、同番組の2年前に撮られたものだ。

全身デニムでタイトなジャケットとフレアジーンズに、ストラップサンダル、チョーカーとビーズのロザリオ、絶妙ににじんだメイクを組み合わせたふたりのルックは、まさに2000年代初期のファッションを体現していて、初期のケシャのMV以上にパフォーマンスとしての快楽主義を漂わせている。

この写真が撮られたのは、幼馴染のふたりがパパラッチが大好きなロサンゼルスのナイトクラブ〈Lounge Club〉に向かう途中だった。『ザ・ヒルズ』のサウンドトラックが今にも聴こえてきそうだが、『ザ・ヒルズ』が始まったのはこの5年後。この番組の青写真を示したのは、ニコールとパリスだったのだ。

Nicole Richie in Joey and T Spring Collection 2004 (Photo by Randy Brooke/WireImage)
Photo by Randy Brooke/WireImage

2003年 Joey and Tのランウェイ

ボーホーシック、クリスタル、花冠に移行する前、ニコールは〈ガールズ・ゴーン・ワイルド〉時代を経験した。この時代を祝福する最善の方法は──誰もが享受するべき時代であり、パンデミック後には大勢がこの時代に突入するはずだ──ランウェイで観客に向かって〈チラ見せ〉することに他ならない。

2003年11月、ニコールが〈Joey and T(スタイリストからデザイナーに転向したジョーイ・ティアニーとターニャ・タンブリンによる2000年代のブランド)〉のショーでランウェイデビューを果たしたとき、話題を独占したのは服ではなくニコールだった。

Nicole Richie promotes
Photo by Jamie McCarthy/Getty Images

2010年 小説『プライスレス』出版

2010年、この気まぐれなスターはランウェイでTシャツをまくり上げたり、リアリティ番組で一躍有名になった過去を葬り、別のキャリアへと踏み出した。それがセンセーショナルな文学界デビューだ。「人生で本当に大切なものを見つけるために」すべてを失った少女を描く2作目の『プライスレス』は、彼女のファッションにおいても大きな転換点となった。

日に焼けた肌とにじんだメイクは過去のものとなり、私たちがよく知る2010年代らしいスタイルに取って代わった。Alexander McQueenのスカルスカーフ、〈ボヘミアン・ママ〉風のつばの大きなハット、スタッズブーツ、ダメージジーンズ、そして腰に手を当てたポージング……。いずれも、10年以上経った今もTumblrやLookbook.nuのあらゆるコーディネートに絶大な影響を及ぼしている彼女にふさわしいアイテムばかりだ。

 

2014年 テレビ番組『Candidly Nicole』

本格的に軌道に乗る前にキャンセルされた番組といえば、『フリークス学園』や『アグリー・ベティ』などが挙げられるだろうが、『Candidly Nicole』はどうだろう? たった2シーズンで終わってしまったこのリアリティ”風”番組で、ニコールは主演はもちろん、制作総指揮まで務めた。

うだつのあがらない助手に甘んじるのではなく、本作の彼女はスタイリッシュな姿だけでなく、コミカルな一面も堂々と披露した。さらに、より実験的なファッションやヘアメイクを試すようになったニコールは、トレードマークだったカラバサスシックなブロンドヘアを卒業し、パープル、ピンク、ブルーのセルフカラーを楽しんでいた。まさにパンデミックにふさわしいシックなヘアカラーは、時代を先取りしていたといえるだろう。

Nicole Richie poses at Avalon November 28, 2003 in Hollywood, CA.
Photo by David Klein/Getty Images

2003年 Y2Kファッションの象徴

今でこそTikTokで大流行中のY2K(2000年代)のファッションだが、私たちが感謝すべきはただひとりの人物だ。それはパリス・ヒルトンでもブラッツ人形でもない。ニコール・リッチーだ。

『シンプル・ライフ』の内外で彼女はY2Kのエネルギーを体現していたが、それが最もよく表れていたのは、シーズン5まで続いたこの番組(本当はあと15シーズンくらい続けるべきだったが)のレッドカーペットだろう。

ニコールが着用していたララスカートやスローガン入りのタンクトップ、ベイカーボーイキャップなどのアイテムは、今もFYP(※TikTokのハッシュタグ #おすすめのりたい)やショッピングアプリ〈Depop〉で散見される。ベロアのレッグウォーマーやアライグマの尻尾のようなエクステがリバイバルするのもそう遠くないはず。今のうちに準備を進めて。

Nicole Richie for House of Harlow 1960

2009年 ボヘミアン・ママ・スタイル

2006年、ニコールとGOOD CHARLOTTEのフロントマン、ジョエル・マッデンの結婚は、彼女の『シンプル・ライフ』時代の終焉と重なっていた。彼女のパリスの仲が不可解な理由で悪化すると(同年10月には和解したので安心して!)、彼女のスタイルは親友との双子ルックからボヘミアン・ママ時代へと突入する。

2008年、第一子のハーロウが生まれる頃には、パリスとお揃いのスローガンTシャツやJuicy Coutureのトラックスーツは鳴りをひそめ、ボーホーシックとそれにマッチするジュエリーラインへと変化していった。

2009年にニコールが手がけるHouse of Harlow 1960がローンチすると、彼女は2000年代のボヘミアン・ママを代表する存在となった。もちろんこれは、花冠やゆったりとしたマキシドレス、グラディエーターサンダルが、ワクチンではなく水晶を信奉するマルチ商法のマーケターのイメージと結びつくずっと前の話だ。

Nicole Richie wearing custom Topshop attends the Costume Institute Gala for the
Photo by Kevin Mazur/WireImage

2013年 メットガラ

ニコールを2000年代ファッションの絶対的アイコンと考えるひとも多いだろうが、彼女のルックはその後も進化を続け、より洗練され、現代的かつシンプルに変化している。

2013年のメットガラでは、ニコールはVon Dutchのキャップ、花冠、スカルスカーフに別れを告げ、真っ白なヘア、リアリティ番組のスターのイメージを裏切るようなダークで不気味なメイク、そしてまぎれもないTOPSHOPのシックなロングドレスで衝撃を与えた。

メットボールのレッドカーペットにTOPSHOPが登場すること自体がアイコニックだが、このイベントに期待されるオートクチュールではなく、あのジョニジーンズを生み出したブランドを着用した彼女の選択は、まさにこの年のテーマ〈パンク:カオスからクチュール​まで〉にぴったりだった。

しかし、このルックは私たちにとって最も身近なセレブのひとりである彼女の、大人になった姿を改めて提示するものでもあった。これから8年経ち、色とりどりのパステルカラーの髪を披露してきた新生ニコールは、今も絶好調だ。彼女のこれからの進化に期待したい。


Instagram はこちらからフォロー

Tagged:
style
Nicole Richie
00s
7 Iconic Outfits