24歳のマルチクリエイター・りるはにが、自分に挑戦し続ける理由

映像プロデューサーを軸にさまざまなフィールドで活躍する〈りるはに〉にインタビューを敢行。年間20本以上の作品制作に関わるという多忙な彼女に、キャリアのターニングポイントや憧れる女性像を語ってもらった。

by MAKOTO KIKUCHI
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12 August 2020, 11:00am

東京を拠点に活動するマルチクリエイター・りるはには、年間20本以上の作品制作に関わっている。多忙ながらも、24歳の女性として人生を謳歌する彼女に、キャリアのターニングポイントや憧れの女性像、今後の展望などを語ってもらった。

「〈りるはに〉って名前は〈Lilhoneyprincess〉を略したもの。昔たまたま周りに『ラップしてみない?』みたいに言われて、ラッパーネームみたいなのを決めなきゃいけなくて(笑)。ラップ自体はセンスがなかったので、直ぐやめたんですけど、そのときテキトーに作ったものなんです。身長が小さいのとLil Kimが好きだったので〈lil〉、当時好きだったラッパーの名前から〈honey〉、小さい頃から姫とかお嬢とかよく呼ばれていたので〈princess〉。完全に何となくつけた名前がもう6~7年くらい私の通称になっていて不思議な気持ちでいます」。そう語るのは、東京を拠点に活動するマルチクリエイターのりるはにだ。

りるはにの活動は多岐に渡る。映像プロデューサーをはじめとして、モデルやキャスティング、PRやスタイリングまでこなす。そんな彼女がここまでキャリアを積むまでには、「3つのターニングポイント」があったと言う。

「一つ目のターニングポイントは、私が初めて映像の手伝いをしたAwichの『remember』のMV撮影でした。当時沖縄に住んでいて、友人経由でAwichさんのMVに出演する話が舞い込んできたんです。その撮影で監督をしていたのが、後に私が師事するspikey johnでした」。spikey johnとはYouTubeで1500万回再生を記録した「超WAVYでごめんね」のMVを手掛けたことで知られる映像作家だ。「ノリで撮影を手伝うって申し出たら、結局ライティングからスモークまでやることになって。出演者だったのに完全にスタッフになっていましたね(笑)。二つ目は、2017年にアメリカのオハイオ州に住んでいたときに、たまたま日高くん(SKY-HI)のワールドツアーの撮影でLAにいたspikey johnから『明日からNYに行くからりるはにも来て』っていきなり電話が掛かってきて。フットワーク軽いんで、すぐにNYまで飛んで行ってMVと写真集を撮りました。初めてひとりでロケハンして、香盤表も作ってエセプロデューサー的な事をしました(笑)。三つ目は2018年に帰国して、またご縁があって日高くんのMV撮影に参加したとき。そのときも無茶振りでspikey John にキャスティングとスタイリングを頼まれました。どちらもやるのは初めてだったけど、無事に終えたときに『あ、私キャスティング凄い好きかも』って気付いて。力を入れてやっていこうってなりましたね」

映像制作の現場は、男性の割合が圧倒的に高い。重い機材を運び、長時間休み無く立ち回ることが要される体育会系の現場で女性プロデューサーとして活動することは簡単ではない、とりるはには語る。「男性が多い職場で肉体労働が多いと、女性特有の体調不良とか月一回の体の変化とかを理解してもらえないことがあります。でも笑い飛ばすっていうか」

さまざまなハードルを抱える一方、彼女は自身の仕事を心から楽しんでいる。「例え似たようなワークフローでも、作品ごとに絶対に違いが出てくるので、飽き性の私でも毎回ワクワク新鮮に仕事を取り組めています。監督の頭の中をどれだけ形にできるか試行錯誤するのは、ゲームみたいで楽しいです」

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そんな彼女にロールモデルはいるのかと尋ねてみた。「ロールモデルって考え方自体が今まで私のなかになかったんです。でも今いちばん憧れているのは中根さや香監督。今年の始めにNHKの『うたテクネ』って番組に女忍者役で出演しないかと中根さんから声をかけていただきました。女性のスタッフや監督と仕事をすることがめったになかったので、男性にはない視点や表現に完全にやられて。純粋にかっこいい、やばいってなりましたね。頭のなかを覗いてみたいです(笑)。撮影では刀を振り回してアザだらけで辛かったんですけど、すごく良い経験でした」

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近年、彼女のようにさまざまなフィールドで活躍するクリエイターは徐々に増えている。そんなひとつの肩書きに捕われないマルチクリエイターを目指す若いi-D読者へアドバイスを乞うと、こんな答えが返ってきた。「現実に向き合わなきゃいけないときも、私なら出来ると思ってまず何事も挑戦してみてほしいです。私は映像の学校を出たわけでもなければ、機材の知識があるわけでもないけど、やりたい事はやりきった方がいいと思っています。親とか周りを気にする必要はない。やらないでグチグチ言ったりするくらいなら、やって無理だったら無理で仕方ないし、上手くいったら『ほらね?』ってバイブスで」

最近では新たに音楽レーベル〈nhojyekips〉の立ち上げに関わるなど、りるはにの勢いは止まらない。「今はいろんな現場で色んな人に出会いたくて、キャスティングを集中的にやっていますが、将来は自分と同じミックスの子達の為にもっと活動していきたいと思ってます。まだ具体的なことは言えないのですが、動き出しているプロジェクトもあります。モデルのお仕事も大好きですし、楽しくてやりがいのあることを続けていきたいです」