アオイヤマダ「自分を見つめ直す機会にしませんか」【離れても連帯Q&A】

外出規制中も「家のなか」で「一分間」という枠組みをもうけて踊り続けるダンサーのアオイヤマダ。部屋のなかにもクリエイティブの可能性は溢れている。〈離れても連帯〉シリーズ第19弾。

by Aoi Yamada and Sogo Hiraiwa
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21 April 2020, 6:00am

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって、日本ではいま、多くの文化施設が休業を強いられ、感染防止対策として、あるいは政府による“自粛の要請”によって。また「ステイ・ホーム」や「ソーシャル・ディスタンシング(距離をとること)」が求められ、人と人とのコミュニケーションはいまだかつてなく制限されています。

こうした中でわたしたちには何ができるのでしょうか。文化を維持するために、好きな人や場所を守るためには何が? 離ればなれであっても連帯するには? この"非日常"を忘れないためには? さまざまなジャンルの第一線で活躍している方々にアンケートを実施し、そのヒントを探ります。

今回はダンサーのアオイヤマダが登場。

離れても連帯, KEEP-DISTANCE-IN-SOLODARITY-01

──新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今あなたが属している業界や産業はどんな打撃を受けていますか? 応援・支援するにはわたしたちに何ができるでしょう?

アオイ:私たちはなぜ、いつもギリギリになってしまうのだろう。たまったままの冬休みの宿題のように、明日が消費期限の肉のように。そしてなぜ、自分を被害者としてしまうのだろう。加害者は自分かもしれないのに。

「ひとりひとりが心がければ」、この言葉に耳を傾けたことがあっただろうか。自分は都合の良い奴だ。誰かのため、そう思いながらも自分のことしか考えてないのでは、と反省する。誰かに期待はしない。しかし、誰かに期待されたい。自分を見つめ直す機会にしませんか。

──自宅待機以降に新しく始めたこと、もしくはポジティブな影響・変化がありますか?

アオイ:他人からの宿題も、期待も、声も届かない。自分は自分として生きるしかなく、部屋の角も、自分の小指の爪も、すべて自分にかかっている。何かを創り出す良い機会。私は私として生きるしかない。そう考えなおすことができました。

──自宅隔離中の人に試してほしい、オススメの行動やコンテンツを教えてください。

アオイ:この自粛期間、構図を決め、1分以内の動画をとってみました。自分のなかで、踊りと構図と笑いの比率のバランスをとるのが意外と難しかった。しかも"家のなか"という条件で。1分とはいえ、かなり時間をかけてしまう。こういうことって、こんな機会がないとできなかったなと。

──コロナ禍で人間の「良い面」も「悪い面」も浮き彫りになりました。あなたが見聞きしたなかで、忘れたくないと思う、印象的な出来事やエピソードがあれば教えてください。

アオイ:私の母は学生の頃、服飾の学校に通っていた。卒業間近に私を身ごもり、子育てと仕事。きっと、毎日クタクタだったと思う。服作りなんてしている時間は……。私がダンスをはじめ、衣装が必要になり、母は高校時代に学んだ知識をもとに、綺麗な衣装を仕立ててくれた。ミシンを動かしている母は真剣で、忙しそうだった。月日が経ち、衣装は自分で調達するようになり、母も仕事や別の趣味で忙しくなった。

コロナ。自粛。stay home.

母から写真が届いた。ミシンの写真。「久しぶりにミシンを出して、マスク作り! 布も染めてます〜。何色がいい?」

──コロナ禍が落ち着いた後、日本の社会にはどう変わっていってほしいですか?

アオイ:コロナはおさまってほしい、友達にも会いたい、お出かけもしたい。コロナで苦しい思いをしている人には、はやく良くなってほしい。でも、この自粛期間で気づいたことや反省、いま、これを書きながら少し泣きそうになっているこの感情は変わってほしくない。忘れてはいけない。きっと、みんな思っていることがあるはず。来年の春は、お花見を楽しむ人、人との出会いや呼ばれる名前が、今まで以上にあたたかいものでありますように。

@aoiyamada0624

離れても連帯

Special Thank Kisshomaru Shimamura

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