「親に反抗しない子はジャガイモ」プッシー・ライオットがInterview誌で語ったこと

ロシアのアート・アクティビスト集団プッシー・ライオットの主要メンバー、ナージャ・トロコンニコワが米「Interview」誌のインタビューに登場。近年注力している音楽制作、プッシーライオット式の子育て術、バーニー・サンダースについて存分に語っている。

by Sogo Hiraiwa
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24 March 2020, 8:30am

「ロシアのアート・アクティビスト集団」として知られるプッシー・ライオットだが、近年彼女たちが音楽制作に熱を入れているのはご存知だろうか。

結成当初から、プッシー・ライオットのアクティビズムに音楽(パンク)は欠かせないものだった。2012年の悪名高き〈パンク・プレイヤー〉からして、モスクワの大聖堂に参拝客のふりをして楽器・機材を持ち込み、約40秒間にわたってオリジナル曲「聖母マリア様、プーチンを追い払って」を演奏するというゲリラ・パフォーマンスだった(その場で逮捕された)。

しかし、それは本人たちも証言しているように、アクティビズムの一手段として音楽をもちいたものでしかなかった。それにひきかえ、近年の音楽への入れ込みようには並々ならない熱量を感じる。

2018年からの2年間で6曲のシングルを発表し、昨年末にはヴィック・メンサとジャングルプッシーが客演した最新曲「Hungerz」をドロップ。ライブ活動も盛んで、2019年だけでも欧米ツアーで33ヶ所を巡り、各国でオーディエンスを沸かせているのだ。

米「Interview」誌は先日、プッシー・ライオットの主要メンバーであるナージャ・トロコンニコワとのインタビューを公開した。ナージャはそこで、ここ数年の熱心な音楽活動のモチベーションについて語っている。「2013年に釈放された後、プッシー・ライオットが音楽にちゃんと取り組んだらどうなるか、追求しようと決めたんです」

「当時私たちはアクティビストで、どうやったら“うまく”曲を作れるのかわからなかった……。こういう発想が、悪いパンクを産むのかもね(笑)。初期の曲は大好き。けど、上手くなってもいいでしょう?」

ナージャのインタビューだ。もちろん、それだけでは終わらない。最新曲「Hungerz」や、大統領選真っ只中のバーニー・サンダースについて、さらには〈プッシー・ライオット式子育て〉とでも呼べそうなユニークな子育て術についても饒舌に語っている。

ここでは、同インタビューで気になった4つの発言を紹介。

1.新曲「Hungerz」のコラボについて

「Hungerz」に客演しているジャングルプッシーは、ブルックリン出身の注目ラッパー。ナージャは長年ファンだったようで、彼女の「Bling Bling」を聴いて、「以前付き合っていた態度の悪い彼氏と縁を切る決意が固まった」ほどだ、と述べている。ヴィック・メンサとの出会いは、友達のパーティを機に。そのときナージャは一切韻を踏まず、リズムもはちゃめちゃにマイクで怒鳴り散らかしていたのだが、ヴィック・メンサはそれを見て、「ああ、これこそがピュアなパンクだ」と感心し、意気投合したのだという。

2.プッシー・ライオット式子育て

ナージャは小さい頃に、異端のポストモダン作家ウラジーミル・ソローキンを父親に読まされるという、かなり変わった教育歴を持っているが、彼女は自身の子どもに対してどんな教育をしているのだろうか。「子どもについて最もすばらしいのは、彼らが親に反抗するってこと。私も反抗的な子どもだった。もし親が教えることの一部でも拒まないんだったら、その子は本物の子どもじゃない、ジャガイモみたいなもの。うちの家はちょっと可笑しくて。私はいつも娘を挑発してるの。『どうやって私に反抗するつもり?』『銀行員にでもなりたいの?』って」

3.プッシー・ライオットに新メンバー?

プッシー・ライオットの新しいメンバーを好きに選べるとしたら誰か、という質問に対して、ナージャはこう答えている。「バーニー・サンダースかな。彼に前にも何度か会っているけど、目出し帽をかぶせる機会はなかったから」

4.ナージャの夢

ナージャには長年思い描いている夢があるという。「つい先日、FSB(ロシア連邦保安庁)が、若いアクティビストたちを架空のテロ組織〈ネットワーク〉の一味であると言いがかりをつけて、逮捕したんです。彼らは拷問されました」。これのどこが夢の話なのかと思ってしまうのだけれど、ナージャの想像力とレトリックが発揮されると、恐ろしい話がちゃんと夢の話に接続されてしまうから驚きだ。「FBSのすばらしいところは、その建物がロシア最大の玩具店〈子どもの世界 Де́тский мир〉のすぐ隣にあること。私の夢は、FSBを占拠し職員たちを追い出して、そこでオモチャを売ることです」

「Interview」誌のインタビュー全文はこちら

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