外からみた英国:Ryan Lo 2018SSコレクション

ドラマチックな愛が描かれ結婚があり、最後には切ない結末が——ライアン・ローが讃えるイギリス。

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sep 22 2017, 6:42am

This article was originally published by i-D UK.

「僕が解釈したイギリスらしさ」——ショー開催前日、ライアン・ローはコレクションのプレビューでそう語った。「実際のイギリスから少しずれているのは、僕が幼少期に外からイギリスをみていから」。香港に生まれ育ち、現在はロンドンを拠点に活動する彼は、イギリス人と中国人のハーフだ。今年こそイギリスに帰化したいと話すローにとっての「イギリスらしさ」は「喜びに満ちた二重性」だという。ロンドンのホルボーンにある教会で行なわれたショー会場では、韓流ドラマのロマンチックなサウンドトラックが流れていた。ローは、生と死、愛と喪失、そして過去と現在というテーマを探っていた。エリザベス1世からダイアナ妃、ケイト・モスにいたるまで、イギリスの歴史をタイムトラベルするようなコレクションであった。

過去数シーズン、コットンキャンディのような甘い色彩とアニメ的な奇抜さの不協和音を鳴らしてきたが、今季の彼はその歩調をゆるめた。20歳という節目において、自身がいかにその才能を育んだのか、彼の"少女"がいかに"女性"へ成長したのかが描かれていた(もちろん、フリルが大好きな女性だ)。
「イギリスのクラシックな要素をデザインに織り込みたかった。数シーズン、カラフルなコレクションを発表してきて、今回は黒と白のコレクションをやってみたいと——僕にとって白と黒こそイギリスの色だから。そこに少しだけピンクを入れた。まったく新しい挑戦だったよ。過去に作った『雪の女王コレクション』を彷彿とさせる部分もあると思うけど、今回見せたかったのは僕のこれまでの道のり。さりげなくだけど、僕のトレードマークはすべて込めたよ」

観客の目を捉え惹きつけるドレスだけでなく、アクセサリーもまた存在感を放っていた。スティーヴン・ジョーンズによるヘッドピースや、イギリス王室ご用達のバッグ職人とのコラボレーションバッグ、小さな真珠がぎっしりと重ね合わされたネックレスには、イギリスの伝統が込められていたと。

ライアン・ローは、決して政治的なデザイナーではない。しかし、今回発表したコレクションには、「イギリスとは何か」と考えさせるきっかけになったイギリスのEU脱退を否が応でも感じさせた。しかし、これまでのRyan Lo のコレクションがそうだったように、今季もわたしたちを現実から夢の世界へいざない、「イギリスは、こんなに美しくなりうるのだ」と思い出させてくれた。