Photography Mitchell Sams

ジェンダーレスな時間旅行:Givenchy 19SS

クレア・ワイト・ケラーは、ウィメンズとメンズの要素を融合させた。

by Steve Salter; translated by Nozomi Otaki
|
10 October 2018, 12:03pm

Photography Mitchell Sams

Givenchyのアーティスティック・ディレクター、クレア・ワイト・ケラーが2019年春夏コレクションのミューズに選んだのは、アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ。スイスのジャーナリスト/写真家/旅行家で、二元的な性に挑んだ先人のひとりだ。自身の性を「その他」と答える学生の数が史上最多を記録した今、メンズウェアとウィメンズウェアが重なる場の探求は、まさに現代のコレクションにふさわしいテーマだ。

現代の雰囲気を投影しながらも、クレア・ワイト・ケラーは、歴史のなかにインスピレーションを探し求めた。シュヴァルツェンバッハの人生は、彼女の出発点となった。「シルエットのリサーチをしていたときに、この女性のことを知り、目が釘付けになったんです。彼女の母親は決して女の子らしい格好を強要しませんでした。シュヴァルツェンバッハは、大人になってからは男女両方の服を着ていましたが、いつも上品でエレガントな装いでした」とワイト・ケラーはショーの前に説明した。この中性的なバイセクシュアルのジャーナリスト/写真家は、1910年代前半、両親に男の子として育てられた。自身の性を女性と認識しながらも、彼女は、崩壊間近のワイマール共和政下で男性の服を着続けていた。

シュヴァルツェンバッハから着想を得たワイト・ケラーは、ふたつのジェンダーの特性を融合させることで、女性性と男性性を映し出す、というアイデアを試すことにした。彼女はさらにタイムトラベルを続け、次のステップとして、THE VELVET UNDERGROUNDのルー・リードやニコへの愛、そして彼らのルックを、シャープでタイトな現代的シルエットに落としこんだ。

ワイト・ケラーは、女性的/男性的と解釈されてきた従来の衣服を自在に操ることで、より進歩的かつ包括的な現在のメンタリティを反映させた。110年前に生まれたミューズを起用しながらも、本コレクションは、まさに今の時代を映し出している。

This article originally appeared on i-D UK.

Tagged:
Givenchy
Paris Fashion Week
Review
clare waight keller
s/s 19
spring/summer 19 womenswear
nonbinary fashion
Annemarie Schwarzenbach