Z世代はなにでオナニーしてきたか

"デジタルネイティブ"と呼ばれるZ世代に聞いた。最初に触れたポルノは何? —— 「Twitterのネッ友からの『オナニーしってる?』→ネットで動画検索」(21歳 女性)

by MAKOTO KIKUCHI
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28 June 2019, 7:00am

現在の20-24歳は、デジタルネイティブではあるが、スマホネイティブではない。中学2、3年生のころに初めてスマホを手にしたという人がほとんどだ。これを書いている私は1997年生まれ、かろうじてZ世代(1995年以降に生まれた世代)のひとりである。初めてインターネットに触れたのは、小学校4年生くらいのころにまだギリギリ流行していたフラッシュ動画の専門まとめサイト〈おもしろフラッシュ〉だった。当時はまだYouTubeのような動画サイトの認知度はそこまで高くなく、「動画といえば〈フラッシュ〉」のような認識だったように記憶している。

今の20歳以下は恐らくなじみがないであろう、あの「チバ シガ サガ!」を見たのも〈おもしろフラッシュ〉だった。このまとめサイトには、もちろん面白いフラッシュ動画がたくさん載っていたが、なかにはポルノ動画のリンクも紛れ込んでいた。思い返せば、私にとってはそれがポルノの入り口だったと思う。

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Z世代のオナニー事情に迫るべく、インスタグラムのストーリーズにある質問機能を使い、こんな問いを投げかけた。「最初に触れたポルノは何でしたか?」回答は以下の通り。

「小3。"エロ"で検索」(23歳 男性)

「9歳のときにお父さんのパソコンからAVを見つけた。その流れで父の部屋にあったエロ本も見つけて読んでいた」(23歳 女性)

「6、7歳のとき。スカパーで偶然アダルトチャンネルを見つけて、親に隠れて見ていた」(22歳 男性)

「小1のころに本屋でエロ本を見つけて読んでいた。大人に注意され、その後はパソコンに移行」(23歳 女性)

「13歳のとき、友達がダウンロードしてきたAVをPSPを使って部活のみんなで見ていた」(22歳 男性)

「小学校1年生のころおじいちゃんの経営する喫茶店に置いてあったアダルト雑誌」(22歳 女性)

「おもしろフラッシュのサイトを見ていたらたまたま見つけたAV。畳の暗い部屋にハンガーラックに吊るされた女性がいて、その人の乳房に霧吹きをかけ続けるという謎SM。小4だった」(21歳 男性)

「10歳くらいのころ、神社の裏に詰まれた大量のエロ本」(20歳 男性)

「小学生のときにネットで見つけたエロ漫画」(21歳 女性)

「小学校4年生くらいのころ、ケーブルテレビの無料ポルノチャンネル試聴で。お父さんが見ていたから、隠れて見る必要はなかったけど横目で見ていた」(23歳 男性)

「Twitterのネッ友からの『オナニーしってる?』→ネットで動画検索。13歳くらいのとき」(21歳 女性)

「小3。"エロ"で検索」と答えた彼にその後なにを見てきたのかと尋ねると「検索した結果たどり着いたのが〈カリビアンコム〉。それから〈FC2〉、〈ぬきスト〉、〈マスタベ〉の順番で経由した」との回答が返ってきた。

「小1でエロ本を読んでいた」と言っていた23歳の彼女は「最初は〈DMM〉、でもモザイクが嫌で〈カリビアンコム〉に移行した。そのあとは〈Pornhub〉、今は〈X Videos〉が中心」

彼女が日本のアダルトサイトをあまり見なくなった理由は、「毛が嫌だし、男優がおじさんばっかりだから」。日本で作られる女性用AVに関しては「無修正のものがないし、セリフが寒い」という理由であまり見ないと言う。

そんななか、「私の周りではDVDで見たい派が圧倒的に多い」と話すのはひとつ年上の女友達だ。その理由は「作品として鑑賞したいから」。彼女は女性用AVも男性用AVもどちらも見るが、ストーリー性のある作品を好む。「最近では男性向けAVでも、綺麗な男の子が出演しているものもある。ストレートの女の子で、海外モノもいけるんだったらオススメは〈X Videos〉」。

9歳で父親のパソコンからAVを見つけたと言っていた女性は「高校生までは兄のエロ本を隠し読みしたり、親が寝静まった夜中に〈レインボーチャンネル〉を見たりしていました。そのときはマスターベーションをしたことがなく、なんだか興奮するという程度。ここ2年は〈シュガール〉と〈マスタベ〉で女性の快感に重きを置いたAVを見ています」と話す。

「男性用AVには男性の欲望をそのまま投影したものや、女性にとって気持ちよくなさそうなものなどが多く、全く見ないわけではないですが、作品は選びます」彼女はバイセクシュアルであるが、彼女の言う「女性が男性の性処理の道具として使われているような」セックスシーンに興奮できないという声は、セクシュアリティに関わらず同世代の女性からよく聞く。事実私もそう思う。

本人のセクシュアリティの変化に伴い、求めるポルノが変化していったという例もある。23歳の友人はシスジェンダー男性、現在は自身のセクシュアリティをゲイと認識している。

「ポルノを見始めたころはまだ自分のセクシュアリティを認めたくなかったから、ストレートの“エロ画像”を検索して、個人のエロブログとかに載っている写真を見てたかな。だんだん男性の体に惹かれることに気づいてからは腐女子向けの個人ブログに載っている画像を見るようになった。検索ワードは“イケメン 裸”、“ちらりずむ 男”とか。そこから動画も見始めてYouTubeに載っているようなかわいいレベルのポルノを見てた。セクシュアリティを自覚してからは、ゲイ向けのまとめサイトから動画を探すようになった。いまは〈Pornhub〉や〈Tube8〉でカテゴリーを選択して見ている」

「俺はめちゃめちゃエロイプしてましたよ」と話すのは大学の後輩男子だ。現在21歳。〈エロイプ〉とはSkypeを使った"エロ"目的のやりとりを指す造語で、スマホが普及し始めた2012年前後から流行しだした。テレビ通話でなく音声通話やチャットのみの会話が主流で、出会いの場というよりもある種のプレイとして使われていた。ツイッターやネットの掲示板で相手を探しIDを手に入れることで、チャットができる。

「100人くらいに話しかけてエロ画像や動画のやり取りができるのは3人くらい、実際に会ってセックスに至る人は本当にごくわずかです」

2015年頃から、マッチングアプリ〈Tinder〉が日本でも普及し始め、状況はガラっと変わった。「検索する距離」や「表示する年齢」が指定できるティンダーでは、より相手が限定しやすく、実際にデートができる可能性も高い。

「〈Tinder〉はすごくオープンなイメージ、明るいイメージがあります」と先ほどの後輩。「それに対してエロイプはアングラ感があった気がします。周りの友達にも言えない感じで」

マスターベーションの仕方や頻度、趣味趣向は十人十色。人の数だけ、オナニーの数がある。時代とともに変化してくテクノロジーや道具を用いて今日も私たちは、性的欲求を満たす行為に勤しむのだ。

Credit


Text Makoto Kikuchi