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テーマはロシアに降った〈黒い雪〉 プッシー・ライオットが新曲「Black Snow」をリリース

シベリアの炭鉱地域で降った〈黒い雪〉をテーマに、環境問題に警鐘を鳴らすトラップナンバー「Black Snow」を発表したPussy Riot。プーチン大統領に宛てたメッセージも同時に公開された。

by Frankie Dunn
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17 July 2019, 8:00am

Photography @kkaypi

ロシアのアクティビスト・アート集団Pussy Riotは、これまでもさまざまな抗議を繰り広げてきた。2012年、モスクワの教会でのパフォーマンス〈パンク・プレイヤー〉で逮捕されて以降、彼女たちは単なるバンドから、ロシアにおける不正との終わりなき闘いの象徴、さらにそれ以上への存在へと進化した。バンクシーによる遊園地「ディズマランド」でのパフォーマンス、サーチ・ギャラリーでの体験型の演劇作品、警察国家やドナルド・トランプ、LGBT+の権利、難民危機に焦点を当てたミュージックビデオなど、彼女たちの活動は多岐にわたる。

そして今、プッシー・ライオットは、再び衝撃的な作品を提げて戻ってきた。今回彼女たちが目を向けたのは、切迫した環境問題だ。新曲「Black Snow」は、ナジェージダ・トロコンニコワ(ナージャ)とコラボレーターたちが目の当たりにした悲惨な環境汚染をもとに完成させた、メタル感を前面に押し出したトラップナンバー。ナージャが監督を務めたMVでは、ナージャの故郷で〈ロシアでもっとも汚染された場所〉と呼ばれるノリリスクの荒涼とした景色を背景に、彼女たちがガスマスクやトレードマークのバラクラバ(目出し帽)を被った姿が映し出される。

映像と同時に注目してほしいのはリリックだ。〈去年から酸性雨がずっと降り続いてる〉と彼女たちはロシア語で歌う。〈私の目が蝕まれていく(中略)吹雪が空気を焼き尽くし/私たちは灰に埋もれる〉。歌詞はこう続く。〈核に汚染された星/自然を支配した人間は インターネットの奴隷/私は隊列に加わり 静かに声を上げる〉

今年初め、シベリアの炭鉱地域で〈黒い雪〉が降り、終末世界のような光景をつくりだしてトップニュースになった。2月には『The Guardian』が次のように報じた。「クズバス地域で黒い雪となった炭塵は、多数の露天掘り炭鉱から出たもの。ロシアの平均寿命は男性が66歳で女性が77歳だが、この〈雪〉は、同地域に住む260万人の平均寿命を3〜4年縮めるなど、深刻な健康被害をもたらす、と環境活動家は訴えている」。さらに「クズバス地域のがん、子どもの脳性まひ、結核の発症率は、いずれも平均を上回っている」という。

ナージャはこの曲のリリースと同時に、プーチン大統領への公開状を発表した。

「ノリリスクで外出するときは、スカーフを被らなければいけない。吹雪のせいだけじゃなく、二酸化硫黄で目、鼻、口、肺が痛むから。二酸化硫黄は水に溶ければ硫酸に変わる。タイガの森が酸で枯れてしまったら、私たちの大切な、小さな肺胞はどうなってしまうと思う? そんなの誰にもわからない」

メッセージの全文は、プッシー・ライオットで公式HPで読むことができる。

This article originally appeared on i-D UK.