クロエ・セヴィニーが語るハリウッドの性差別

映画の名匠たちに向けて「軽蔑する」と言い放ってから数日後、クロエがより踏み込んだハリウッドの性差別の現状を明かした。

by Hannah Ongley
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25 May 2016, 10:18am

ハリウッドにおける性差別は、この2週間、カンヌ映画祭で最も取りざたされた話題となった。今回のカンヌ国際映画祭のオープニング作品となった『Cafe Society』の監督であるウディ・アレンが、彼の実子であるローナン・ファロー(Ronan Farrow)や、歯に衣着せぬ物言いで有名なアカデミー賞女優のスーザン・サランドン(Susan Sarandon)などから性犯罪者として批判される事態が起こったのだ。それと前後して、今回のカンヌ映画祭で6分の短編映画『Kitty』を提げて監督デビューを果たしたクロエ・セヴィニーは、『The Guardian』紙とのインタビューのなかで、いわゆる名匠監督たちに対する「軽蔑」の念を赤裸々に語っている。「性的搾取と言うべきかどうかはわからないけど、なんにせよ、いわゆる名匠と呼ばれる映画監督たちと仕事をして最も残念だったのは、彼らを軽蔑しなければならなくなったこと。彼らへの軽蔑の念はとても根深いわ」。問題の監督として彼女が挙げたなかには、ラース・フォン・トリアーやテリー・リチャードソン、そしてウディ・アレンの名があった。

Variety』誌がカンヌで主催したパネルセッションで、クロエはこれについてよりさらに語り、この3人が、オーディションで「越えるべきでない一線を越えていた」と明かした。「『この後の予定は?』って訊かれたわ」と彼女は語っている。「『ショッピングにでも行こう。試着室に一緒に入らせてくれれば、君の欲しいものを買ってあげるよ』みたいな会話もあった。気持ち悪さも一線を越えてたわ」

『ガンモ』や『ブラウン・バニー』といった彼女の出演作品を知らなかったのだろう。ある映画監督に至っては、彼女に「もうちょっと体を見せたほうがいいよ。最近になって裸になったあの女優みたいになっちゃいけない。裸になるなら若いうち、今だよ」とまで迫ったという。クロエはこれを拒否したが、その結果、彼女が配役されることはなかったという。

彼女は実名こそ明かしていない。また、そんな監督たちの行動をセクシャルハラスメントであるとも断言していない。「それがハリウッドなんだと思う」と彼女は含みをもたせて言う。「セクシャルハラスメントだったかどうか。それは主張がかみ合わない微妙な議論になる」。今回の発言のせいで、クロエが孤立しているという印象はない。『Kitty』を撮った監督としての今後の活動も大いに期待されているクロエ・セヴィニーは、今のハリウッドへのひとつの解決法−−より多くの女性映画監督を起用するという打開策なのだ。

Credits


Text Hannah Ongley
Photography Marcelo Krasilcic, 1994
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.