mikio sakabe spring/summer 2017 at tokyo fashion week

四次元の中で生きるファッションに一堂に会する機会があるならば。

by i-D Staff
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28 October 2016, 3:02am

毎回、趣向を凝らした演出で我々に新鮮な驚きを与えてくれるMIKIO SAKABEは今回は10周年となる節目のシーズンだ。バックステージからはマドンナの代表曲「セレブレーション」や「ライク ア ヴァージン」が流れ、和やかな雰囲気の中で順調に準備が進められていく。見る限り、モデルのヘアやメイクは70年代から90年代初頭までのファッションアイコンや特徴的なスタイリングをデザイナーなりに解釈したものだ。今風に仕上げられたマドンナやデボラ・ハリーなどが其処彼処でセルフィーをアップしている。また、学生時代の彼に大きな影響を与えたであろう90年代のマルタン・マルジェラに代表されるアントワープ系のウェットなロングヘアや重ためのバング、今までにも度々クローズアップされてきた80年代のジャパニーズ・アイドル風カットなどもチラホラ。その頃、リハーサル直前の会場ではスクエア状に設置されたランウェイの隅に設置された巨大なクレーンが音を立てて上下していた。先端に取り付けられたライトが強力な光が放ちながら、テストウォークをするスタッフの頭上すれすれのところを行ったり来たりしている。この時すでにコレクションの完成度が高いものであることが分かった。ショーでは、アイコニックなディテールやシェイプ、肩やネック周りのラインなどでそれぞれの年代が混在し、今までに見たことのないシルエットを描く。今回はテーラードが多く発表されたことからもアニバーサリーイヤーの本気度が窺える。

過去を振り返り、そこから何かしらの意味を見出せるのは今を生きる人のみに許された行為であり、未来も同様に想像することは出来ても体験することは出来ない。時間軸で語ることのできるファッションとは、時間という枠組みから外れた時、それは変化への拒否をも意味し、過去からの引用と想像でしか生きることのできない代物である。また、その止まった針を進めることが出来るのはクリエイターという職業であることも私たちに教えてくれている。

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Text Yuuji Ozeki
Photography Takao Iwasawa