韓国から、車文化を発信してる媒体『Peaches』のファウンダーに聞いたカーカルチャーの未来について

韓国を拠点に新たな車文化、カーカルチャーを創造するインディペンデントブランド『Peaches』 。同ブランドのファウンダーであるRyoへのカーカルチャーとファッションの関係性、そしてカーカルチャーの未来についてのインタビュー

by Kazuki Chito
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06 July 2021, 7:07am

カーカルチャーという言葉を聞き、頭によぎる言葉は「レース」や「改造」といったハードボイルドな言葉ばかりだろう。それゆえ、カーカルチャーが男性社会的であることは事実である。しかし、そんな既存のカーカルチャーに、韓国を拠点に活動するインディペンデントブランド『Peaches』は終止符を打つ。彼らは自己表現の一部として、ある意味ではファッションの一部として車を捉え、若者世代をあらゆる文化的方向からカーカルチャーへと誘う。そんな『Peaches』のファウンダーであるRyoに、彼らの働きとこれからのカーカルチャーについてのインタビューを行った。

『Peaches』を始めたきっかけを教えてください。

韓国のカーカルチャーは少し前まで何もスペシャルではありませんでした。しかし、LAや日本のカーカルチャーを見渡してみると、多様性があるし、オリジナルですよね。僕は車が大好きだし、韓国でもユニークでクールなカーカルチャーを創造したいと思ったので『Peaches』をスタートさせました。

そのような現状を抱えた韓国で活動している『Peaches』のコンセプトは何でしょうか?

音楽やファッションのような他の文化を入り口として用意し、潜在的なカーカルチャーファンを覚醒させることです。もっとシンプルに説明すると、ファッション好きや音楽好き等のカルチャー/サブカルチャー好きを車好きにさせることです。僕はカーカルチャーがファッションと非常に似ていると考えています。Supemreはスケートカルチャー愛好家がスケートカルチャーをファッションへと昇華させ、融合させたブランドです。僕は車でも同じようなことができると感じたので『Peaches』として活動しています。

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実際にどういうことをやっているか教えてくれますか?

アーティストのMVに登場させる車のディレクションを行うCar Stylingを行ったり、車好きのみんなが一同に集うことができるイベントのCar Meetを開催したり、自分たちのアパレルラインの展開などを行っています。また、様々な人々がカーカルチャーをリアルに体験できる場所を作りたいと思い、『Peaches』のフラッグシップストアをつい最近オープンしました。毎日2000人を超える人々が来ています。ストアの中では僕たちがセレクトしている車の展示や、アパレルストア、ハンバーガーショップを設置していて、車好きではない人たちも楽しめるような空間となっています。

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そんな『Peaches』のターゲットは?

ミレニアルズとジェネレーションZ。彼らはUberみたいなシェアモビリティを多用しているから、交通の便という観点で考えると、車の必要性がなくなった世代です。彼らは自己表現の道具として、車を買う消費傾向にあると思います。そんな中で、BMW、ポルシェ、ランボルギーニなどの高級車ブランドからHYUNDAI、日産などの低価格帯の車会社までもが彼らに興味を持つようになりました。その理由として挙げられるのは、彼らがメインの購買者層になりつつあるという事実もそうですし、会社の中の人たちも若くなっているからです。僕たちも現に、HYUNDAIのニューラインとして紹介された「N」というカーラインのプロモーションビデオをタイアップで作成しました。

とあるインタビューで、『Peaches』はカーカルチャーの再定義だと仰っていましたが、どういう意味ですか?

僕が言う「カーカルチャーの再定義」は、他のカルチャーとの交流を持ちながら、性別関係なしに、カーカルチャーを愛する人々を増やすことです。今までの韓国におけるカーカルチャーが退屈であったということに加え、カーカルチャーを愛する人々の多くが男性でした。そのような既存のカーカルチャーに変化を加え、捉え直すという意味での再定義です。

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『Peaches』の今後の活動ついて教えてください。

直近の目標はオリジナルガソリンスタンドのオープンです。車に乗る際に、ガソリンスタンドは間違いなく必要ですよね。ガソリンスタンドはカーカルチャーにおける重要な存在です。でも、ドープなガソリンスタンドって見たことないですよね。僕は藤原ヒロシさんがやった、THE CONVENIのようなガソリンスタンドを作りたいんです。

最後にRyoさんにとって『Peaches』ってどんな団体か教えてもらえますか?

『Peaches』は宗教、カルテル、あるいは家族のようなものだと思っています。ファッション好き、音楽好き、映画好きがカーカルチャーの名の下に集まり、僕たちは一つの共同体となり、カーカルチャーをセレブレイトします。藤原ヒロシさんは自分の『裏原』という家族を持っていますよね。ポギーさんNigoさんVerdyさん等によって構成された、『裏原』というファミリーを持っています。韓国の文化圏においてそのような家族は存在しません。僕は誰かが文化的有名なアイコンと成り上がった際には、彼/彼女は自分の家族を構成する責任があると思っています。なので僕にとって『Peaches』は、『裏原』のようなファミリーへとなりつつある団体ですね。