Shioli Kutsuna Photo by Chikashi Suzuki

忽那汐里がAppleTV+のSFドラマに出演が決定、渡米前の気持ちを聞いてみた

ハリウッドでも活躍の場を広げる女優、忽那汐里。AppleTV+でのSFドラマへ主要キャストとしての出演が決まり、国際的にさらなる活躍の場を広げる。

by Kazumi Asamura Hayashi; photos by Chikashi Suzuki
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30 November 2020, 8:01am

Shioli Kutsuna Photo by Chikashi Suzuki

忽那汐里は2016年以降、ハリウッドでの仕事を中心にしてきたが、そもそもハリウッドを目指していたわけではない。ある仕事がきっかけとなり、オーストラリアで育った英語力を生かし、試行錯誤を繰り返し映画出演をしていった。日本にいる時とは事情も変わり、出演のための準備、またその後に行われるレッドカーペットでのスタイリスト探しなど、多くのことを一人でやっていかなければならなかった。しかし彼女には、そのようなスタイルはしっくりと来ていたようだ。日本で彼女に会うときは、いつも生き生きと仕事の話をしてくれる。最近では、Apple TV+ でのオムニバスドラマシリーズの主演を射止め、挑戦的な役柄に挑むこととなる。日本を離れたきっかけや悩みなど、渡米前に彼女の気持ちを聞いてみた。

──なぜ日本を離れてアメリカに活動の場を求めたのか、そのきっかけを聞かせてください。

きっかけは監督のウェイン・ワン監督の『女が眠る時』という作品での出会いでした。その作品を撮り終えた後に、「英語も話せるし挑戦してみたら?」と言われました。正直それまではアメリカで活動しようという発想もありませんでした。たまたまその時のプロデューサーがロスに行くと聞いて、それを頼りに行きました。最初はなかなか相手にされないこともありました。今一緒に仕事をしているマネージャーと出会えたのが大きいですね。

── 日本とアメリカの仕事の違いに驚いたって話をしてたと思うけど、具体的に聞かせてください。

アメリカではオーディションで役を取るのが当たり前です。日本では、事務所が出演を決めてくるんです。仕事の受け方としては、オーディションの方がフェアだと感じました。右も左も分からない私でしたが、しっくりと来ることが多かったです。オーディションで勝ち抜いて得た役は、自信にも繋がりました。周りの役者さんもそのようなプロセスを経て仕事についてるわけですら、プロ意識はとても高い。

── 困難だと思ったことは?

言葉の問題はなかったです。でも、今までは見たこともない契約書を自分で確認しなければいけないのは大変でしたね。すべて自分の責任で進めなければならないので。

撮影時間は日本と比べて圧倒的に長く、短いものでも3ヶ月、半年くらいかかるものもあって、撮影場所で一人で暮らすのは孤独を感じる時もあります。まるで短期留学のような感じですよ。周りのキャストは家族やパートナーと一緒に時間を過ごすことが多いので、私だけの時間が増える。バランスをとるのには苦労しています。それは、多くの役者さんが経験していることだと感じています。

── そういうとき、精神的なバランスはどうやって保っていますか?

都会から離れた不便な場所や国での撮影では、現実離れした感覚に陥るんです。夢の中にいるような感覚に。そういうときは日本にいる友達や慣れ親しんだ人たちと会話して、感覚を取り戻しています。

── 様々な社会問題のムーブメントが盛り上がっていますが、アメリカでの生活で感じることなどはありますか?

インスタなどのSNSでは、人種差別反対のムーブメントだけでなく、いろんな運動が盛り上がっていて、若い人たちが社会問題への関心を持つきっかけになっていると思います。でも、そうしたムーブメントの本来の意図がわかってない人もいる気がして。だから少し手をとめて、自分なりに調べたりして関心を持つことが大事かなと思っています。

『デッドプール 2』の取材をしたときなんて、10人のインタビュアーほぼ全員から「アジア人の表象(リプリゼンテーション)」について質問を受けました。そのときは、いまいちピンときていなくて、自分からそのことについて積極的に発言をしていく感じではなかったけど、最近はいろんなことをみて、感じて、自分自身から伝えていくことの大切さを感じています。

── 今取り組んでいる作品は?

APPLE TV+のドラマです。詳しくはまだ話せないんだけども、日本の宇宙開発計画に携わる女性エンジニアの役。オムニバス作品で、5つの物語が10話で構成されています。主役が5人いて、私はその中のひとりを演じています。ドラマは撮影が長く、その分描けるものがとても濃密。台本を読んで手応えがありました。監督はベルギー出身のジェイコブ・ヴァーブリューゲンなんですけど、信頼できるっていうか、この監督なら全部出してみようって撮影前から思えました。

── コロナで生活の変化はありましたか?

正直そんなに変化はありませんでした。役者は仕事がない時間を自分で過ごすことが多いので。時間があるときは、いろいろ見て勉強したり、料理したりとか。ただ、いかにエンターテインメントが大事か、みんなの心の拠り所になるのかということを考えましたね。私がいまできることは、作品に向き合うことだと思いました。

── これからの目標はありますか?

拠点を変えてみたいなあ、今は行ったり来たりだから。居心地が良すぎるのも良くないんじゃないかと思っているんです。いくなら今、という感じです。ハリウッドへの挑戦は、自分が始めたことで、役を得るために何年もかかるんだろうなあって覚悟していたんです。そうしたら、運よくこんなに早く仕事が決まり、軌道に乗り始めました。なのでアメリカに住んだ方が鍛えられるというか、今の私にはそれが必要なことだと感じています。

@shiolikutsuna


Starring Shioli Kutsuna
Photographer Chikashi Suzuki
Styling Michiko Kitamura
Text & Interview Kazumi Asamura Hayashi

​SHIOLI KUTSUNA WEARS MAISON MARGIELA 2020 AW CO-ED

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