Photography: Francesca Allen 

「人をカテゴライズするなんて超つまんない」非典型的な美の権化:エマ・ブレスキ

写真家/モデルのエマ・ブレスキが、タイと英国を行き来してきた人生について、今の彼女を形づくった、多方面に及ぶファッション業界での経験について、そして、水星逆行について明かす。「私の作品が、誰かにインスピレーションを与えることができたなら、私は正しい道を進んでいるってこと」

by i-D Staff; translated by Ai Nakayama
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28 May 2019, 5:58am

Photography: Francesca Allen 

エマ・ブレスキは、誰よりもスマートなやりかたで〈美しさ〉と〈女性であること〉を分析している25歳だ。写真家/モデルの彼女が提示する、率直で考えさせられる作品は、業界を代表する雑誌や人物を惹きつけてきた。

写真家としての彼女は、ひとの、〈欠点〉とされるパーツを大事にする作風で知られる。彼女は業界の基準に合わせてそれらをぼかしたり、無理に押し込んだりはしない。また、ぽっちゃり体型の有色人種女性モデルとしてヌードカラーのボディスーツをまとったり、あるいは何も身につけない姿を披露することで、「アートの世界では君のような女性は好まれない」と彼女に告げてきたすべての人々へ、目の覚めるような〈ファックー・ユー〉を送っている。

彼女は世間が褒めそやす典型的な美の権化ではない。彼女はひそかに、ファッション業界を内側から改革しようと動いている。これまでの世界では〈美しさ〉の対極にあるとされていたものが新しい普通になる、ということを証明しようとしている。レンズのこちら側と向こう側、同程度の時間を双方で過ごす彼女は、私たちが渇望している変革を成し遂げる力と意志がある。

タイと英国を行き来してきた人生について、水星逆行について、そして、今の彼女を形づくった、多方面に及ぶファッション業界での経験についてをエマ・ブレスキが明かす。

——今日はよろしくお願いします。調子はどうですか?

「最高、って答えたいところだけど、水星逆行のせいでもうぐちゃぐちゃ。まあ一応何とかやってるけど」

——それならよかったです。まずは故郷を離れて英国にきたときのことを教えてください。

「タイを離れて英国に移住したとき、最初の数年はサリー州のギルフォードに暮らしてたんだけど、ざわざわしたバンコクの街とは180度違って。Aレベルの授業初日、クラスに入ってみんなに挨拶したとき、私の奇妙なアクセントにみんなうろたえてた。まるで宇宙人をみるかのような視線を覚えてる」

——その後、英国からタイへ帰国し、数年前に再び英国に戻ってきます。これによって、アーティストとして、そして人間としての自己表現方法は変化しましたか?

「まったく別の世界で暮らしたことで、私自身のもっている財産を、とても個性的なかたちで追究することができるようになったと思う。西洋と東洋を行き来して、自分の自己表現方法に自信がもてるようになったし、ひとりの女性として成長していくにつれ、表現のしかたもそれに合ってきた。私は常に動き、変化に対応し、新しい経験や文化に飛び込みながら成長してきた。だから今回、ロンドンに拠点を置くのはすごく新鮮。ロンドンは唯一無二の街だし、多様性にあふれているから」

——写真家としてのあなたの、自分を取り巻く世界の切り取りかたは卓越していると思います。悪いところを切り取り、良いところに光を当てる。あえてネガティブなところに焦点を絞り、変化を喚起する。どれほど意識的に、こういった作品への取り組みかたをしているんですか?

「私はただ、自分がいいたいことにフォーカスして、それを誠実に伝えようとしているだけ。私はストーリーを語っている。それは自分のストーリーかもしれないし、他人のストーリーかもしれない。私が望むのは、私の作品を観たひとが、何かを感じ取ってくれること。私の作品が、誰かにインスピレーションを与えることができたなら、私は正しい道を進んでいるってこと。私は正直なの。目に映る姿がすべて。作品も同じ」

——あなたは、レンズの向こう側とこちら側を自由に飛び回り、どちらの立場をもリスペクトできる、業界においても珍しい存在だと思います。他人から寄せられる期待に縛られないで活動していく、と決めたのはいつだったんでしょう?

「私は基本的に、他人が私に対して抱く、あるいは期待するイメージに反抗したいと思ってやってきた。お前には無理だ、っていわれても絶対やる。頑固だから。もちろん、写真家という主体と、モデルという被写体、両方の活動をしていくことについては不安もあったりする。だけど私を止めるものは何もない」

——今の社会で、既存の美に反抗する新しい考えかたが育ってきていると感じますか?

「間違いなく前進していると思うけど、業界で働くモデルたちを分けるカテゴリーは存在してる。まだ駆逐されてない。私としては、自分は他のモデルと何ら変わりないひとりの女性だと思ってる。だって、すべての女性が女性でしょ! カテゴリーで分けられてしまうこの世界が、早くなくなってしまえばいい。人間をカテゴライズするなんて、超つまんない!」

——そんな世界のなかで、あなたにエネルギーを与えてくれるのは?

「水星逆行を乗り越えること!」

In Collaboration with Maison Margela. This article originally appeared on i-D UK.