大都会を生きるあなたへ
ローレン・サイと神庭昇平は体現する。加速度的に変化がすすむ東京を生きる現代のアスリートのためにNIKELAB ACGのウェアが強力にマッチしていることを。
LAUREN AND SHOHEI WEAR ALL CLOTHING NIKELAB ACG.



刻々と変貌を遂げる東京の光景とそっとシンクロしながらも、凛と立ち現れるクリーンな佇まい。ローレン・サイ——彼女の美しさと芯の強いパーソナリティについて知る人は多いが、モデル業のかたわらイラストレーターとしての顔を持っていることを忘れてはいけない。「私の心の中で起こっているストーリーを、自分の眼で直接みるために絵を描いています」。表現者としての一貫した信念を持ちながら活躍の幅を着々と広げる彼女と、NIKELAB ACGが掲げるビジョンはどこか深いところで共鳴するのではないか。新たにローンチされたウィメンズラインを身にまとったローレン・サイと神庭昇平の二人は、多彩な表情をもつこの大都市ともよく似合っている。
アウトドアにインスパイアされた比類ないデザイン哲学が人々の心を掴んで離さないNIKE ACGが、30年以上の時を経て、2014年に都会を生きる現代のアスリートのために生まれ変わった。ACRONYMを手がけるエロルソン・ヒューをデザインパートナーに迎えたNIKELAB ACGは、かつてのファンのみならず、そのパイオニア的な美学に数多くの共感者を生んできた。あらゆる天候に対応し、着用者の身体の動きに制限を加えないというコンセプトとヒューの同時代的な感覚の融合。彼が幼い頃から精通している空手の動作に調和する空手着のパターンからのインスピレーションや人間工学の知見が取り入れられたハイレベルな機能性とデザイン性を追求したコレクションを展開してきた。
ダークカラーを基調としていたこれまでのメンズラインから今シーズン、新たに展開するウィメンズラインでの最も大きな変化は、“自然界”から抽出されたカラーパレットとプリントパターンだ。軽量でありながら撥水性や通気性に優れたプロダクトの中軸となる高機能ガーメント、アウターに施された関節部分の独自構造、あるいは身体のラインに沿って裾に向かって狭くなるパンツのシルエット――。人間の身体性を解放するフィジカルな保護性と機能性に加えて、ウィメンズラインでは「感覚的な機能」が共存しているという。例えば、バイオレットオレンジやミントグリーンの色彩や「雨風」を抽象化したようなグラフィックは、着る人の心境と直感的に結びつき、ウエストでフレアするシェイプは身体の美しさを拡張させる。ことメンズテイストが色濃く表出しがちなウェアにシャープなエレガンスを組み合わせたデザインによって、アクティブなシーンだけでなく、アーバンなデイリーウェアの表情もうかがえる。現代社会への適応性という強度もまた、NIKELAB ACGの絶対的エレメントのひとつなのだ。
両親が精通する建築の考え方に大いに影響を受けているというエロルソン・ヒュー。建物を設計する上で必要不可欠な膨大な計算が裏付ける「構造」の正確さ、その使用目的や行動する人々の動きを丁寧に想定した「デザイン」、そして時代性や土着性。それらが高次元で一致することで素晴らしい建築物が誕生するとしたら、それはまさにNIKELAB ACGのプロダクトメイクに通ずる方法論ではないだろうか。きっと、一度袖を通すとわかるだろう。プロダクトの構造を形作るテクノロジーとユーティリティへの深い考察、そして着る人の生活に基づいたリアリティを内包したデザインが見事に整合したコレクションなのだから。
Credit
Text Tatsuya Yamaguchi.
Photography Yuichi Akagi at eightpeace.
Styling Shohei Kashima at W.
Hair Yuko Aoi.
Make-up FUSAKO at ota office.
Photography assistance Hidetoshi Narita.
Styling assistance Masahiro Iwase, Erika Hara.