Photography Mario Sorrenti

マリオ・ソレンティ、元恋人ケイト・モスの未発表写真50枚を公開

マリオ・ソレンティとケイト・モス、ふたりがスターダムを駆け上がるきっかけとなったCalvin Kleinのフレグランス〈OBSESSION〉の広告キャンペーン。そのインスピレーション源となった写真群。

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okt 26 2018, 9:19am

Photography Mario Sorrenti

90年代初頭、若く、美しいマリオ・ソレンティケイト・モスは、恋人同士だった。シンプルに『Kate』と題されたマリオの新作写真集では、大人の女性として花開こうとしていた当時の恋人の親密な未公開ポートレートが、50点収録されている。ふたりがそれぞれ写真家として、モデルとして、スターダムを駆け上がるきっかけとなった、Calvin Cleinのフレグランス〈Obsession〉の伝説的な広告キャンペーンをインスパイアした写真群だ。若き日の恋愛について、そして写真を通した自分探しの旅について、マリオが語る。

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──ケイト・モスほど写真を撮られたことのある人はなかなかいません。どうしてあなたが撮る彼女の写真は、いつ観てもフレッシュで、新しい発見のある作品になるのでしょうか。

ケイトと私はずいぶん長い付き合いです。お互いのやっていることが好きですし、ふたりでアイデアを共有するのも好きです。お互いのことを心から信頼しています。だからこそ、すてきな写真になるんじゃないでしょうか。

──今回の写真集で気に入っている写真を1枚選ぶとしたら? その裏話も教えてください。

特にこの1枚が好き、っていうのはないですね。写真集に収録された全ての作品がパーソナルなものですし、当時の私たちが共有していた時間を思い出させてくれます。だから、私にとっては全ての写真が特別です。

──ケイトを見事にとらえていると思うのはどういう写真ですか?

彼女の内なる美しさを引き出し、さらに私たちに率直に語りかけてくれる写真です。

──ケイトに会ったことがない人に、彼女を説明するとしたら?

クールで愉快で正直でチャーミングで誠実。人生において、新しいモノに出会うことが大好き。友情を大事にするし、楽しい時間を過ごすのが好き。

──あなたが写真家としてのキャリアをスタートしたときのことを教えてください。

18歳のときにニュ―ヨーク市で、写真を撮るようになりました。当時はSchool of Visual Artsで絵画と彫刻を学んでいたんです。写真家として働きだしたのはロンドンです。20歳でした。『The Face』でケイトを撮ったのが最初の仕事です。

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──ブレイクのきっかけは?

90年代、ケイトを撮った、Calvin Cleinのフレグランス〈Obsession〉の広告キャンペーンです。

──写真家として、いちばんインスピレーションを受けた写真作品は?

これまで有名、無名問わず、数々のアーティストの、様々な写真作品にインスパイアされてきました。私が心を動かされるのは、神秘的な何か、親密な何かをとらえた作品です。例えばラリー・クラーク、リチャード・アヴェドン、アーヴィング・ペン、ダイアン・アーバス、ウィリアム・エグルストン、ロバート・フランク。

──写真家として働いていて最高だと思うことはなんですか?

すばらしい人びとと仕事ができること、才能あるアーティストたちとコラボできることですね。私は、自分が好きなことをやれていますし、写真制作を通して自己表現ができるので、恵まれていると感じます。

──では最悪なのは?

メールを返すこと。

──撮影中はどんな音楽を聴いてますか? マリオ・ソレンティのプレイリストが知りたいです。

時代によってだいぶ変わりますね。昔は、BEASTIE BOYSとかビギー・スモールズ(ノートリアス・B.I.G.)とか、ヒップホップが多かった。そのあとNIRVANAやニール・ヤングにハマって、それからキャット・パワーとかスモッグ。最近では60~70年代のR&Bとかソウルが多いかな。世界中のあらゆる音楽が好きです。

──数々の有名人の写真を撮影してきましたが、いちばん印象深い被写体は?

本当にたくさんのすばらしい被写体を撮影してきたから、誰かひとりを選ぶっていうのは難しいですね。ジャン=リュック・ゴダール、ジョン・F・ケネディ・ジュニア、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリアン・ムーア、リチャード・セラ、ジョー・バイデン、オプラ・ウィンフリー、ジャック・ケヴォーキアン医師、ボブ・ホープ、クリストファー・リーヴ、バーブラ・ストライサンド、リチャード・アヴェドン…。みんな、私に多大なる影響を与えてくれました。

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──人生の3原則は?

尊敬すること、愛すること、思いやること。

──もし写真家になっていなかったら、何をしていたと思いますか?

ゼロから何かをつくるのが好きだから、画家かな? 今となってはわかりません。

──あなたの切り拓いた道に続こうとしている若き写真家たちにアドバイスを送るとしたら?

写真は自分探しの旅です。しっかり集中して、自分のアイデアと夢を見つめ続けること。あとは、できるかぎり常に相手を尊重すること。同時に、未知に飛び込んでいく勇気をもち、自分だけの表現を見つけること。

──写真界は、あなたがキャリアをスタートさせた当時からどう変化しましたか? 良いほうに変わっているのでしょうか?

かなり変わりました。テクノロジーは写真に多大な影響を及ぼしています。私個人は、イノベーションを享受してきました。新しいアイデアや、クリエイティビティの新しい表現手段を試すのが好きなので。

──歴史上のどの人物でも撮影できるとしたら、誰を撮りたいですか?

ずっと、ルイーズ・ブルジョワのポートレートを撮りたかったんです。尊敬してやまないアーティストです。数時間、彼女を撮影しながら会話をしたり、彼女の瞳をのぞき込んだり、彼女の才気をカメラに収めてみたかったですね。

──これまでのキャリアのなかで、もっとも誇りに思う作品は?

これまで刊行した写真集。

──最後に、写真とは?

自分を表現できるメディウム。

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'Kate' by Mario Sorrenti, published by Phaidon, is on sale now (£79.95)

This article originally appeared on i-D UK.