「アスレジャー」に興味がない川久保玲

貴重な川久保玲の最新インタビューから私たちが学べること。

by Mitch Parker; translated by Ai Nakayama
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23 January 2019, 3:17am

via Flickr

川久保玲がインタビューに答えることは珍しい。たとえインタビューができたとしても、長々と語るひとではない。かつて彼女はある記者の質問に、紙にひとつの円を描いただけで去ったこともある。しかしありがたいことに、『T Magazine』に彼女のインタビューが掲載された。そこから彼女の頭のなかを、少しだけのぞける(ような気になる)。

非常に興味深いインタビューだが、このなかで特筆すべきは、昨今のトレンド〈アスレジャー〉についての彼女の反応だろう。川久保の夫で、彼女の会社の社長を務めるエイドリアン・ジョフィがインタビューの通訳を務め、こんなことを口にした。「彼女が好きじゃないのはキャンプ服。なんていうんでしょう、ウォーキングスタイルとアウトドアスタイルを混ぜたような」。記者が「アスレジャーですかね」と答えると、エイドリアンはうなずいたが、川久保本人はこの言葉を知らないようで、興味なさげに頭を振った。「彼女にとって、もっともつまらないファッションがこれなんです」とエイドリアン。「このファッションに何か興味深いものがあるかな、と思って探してみたけど、何も見つからなかった」と川久保は付け加えた。

このインタビューでは、主に彼女のメンズウェアデザインについて訊いており、そのなかで、彼女が気づいた現代の男性と女性のショッピングの習慣の差異について説明していた。「今新しいモノに挑戦してみようという気持ちは男性のほうが強い。日本に限らず世界的に」。コレクションピースを買うのは主に男性で、女性は「おとなしくなってしまった」と彼女は指摘する。

それ以外は、質問に答えることを彼女が拒否するシーンも散見される。父親のファッションについての質問には、「質問の意味がわからない」と彼女は答えた。却下されたのだろう。また最後に「誰か、服をデザインしてみたいなと思う男性はいますか?」と尋ねると、彼女から返ってきたのは「バカな質問ね」だったそうだ。これぞまさに私たちが愛するヴィジョナリー、川久保玲だ。