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ドルチェとガッバーナが語る、最新コレクションと「ミレニアル世代」

上野・東京国立博物館 表慶館を舞台にアルタモーダとアルタサルトリアコレクションを発表したDolce&Gabbana。デザイナー2人が、モデルに「ミレニアル世代」を起用した理由や日本人の体型に合わせた服づくりを語る。

by Kazumi Asamura Hayashi
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25 April 2017, 8:59am

Photo via Dolce&Gabbana Official Twitter

約25年ぶりとなる来日を果たしたドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナ。日本をインスピレーションに制作された総数101体にもおよぶアルタモーダとアルタサルトリアは、この度日本を舞台に繰り広げられたショーに向けて特別に制作されたものだ。パヴァロッティが歌う「私の太陽」とともに幕を開けた本コレクション。会場となった上野・国立博物館 表慶館にはセレブリティやプレス関係者、そして長年彼らの服に魅了されつづけた顧客たちが駆けつけた。満開の桜に彩られながら催されたこの特別な夜会の煌きに、その場を共有した人々は皆酔いしれることとなった。

今回のショー前日に行われたプレスカンファレンスで、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナは、日本に対する思い、そしてブランドのコンセプトについて自らの言葉で語ってくれた。

Video  via Dolce&Gabbana Official YouTube.

<久しぶりの来日と今回のショー、そして伝統について>

ドメニコ(以降、D):前の来日が昨日のことに思えるほど、時間が経つのが早いですね。ずいぶんと前から日本への旅行を計画してはいたのですが、なかなか実現にはいたらなかったんです。今回やっと再来日を果たすことができてとても嬉しいです。そんなせっかくの機会だからみなさんにスペシャルなものをお見せしたいという思いがあり、そのためにベストを尽くしました。日本についた次の日には、訪れた国々や各都市で撮影するDolce&Gabbanaのストーリーのため、半日かけて東京を散策しました。私たちはその土地に根づいている伝統が好きで、その国ならではの要素を撮影に取り入れています。今回の撮影でも日本のモダンな姿だけでなく、個性ある伝統も要素として取り入れました。伝統といっても地域によって様々ですから、街を散策して見つけた各所の特色を盛り込みながら、様々な国の若いモデルたちを起用して撮影を行なっていきました。旅では好奇心を掻き立てられっぱなしですね。

今回の私たちのテーマでもあり、未来を象徴する新しい世代として「ミレニアル」と呼ばれる世代がいます。彼らと共に今一度伝統というものを見つめ直していくことが、重要だと考えたのです。国であれ、人であれ、ブランドであれ、精神性であれ、食事であれ、伝統を作り出すすべてに敬意を表することが必要だと思っています。世界中をくまなく探しても、同じ文化は存在しない。ペルーと中国は違うし、日本とイタリアも違います。ひとつとして同じものはないのです。それは衣服や食においても同様です。しかし、その状況は2000年以降に加速したグローバル化にともない変化してきている。私たちは自分たちの夢が壊されているという事態に直面しているのです。

ステファノ(以降、S):私たちがDolce&Gabbanaのコレクションを始めたとき、グローバル化は私たちのポリシーとは相反するものだと思いました。自分たちの伝統やルーツは忘れるのではなく、共に歩むべきものだと感じていたのです。

D:今回ショーを行うにあたって、私たちはまず人々の体型について知りたいと思いました。私たちは当然のことながら体型に興味がありますし、また洋服というのは現実に近いものでなくてはいけないと考えています。

昨日、日本の雑誌をたくさん見たのですが、どの雑誌も西洋人のモデルばかり使っていました。そこで私は、ショーのモデルには日本人を多く起用することにしました。そうすることで彼らがアイデンティティを確立することにつながり、他ブランドとの差別化を図ることができるのではないかと考えたのです。私たちは現在ミラノを拠点としていますが、今では遠く離れていても日本人の体型や文化をよく知ることができるようになりました。今回のランウェイでは45名の男性と56名の女性が出演しますが、私たちのほうでも彼らの体型に関してより深く理解できています。それぞれの体型と洋服のバランスが重要なのです。それが"洋服と人を合わせる"という、このショーにおける私たちの試みなのです。

Video via Dolce&Gabbana Official YouTube.

<コレクションにも表れる、ミレニアル世代への思い>

D:世界は変化しているというよりも、進化していると表現した方が正しいと思います。悪い意味でも良い意味でも、そこかしこで進化が見受けられます。時代を反映した若者たちを今日では「ファッション・ミレニアル」と呼びますが、言ってしまえば私たちも昔はミレニアルだったはずです(笑)。だからミレニアルというより、"新しい世代"ということなんじゃないでしょうか。今回起用したモデルのなかに22歳の男性がいますが、彼はITをまるで自分の身体の一部であるかのように使いこなしています。彼はテクノロジーと共に成長してきた世代だからです。当然、私たちもそれらを避けるのではなくて、いい意味で使いこなしていきたいと思っています。

S:彼らはまだ20代前半で、僕にとっては息子や娘のような存在です。彼らの人生に対するアプローチは、私たちと世代のものはまったく異なる。それでも、家族に対する価値観は変わっていないんじゃないかと思います。それはとても素晴らしいことです。

D:若い世代を"嫌い"と言ってしまうこともしばしばあります。58歳のゲイの独身男である私の意見は一般的ではないとしても、みなさんがミレニアルという新世代を最悪だと言うのは、きっと怖いからではないでしょうか。

S:世間ではとんでもない世代などと言われていますが、私はこの新しい世代を信じています。新しい世代というのは常に現れ、そして変化していくものです。ですから彼らと対峙して話し合い、発見して、理解することが必要なのだと思います。私たちの考え方は、普通とは異なっているかもしれません。でも私たちは観察し、対話することが必要だと心から感じています。

D:私たちは仕事柄、社会の見方とは違う視点を持っていると思います。新しい世代は自分たちの生活を社会と切り離し、プライベートな生活を確立しています。それと同じく、私たちも世界の動きを常に追うということが必要になってきます。

S:私たちの仕事には、社会の潮流を追うことが常に必要なのです。

Credits


Text Kazumi Asamura Hayashi
All Images and Videos Courtesy of Dolce&Gabbana

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