編集部が選んだ、6月に訪れたいエキシビション5選

ニュージーランドの原生林、高層ビルがそびえ立つ都市、都会と地方を繋ぐ線......。編集部が厳選した、今月注目の展覧会をご紹介。

by Noriko Wada
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10 June 2022, 1:15am

フェリペ・パントン「Manipulable」

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12歳でグラフィティシーンのアーティストとしてキャリアをスタートした後、バレンシア大学でファインアートの学位を取得、現在スペインを拠点に活動するフェリペ・パントン。ヴィクトル・ヴァザルリやカルロス・クルス=ディエスなどに影響を受け、ダイナミズムと変革、デジタルレボリューションを軸に大型可動作品8点を展示する日本初の大規模個展は、ラテン語の手(manus)を語源とし「手を使って動かしたり操作したりできるもの、または管理、制御、成形できるもの」を意味する「Manipulable」というタイトルがつけられている。光と色彩、動きが交じり合い、触れることで生まれる物理的な鑑賞者の対話で完成される作品は「セルフ・キュレーションに定義されている現代の世界に相対」しようとする試みだ。

フェリペ・パントン「Manipulable」
会期::2022年6月3日(金)~7月17日(日) 12:00 〜 19:00
月曜、火曜休館
会場:Gallery COMMON
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F

森山大道 「記録」

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「日常で撮ったものをすぐに焼いて、近くの人たちに手渡しで見せるという 最小限のメディアを」 模索し、森山大道が1972年に発刊した私家版写真誌『記録』。一時休刊となったが2006年にAkio Nagasawa Publishingより復刊し現在50号をリリースしている。本展は、『記録』の1号から50号に収録された全カットをスライドインスタレーション形式で展示される銀座会場と最新刊50号からの作品が中心に並ぶ青山会場で開催され、両会場では在庫のある本誌の全アーカイブがサイン入りで販売される。90年代にヒステリックグラマーから出版した写真集をリマスターし展示を開催したばかりの森山。写真家として長いキャリアを歩んできた森山大道の軌跡と現在進行形の活動を2つの会場で体感してほしい。

森山大道 「記録」

銀座会場
会期::2022年5月27日(金)~9月3日(土) 11:00-19:00 土曜のみ13:00-14:00クローズ
日曜、月曜、祝日は休廊
会場:Akio Nagasawa Gallery Ginza 東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F

青山会場
会期::2022年6月9日(木)~8月6日(土) 11:00-19:00 13:00-14:00クローズ
月曜日・火曜日・水曜日・日曜日・祝日は休廊
会場:Akio Nagasawa Gallery Aoyama
東京都港区南青山5-12-3 Noirビル2F

SIDE CORE 「路・線・図・Ⅱ」

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「移動とドローイング」をテーマに、日常生活を送る場所から移動しGallery Traxのある山梨県北杜市に訪れる体験を10組のアーティスト達が解釈し作品を制作した本展覧会。2017年に開催された「路・線・図」の第2回目である。グラフィティの定義である「地域を移動して表現を展開すること」。インスタグラム以降、「描く場所を見つけ出すこと」自体が目的となる作品が流布されるなど、「移動と表現」の考えは変化し続けている。SIDE CORE、BIEN、DIEGO、KOM-I、jango、soremomatayoshi、松下徹、森山泰地、濱田晋、菊地良太が参加し、都市で暮らす彼らがそれぞれの街と北杜市を繋ぐ線を描くことを模索する本展は、観覧者にとっても“移動”の不可視な軌跡を描く体験になるはずだ。

SIDE CORE 「路・線・図・Ⅱ」
会期::2022年6月4日(土)~6月26日(日) 12:00 – 18:00 火曜、水曜、木曜休館
会場:Gallery TRAX
山梨県北杜市高根町五町田1245

石川直樹「THE VOID」

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大学在学中から登山活動と写真制作をスタートし、23歳で七大陸最高峰の登頂最年少記録を更新した石川直樹。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、国内外の辺境からや都市まで様々な場所を旅をし続けている。ニュージーランドの原生林を撮影し、2005年に発表された石川の初期作品集『THE VOID』。本作品集に収録された先住民マオリ族によって聖地として守られ受け継がれてきた森の姿を通して、「今あらためて自然と共生するとは何か」を問う作品となっている。また、アンドワンダーとコラボレーションしたシャツとTシャツも販売され、売上の一部はマオリ族が神木として崇めてきたカウリや国鳥・キーウィなど国有の動植物が生息する森を守り後世に継承する活動を支援する“native forest restoration trust”に寄付される。

石川直樹「THE VOID」
会期::2022年6月3日(金) ~ 7月31日(日) 12:00 – 19:00 *木曜定休、最終日は17時まで
会場:OUTDOOR GALLERY
東京都渋谷区元代々木町22-8 3F,4F

中島晴矢 「オイル・オン・タウンスケープ」

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現代芸術のみならず、ラッパーやライター、美術講師、さらにクリエイターが集まるシェアハウス「渋家」の立ち上げに携わるなど、様々な分野で活動を続けるアーティストの中島晴矢。自身初となるエッセイ集『オイル・オン・タウンスケープ』は、オリンピックやパンデミックによって急激に変化した時期に町屋や渋谷、麻布などの変わりゆく東京の街で過ごした中島の原風景と、戦前の東京を描いた洋画家・長谷川利行の軌跡を重ねいくつもの時間軸が交差し物語が進行していく。本書の刊行を記念した本展覧会は、同書のために書き下ろされた、現在のリアルな都市像をパーソナルに描写した油絵作品が並ぶ。芥川賞受賞作家のモブ・ノリオとのオンライントークイベントも実施される。

中島晴矢 「オイル・オン・タウンスケープ」
会期::2022年6月9日(木) ~ 6月26日(日) 13:00 – 19:00 
月曜、火曜、水曜休館
会場: NADiff a/p/a/r/t
東京都渋谷区恵比寿1-18-4

テレビ電話対談「言葉と出会い直すために」ー『オイル・オン・タウンスケープ』単行本化記念 
日時: 6月11日(土)19:00~21:00 
アーカイブ視聴可能期間: 6月12日(日)10:00~6月30日(木)23:59 
会場: オンライン 
参加費: 1100円 
※詳細は公式ホームページよりご確認ください。

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