クィア・スタイル:Art Schoolの創造性

変化が前提となるトランスジェンダーの身体─イーデン・ロウエスとトム・バラットが、クィア性がクリエイティビティに与える影響を語る。

by Tish Weinstock
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26 May 2017, 12:39pm

つまり、イーデン・ロウエス(Eden Loweth)とトム・バラット(Tom Barratt)が美大生の域を超えていたということなのだろう。ふたりは、あるパーティで出会い、意気投合した。イーデンはレイヴンスボーン美術大学でファッションを学ぶ学生、トムはセントラル・セント・マーチンの生徒だった。ふたりは恋に落ち、一緒に服を作るようになった。それがArt Schoolだ。男性でもなく女性でもないという2人のアイデンティティと、流動的なジェンダーの友人たちからインスピレーションを得て作られる彼らの服は、クィア・スタイル特有の性質を讃えている。「変容すること、身体が変わっていくことは僕たちにとって馴染み深いもの」とトムは言う。「僕とイーデンは、ジェンダーの物差しでいえばまったく異なるアイデンティティを持っているんだ。それがArt Schoolで作る服に大きな影響を与えている」。ロンドン・ファッション・ウィークで、Fashion Eastの2017年秋冬メンズウェア発表会の一環として披露されたArt Schoolのショーは、音と色彩、動きの祭典となった。テオ・アダムズ・カンパニーが振り付けを担当し、モデルに混ざってダンサーが舞った。

流れるようなシフォンのドレスやオーバーオール、ベルベットのフロック・ドレスを着たモデルたちが、タータンチェックのスーツやギンガムチェックのスカート、Art Schoolとラインストーンが描くTシャツを着たダンサーたちのまわりを舞い歩いた。「Art Schoolの美学を言葉にするなら、"退廃的なミニマリズム"」とイーデンは笑う。「服の着こなしと、それがどう本人に影響するかに、ずっと興味があった。Art Schoolの服は、誰にでも着てもらえるよ」。大胆で美しく、そして楽しい彼らの服は、ここではないどこかへの抜け道を教えてくれる。「僕たちはみんな"職探しをして仕事に就かなきゃならない"という重圧の中で暮らしている。だからこそ、共にクリエイティビティを守り、育んでいくことが重要なんだ」とトムは言う。「Art Schoolを始めて、それが明確になった。ものづくり共にする仲間がいなくなるのは、僕たちがやっていることの核がもぎ取られるも同然」

変容すること、身体が変わっていくことは僕たちにとって馴染み深いもの。僕とイーデンは、ジェンダーの物差しでいえばまったく異なるアイデンティティを持っているんだ。それがArt Schoolの服に大きな影響を与えている

Credits


Text Tish Weinstock
Photography Tim Walker
Models Eden Loweth. Tom Barratt. Jack Powers. Josephine Jones. Jesus Diaz. Daniel Del Valle. Kevin Cordo. Eugenia Shishkina. Hannah Hetherington.
Models wear all clothing Art School autumn/winter 17 and archive Art School. 
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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