それぞれの青春——アメリカン・ティーンたちの肖像

ぎこちなさと自信が漂うティーン——「青春時代」の普遍性を表現するグループ展『The Teen Years』。

by Emily Manning
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23 August 2016, 5:44am

Joan Albert, Martin, July 1980

青春期において、私たちはみな同じような苦難に直面する。しかし、それぞれの生きるティーン時代はひとつとして同じものはない。家族や宗教、土地との関わり、人種、ジェンダー、セクシュアリティなどを通して目覚める自己、サブカルチャー的な自己表現——美しくもぎこちなく、ときに複雑な葛藤と気付きが、それぞれの青春時代を彩るからだ。よって、多くの写真家が青春時代にインスピレーションを得るのは当然のことなのかもしれない。ラリー・クラークが写真集『Tulsa』で捉えた、荒れて自滅的な少年たちから、エイドリアン・サリンジャー(Adrianne Salinger)が捉えた、自室に城を築く少年たちまで、コンテンポラリーフォトグラフィーの世界に見られるアイコニックな写真作品の多くはティーンのベッドルームや車の後部座席といった空間で撮られている——避けられない自我に直面し、人生が始まる、ちょうどそのあいだにある小さな空間で。

Elaine Mayes, Haight Street, 1968

カリフォルニア州ラ・ジョラのJoseph Bellows Galleryで開かれているグループ写真展『The Teen Years』は、過去数十年のあいだにティーンの青春時代を捉えた写真のみを集めたエキシビションだ。1960年代、エドワード・スター(Edward Sturr)はニューヨークのコニーアイランドからシカゴまでを旅し、そこに見た車文化と、男らしさを誇示したティーンの少年たちを捉え続けた。それらの作品と並べられ展示されているのは、マーク・スタインメッツ(Mark Steinmetz)がジョージア州とノースカロライナ州の県境のハイウェイ441号で撮った、静かに詩情あふれる作品だ。マークがこの作品を撮ったのは、エドワードが撮ってから約40年後のこと。『The Teen Years』では、他にもデトロイトでプロムパーティを捉えた作品や、サンフランシスコのストリートキッズを捉えた作品、サウスボストンのサマーキャンプを捉えた作品など、若いということの苦難と、そこにある生命の息吹を映し出す、写真作品が古い新しいに関係なく、展示されている。

Mark Steinmetz, Highway 441, Georgia/North Carolina Stateline, 1997

このエキシビションには、i-D読者にはおなじみであろう作品も含まれている。1970年代初期にビル・イェーツ(Bill Yates)がフロリダ州タンパのローラースケートリンクに集まったティーンたちを捉えた作品もそのうちのひとつだ。ビルは学生だったが、夏のあいだだけ、ストリートフォトのアイコン、ギャリー・ウィノグランド(Garry Winogrand)のもとで働きながら写真を学んでいた。新学期が始まった9月、彼は独自の被写体を探しはじめた。そして見つけたのが、1930年代に作られた木製のローラースケートリンクに集うティーンたちだった。南フロリダのティーンたちにとって、その施設はアイデンティティ形成に重要な意味を持つ場所だった。アメリカ社会に変化の波が押し寄せるなか、そこはティーンそれぞれが自らのスタイルやセクシュアリティを実践して模索できる場所だったからだ。

Christine Osinski, Two Girls with Big Wheels, 1983-84

クリスティン・オシンスキ(Christine Osinski)が捉えた1980年代のアメリカ郊外の作品も、このエキシビションには展示されている。マンハッタンからブルックリンのコニーアイランドへと引っ越したオシンスキは、夏の数ヶ月、新たに暮らすこととなった地域を探索しようと大判カメラを手にブルックリン南部を歩いてまわった。マンハッタンの喧騒を後にしたオシンスキがコニーアイランド地区に見たのは、広く、ひともまばらなストリートをあてもなく歩く労働者階級のティーンたちだった。「若者を前にすると、"なにか伝えるべきものがこのひとには秘められている"と必ず感じるの」とオシンスキは今年初旬、本誌とのインタビューで語っていた。「とても悲しい場面を捉えた写真であっても、かならずそこに希望が、未来が見えるのよ」

Michael Mulno, untitled, from Young People, 2010

Credits


Text Emily Manning 
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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