地下へと向かうCOTTWEILER:2018AW ロンドン・ファッションウィーク メンズ day1

ロンドンのデザイナーデュオが発信するCOTTWEILER。博物館で行われた今季のショーでは、地球深部への旅を表現した。

by Felix Petty; translated by Aya Takatsu
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11 January 2018, 8:16am

今、ロンドンのメンズウェアはどうなっているのだろうか。2018年秋冬シーズンのショーが始まった日、そんな疑問が駆け巡った。スケジュールには有名ブランドや大手広告会社の名前がなく、日程も3日間に削られている。Burberry、Vivienne Westwood、J.W.Anderson、Martine Rose、CHRISTOPHER SHANNONといった面々は不参加。残ったブランドは少しその輝きを増す必要がある。初日の朝が活気にかけ、静かだと感じられたとしても、LIAM HODGESとCOTTWEILERのショーからは覇気がみなぎっていた。この2ブランドこそ、ロンドンのメンズウェアの真骨頂を体現しているのだ。

特にCOTTWEILERは、同世代のブランドの中でもっとも興味深い。Pitti Immagine UomoでReebokとのコラボレーションを披露したり、インターナショナル・ウールマーク賞に選出されるなど、ここ1年でカルト的立ち位置からその裾野を広げてきた。

Liam Hodges

ロンドン自然史博物館で行われた2018年秋冬コレクションは、映画『ナイト ミュージアム』そのものだ。この夜のために締め切られた館内は、不気味にがらんとしている。人気のないロビーを抜けると、恐竜や骸骨が壁に長い影を落としており、展示物には夜間の覆いがかけられていた。キャットウォークが据えられていたのは、博物館内の地球の部屋。細長い通路には、地球の深部から掘り出された化石や貝、水晶や岩石が並べられ、ぼんやりした照明に照らし出されている。モデルたちは薄暗い灯りの中、無慈悲にも早いペースで歩いていくので、服を見るには近づく必要があった。PalmistryとKamixloによるBGMーーヘヴィな4つ打ちのビートと、大昔の民族的哀歌ーーが、会場の雰囲気をつくり上げていく。

その人工的フューチャリズム、そして初期のころから見られるデジタルアートや都市のディストピアとの重なりをインスピレーションに、COTTWEILERは、常に自然と人工物が重なり合い、ぶつかり合う場所を表現していることがわかる。「未来、テクノロジー、そして自然が出会う宇宙という場所を探求しているんです」と、バックステージで彼らは語った。

デザイナーのベン・コットウェルとマシュー・デインティが休暇中に東欧で体験した洞窟探検から着想を得たことで、2018年秋冬コレクションでの彼らの視点は都会的要素から少し離れ、地下へと向けられたようだ。彼らのこの経験が、メリノウールや手加工のレザー、プリントの施されたシルクなど、少しだけ人の手が加えられたファブリックからなるこのコレクションの基礎をかたち作ったのだった。

彼らが作りだしたのは、ぶつかり合うテクスチャと呼応し合うレイヤー、そしてここ数シーズン続けられたミニマル志向から距離を置いた服。2人が旅行中に撮影した写真をプリントし、抽象的な模様となってシルクに落とし込まれている。蛍光色のグリーンを深いダークグレイと混ぜ合わせたり、黒の中に差し色として使うといった色づかいもまた、そこから引き出されたものだ。

「ファブリックという点では、常に盛り上げようとしています。」とベンは説明する。「そして超テクニカルにしようと。ですが今季は、すべてを自然素材にしたのです。このアイデアはウールマーク社とのパートナーシップから生まれたもの。ここ6ヶ月は、ウールのテクニカルな可能性をとことん追求し、その成果がはっきりとわからないように表現しようと努めてきました。最近数シーズン、服づくりに関してはとてもミニマルでしたが、ブランドのために、今着目すべきはテクスチャであり、レイヤーであり、もう少しラグジュアリーなものなのだと思うようになりました」

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Credits


Photography Mitchell Sams
Translation Aya Takatsu