MOMENT JOON 自伝的小説「三代 兵役、逃亡、夢」完全版 2/6

韓国で生まれ、日本語でラップをする”移民ラッパー”のMOMENT JOON(モーメント・ジューン)。彼が「文藝」2019年秋季号の特集「韓国・フェミニズム・日本」に寄稿したデビュー小説「三代 兵役、逃亡、夢」完全版。その2。

by Moment Joon; photos by Syuya Aoki
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18 September 2019, 8:00am

《MOMENT JOON「三代 兵役、逃亡、夢」完全版 1/6》

祖母が亡くなった時、父は意外と無表情だった。僕が中学生の時だった。当時入院していた祖父は、祖母が亡くなったという話を聞いて「可哀そうな人、可哀そうな人」と泣いたらしい。祖母の葬式のために家族全員が地方都市の光州へ向かった。
父、伯父たちと叔母たちの四男二女、そして彼らの配偶者と子供たちまで親戚全員が長男である伯父の家に集まった。全員が沈痛な面持ち。父は大人同士の話があるから、僕と従兄弟の兄弟たちは他の部屋に入っといでと言った。ほぼ全員小学生だった従兄弟たちは久しぶりに会って、最近買ったゲーム機やおもちゃを見せ合って遊ぶのに熱心だった。僕は前からずっとやってみたかったゲームボーイを従兄弟が持ってるのを見て、貸してくれと頼んだが、僕が先に頼んだにもかかわらず僕の弟が先にゲーム機を横取りしたので拗ねてしまった。もう、遊びたくないと言って僕は静かに部屋から出て大人たちが座ってるリビングからちょっと離れた所で話を聞いた。

「いや、生前に教会にも行ってはるのに、キリスト教式で葬式を出すのが何が問題なん?」
「兄貴、そう言っても、お母様から直接そうしてくれなどと、なんにも聞いてないでしょう」
父と長男の伯父だ。
「龍秀(ヨンス)、よく考えろよ。お母様の霊のことやで。ここで俺らがこうやって言い争ってるとお母様は安心して眠られへんよ」
「そりゃ俺からも同じこと言えますわ。正直、お母様は嫌がってたのに兄貴二人が無理やり教会に連れていかれたんちゃいますか」
「お前、よう言ったな。ほな、ここで俺らがお母様の面倒みて看病もしとる間にお前は何しとった?」
次男の伯父。厳しくて怖い人だ。
「仕事があっても全部やめて故郷に帰るべきや、と言うつもりですか? 体がここに居られなくても、俺は自分に出来ることは全部やりました。毎月病院に行きましたし、治療費だってほとんど俺から出してますよ」
「お金で済む話ちゃうぞ! 心の話をしとるんやんか。お前、息子としての道理を尽くせたとちゃんと胸張って言えるんかい? お金の話に逃げるなんて、それじゃ息子失格や!」
「お兄さん、言いすぎ! 私だってずっとソウルにいたよ。私も娘失格と言うつもり?」
末子の叔母。
「弟と妹たちの学費も、お母様とお父様の代わりに俺が手伝いました。家族のために俺がどんだけ犠牲になってきたか、他の人らに分かってもらへんくてもお母様ならきっと分かってるはずよ。俺はちっともやましくないし、道理を尽くせたのかどうかは兄貴が判断してください。ともかく俺はキリスト教式は賛成できへんから」

長男と次男の伯父はそこから別の部屋に入って、リビングに残った父と四男の叔父、二人の叔母たちは座ったままただ沈黙していた。そこに座ってた四人は全員ソウルに上京して、金銭的に余裕があったため祖父母の治療費のほとんどを彼らが負担していた。祖母が亡くなる前にキリスト教に心酔したことを、長男と次男の伯父が無理強いさせたためだと四人は考えていたが、真相は分からない。もしかしたら、生計や仕事が理由で祖母の側に居られなかった罪悪感を拭いたくて、兄貴たちを責めたかったのかも知れない。

「お母さんに合わす顔がないわ。私たち皆不孝者よ」
「おい、そんなんゆうなよ。絶対に──」
「もうええわ。私たちに何の意見も聞かないのもそうやけど、こうやって喧嘩してて式出すの間に合わんかったら、お兄さんたちと一生話さへんから」
叔母たちもそのまま他の部屋へ。リビングには父と四男の叔父だけが残ってお茶をちびちびと飲んでいた。

「ヨンス兄貴、どうする?」
「どうするもクソもない。結局キリスト教式で出すんやろ。兄貴たちが望む通りに」
「じゃさっきのはなんやったん?」
「知らん」
もうお茶も飲まずに二人はただ座っていた。溜め息をつきながら父が言った。

「は⋯⋯ほんま、地獄やな」
「⋯⋯軍隊であいつが死んだ時より?」
「いや、それはないやろう。しんどいって言ったらそん時の方が十倍は大変やったで」

訓練所の同期たちと一緒なら何とかやっていけると僕は思っていた。でも僕の予想は歩兵第二師団に到着した瞬間から外れて行った。まず、一緒に来た同期たちは列車から降りた瞬間バラバラになって違う連隊に行かされた。第一七連隊、第三一連隊、第三二連隊、砲兵連隊、師団直轄隊⋯⋯僕の配属先の第三一連隊に向かう軍用トラックには僕の訓練所の同期は一人も居なかった。他の訓練所出身の知らない者たちとガタガタするトラックに乗って四十分、山に囲まれた所に第三一連隊があった。
工事が終わったばかりの新型兵舎に属する第一・第二大隊ではなく、三十年前からの古い兵舎を使っている第三大隊が僕の配属先だ。トラックから降りたら人事係の係員が僕らを待っていた。指揮統制室という部屋に座らせられた僕らに、係員の先輩は「軍番?」と聞いた。訓練所を出発する時にもらった認識票に書いてある兵士固有の十桁の番号で、全ての人事管理はこの番号から始まる。自分の軍番を覚えることが出来た人も居れば、認識票を見ながらたどたどしく答えた人もいた。係員の兵士はあきれた顔をして、
「最近のやつら、本当に頭狂ってんな。軍番も覚えずに訓練所から出んのかよ。本当、人権尊重だ何だで、良い時代だね」
と失笑しながらパソコンに軍番を入力した。

先輩の皮肉に緊張して気を張り詰めて座っていたら、新入りを連れていくために各中隊から人がやってきた。「十一中隊、キム・ボムジュン」と呼ばれて、僕は立ちながら目一杯「はい!」と答えた。イタチみたいな顔をしたA上等兵が僕を三階の十一中隊に連れて行った。
部隊員の皆はサッカーに行っていた。誰もいない内務班でA上等兵と二人で座って、僕は初めて軍隊の言語を学んだ。「階級」。

「お前、日本から来たって?」
「は、はい!」
「留学したよね?」
「そうです!」
「頭、良いよね?」
「は、はい?」
それまでは普通だったAの顔が冷たい無表情に変わった。
「お前、狂ってんのか? 先輩の質問に質問で答えるなんて誰から聞いてるんだよ、あん?」
「も、申し訳ありません!」
「どもりすぎだろ⋯⋯お前、韓国語出来ないのか? 韓国人なのか?」
【ハイ!】
しまった。日本語で「はい」と答えてしまった。
A上等兵は脅えてる僕の顔をしばらくじっと見つめて、やがて笑顔になって大きな声で笑い始めた。
「お前、面白いね! 本当に日本から来たんだよね、ね?」
くすくす笑いながら軽く僕の肩の上に手を乗せたAは、お前も笑って良いんだぞ、みたいな顔で僕の方を見つめていた。そっか、冗談だったんだ、と安心した瞬間、
「実はね、俺は頭良いやつらが好きでさ、隣から見てると楽しくて」
何かの数字と名前がたくさん書いてある紙をポケットから渡された。
「うちの小隊員全員の名前と入隊年月。古い順に並べて書いてあるから、すぐ覚えられるよね?」
Aは自分のロッカーからサッカーシューズを出して履き替えながら付け加えた。
「今日中に出来るよね? 今の軍隊は殴らないからさ、そういうのは安心して良いけど」
内務班から出ながらAは言い放った。
「でも、ぐっすり眠らせてもらえる保障はないからさ。頑張れよ、新入り」
はい、と力なく答えた僕は三十人以上の名前と彼らの入隊年月が書いてある紙をパニックになって読み上げた。初めて見る人々の名前とその隣に書いてある年月。何も、何も頭に入ってこない。これを、後二、三時間で覚えるなんて、無理だ。無理だ。

こうやって最初の日からイジメは始まった。夜遅くまで暴言と体罰が続いた。三日に一回ぐらいのペースで寝られない日々が続いた。他の先輩たちにやられることもあったが、大概はAが僕を「特別ケア」してくれてた。もうこれ以上は無理。これ以上は⋯⋯そんな毎日が一ヶ月続いた。

「⋯⋯父さんが軍隊にいた時に、父さんのせいで誰か死んだって話、なんだった?」
一瞬、父は沈黙した。なんだ、当たりか。
「⋯⋯どこから聞いた、その話?」
「お祖母さん亡くなった時、叔父と父さんが話すのを──」
「いや、よせ、そりゃどうでも良い。それより何故いきなりそれについて聞いてくるんだ?」
「えっと⋯⋯」
僕の質問に少しは慌てるかと思ったけど、慌てるどころかむしろ攻めてくるじゃないか。
「分からない。ただパッと思い出した。いや、お祖母さんの忌日が近いから、それで昔のことを考えてたら思い出して、疑問になって」
何とか答えたけど、どうだろう。父はまた沈黙する。信じてもらったのか。
「いや、ここ何年間ずっと疑問に思ってたけど、暗い話になりそうだし、答えたくないんだったらそれも全然分かるけど、だからこそ本当のことを教えてもらってすっきりした方が父さんにも良いというか⋯⋯家族だし、俺ももう大人だから、どんな事情があったとしてもそれぐらい分かる歳だし──」
「お前、小説かなんかを書いてるって?」
チクショウ、お母さんから聞いてるのか。内緒にしてくれと何回も頼んだのに。
「何かネタが必要なんだろう? そのために聞いてるんじゃないのか?」
やられた。今度はこっちが黙るしかない。クソ、どうすりゃ良いんだ。これじゃ教えてもらえないに決まってるじゃないか。
「お前、一体いつまでそんなバカなことやり続ける気なんだ? あん?」
「やり続けるってどういうことよ。これは音楽じゃ──」
「お前のその『才能』ってもので勝負しようとしてる面ではまったく同じじゃないかよ!」
「ちょっと、父さん、お母さんから何を聞いたのかは分かんないけど、俺の話も最後まで──」
「やっと就職して安定して日本に長く居られるようになったと思ったら、裏ではまた高校生みたいなことやり始めて──」
シバル。
「だからこれは! 向こうから連絡が来たんだよ! 文芸誌から!」
クソ、FUCK、シバル。
「なんでお前の『芸術』ってのは趣味としては楽しめないんだよ? あ? 前はアルバムだなんだ言ってたのが、今度は文壇デビューなんちゃらの話になっただけだろう? お前、作文にも才能あったと思うよ。お前が中学生の時、プレゼントで絵本作ってくれるといつも面白いと思ってた。でも、周りから「良いね」と言われるぐらいのレベルの才能ごときに、何でお前は人生を賭けようとしてるんだ? なぜその芸術ってのをやらなきゃいけないんだよ!」
「誰が人生賭けてんだよ! 勝手に思うなよ! これを書くからって会社をやめた訳じゃないよ!」
いや、実は父の言う通りだ。小説ではないけど、いつ追い出されてもおかしくない外人の身分で、音楽に人生賭けて日本で粘っている。嘘をついて事実は隠せたけど、僕がどんな人間かという真実を、父は恐ろしいほど良く知っている。
「そもそもその文芸誌は何を見てお前に連絡したんだ? あん? 日本語が不自由ないち外人労働者に?」
「知りませんよ! 俺の昔の曲とか聴いて、外国人が日本語で歌ってるから興味が湧いて連絡したのかもしれないし」
まずい。父のペースに巻き込まれていく。言わないつもりだったことを少しずつ告白しちゃってる。
「ほら、それも結局お前の音楽と一緒のものじゃないか?」
「いや、何の関係があんのよ、音楽はとっくにやめてるって」
今だ。ここで一回こっちのペースに変えなきゃまずい。
「なんなら検索してみてよ。俺の名義でここ三年間何の曲も出てないから」
だって三年前に活動名を変えたもん。
「⋯⋯それは知ってるさ。心配になって前に調べてみた」
よし、最悪の状況は避けられたようだ。
「でもその代わりに他のバカなことを始めたから結局同じじゃないかよ。お前という人間はちっとも変わっていないってことさ。俺と母さんに、死ぬ時まで心配させる気か?」
「いや、お父さん、言ったけど俺ちゃんと会社出勤してるし、これってちゃんとした原稿料もらえるんだよ。仕事として受け取ってるんだよ」
まぁ、載せてもらうという前提でね。たとえもらえたとしてもその金額は父を説得するには絶対に足りないだろうけど。
「仕事? いや、違う。自分に正直になってみろ。仕事は会社で働く方のことなんだ。いつもそうだったけど、お前はまた逃げてる。いっつも逃げる。韓国から、俺と母さんから、今は仕事から。軍隊でも逃げようとしたんだろう? お前、いつまで逃げるつもりなんだ?」

確かに、最初は逃げる方法を考えていた。脱営。深夜の不寝番勤務の時が良いだろうか。いや、それでは足りない。普通の不寝番勤務じゃなくて哨所(ポスト)勤務じゃなきゃ部隊の外にまで出られる可能性はゼロだ。でもポスト勤務は必ず二人ペアで入るし、二等兵になったばかりだから結局は先輩と一緒に入るしかない。ちょっとしょんべんしてくるとか言ってポストの外に出れるかも知れないけど、それも後輩からは絶対言えないことだ。先輩じゃなく後輩と組んでポスト勤務につくには、上等兵にならないと無理。上等兵進級は一年後。それまでに正気でいられるんだろうか。
野外訓練中は? いや、僕の何倍も頑健な兵士が何十人と隣にいる状況で逃げるなんてありえない。外泊中は? 部隊員の何人かと一緒に出かけるんだけど、皆ネットカフェだカラオケだで忙しいはずだから、調子が悪いので部屋に残りますとか言ったら隙なんていくらでもありそう。
じゃ、外泊中に逃げるとして、どこへ行けば良いんだ? 高速バスに乗ってソウルの実家へ行くか? いや、逃げたことが分かった瞬間に憲兵が実家で待機するだろう。逃げるしかない。日本には? 密入国? そんな恐ろしいことなんか一回も考えたことないけど、それって今のこの地獄より悪いだろうか? 釜山? 仁川? そもそも何のお金でそこまで行けるんだ? 着替えは? 大学は? お母さんは?

「おい、チョッパリ、何ぼっとしてんだよ」
イタチ顔のA上等兵。
「新入りがぼーっとしながら野外作業できるなんて、本当に良い時代だよねー。人権尊重の兵営文化だ何だでさ。お前みたいなヤツが同期の中にいたら先輩たちに朝まで殴られてたはずなのに」
クソやろう、お前一人は逃げる前に絶対に殺してやる。
「遅いぞ、チョッパリ! 早くやれよ!」
「は、はい! かしこまりました!」
「クソなチョッパリやろうが」
Aを含めた上等兵以上の先輩たちがくすくす笑う。タバコを吸いながら日陰で休んでいる。その下の階級の兵士たちは厳しい傾斜面で一列に並んで、一つ当たり五キロのレンガをひたすら隣の人に渡している。ここは標高九〇〇メートル。山の頂上にヘリコプター発着所を造るために部隊からレンガを運んできた。もちろん先輩たちの分の大概は、僕ら後輩たちのバッグに入れて持ってきた。そのくせに、僕らに遅いとかしっかりしてないとか、言えるのかよ。
「まったく、俺が二等兵だった時は──」
「あーっ!!!」
Aの説教は、列の下の誰かの悲鳴で止まった。ここからはちょっと離れていて良く見えないけど、違う中隊の兵士が怪我したようだ。先輩たちが物見するために下に下りたから、監視の目を潜って僕らは土に座って休んだ。怪我した兵士は下でずっと叫んでる。
「チクショウ、本当にちっとも手伝わないんだよね」
「中隊長ならここにいなくても分かるけど、少なくとも小隊長は現場にいるべきじゃないの? 本部に報告することがあるから行ってくるとか、もう一時間も経ってるぜ」
「嘘に決まってるだろう。先輩たちと同じくどっかで油売ってるのさ」
二等兵たち。でもAの「特別ケア」を受けてる僕は、二等兵同士の先輩の悪口にさえ仲間にしてもらえない。
「うっせいよ、お前ら! 二等兵のくせになに文句言ってんだ!」
「おい、でも今日はさすがにちょっと酷いんじゃね? 先輩たち五分も作業してないぞ」
一等兵たち。あ、貴方たちは一個上だから文句言って良いってことですよね。
「知らねぇよ。俺ら来月で進級さ。今までやられた分、来月から楽しめば良いだけよ」
一等兵たちに聞こえないように二等兵たちは小さい声で話し続けた。
「俺は進級したら絶対にあんなやつらみたいにはならねぇ」
「でもそれまでどうやって待てるんだよ。少なくとも一年はこんなのをずっとやり続けろってことだろう? 死ぬよ、死ぬ」
いや、お前らはせめて夜は寝られてるだろう。それじゃ死なないよ。
「事故ったやつ、第九中隊かな? どうなってんだろう」
よく見えないけど、ストレッチャーに乗って下に運ばれるようだ。
「へー、なに? ストレッチャー? 結構酷いのかね」
「いや、俺も脚一本壊して陸軍病院で何ヶ月か休養できないかな」
「何言ってんのよ。長期入院した後戻ってくると『何もせずに楽だっただろう』って皆に嫌われるぞ」
「それでも行きたいなー。陸軍病院では朝からテレビも見られるらしいよ」
騒ぎは終わった。物見が終わった先輩たちが戻ってくる。タバコを吸ってた一等兵たちが火を消しながら二等兵たちに叫んだ。
「おい、みんな立って! 立って! お前らのせいで俺が叱られたらお前ら全員ぶっ殺すぞ!」
二等兵の同期がレンガを取り上げながら言った。
「クソ。どうせ怪我するなら入院じゃもったいない。除隊処分もらうぐらいじゃないと悔しいだろう。実は、俺の訓練所の同期の中に大怪我してそのまま家に──」
「あら、あら、後輩の先生がた、お元気でしたか?」
先輩たちが戻ってきて僕らに何かを言ったけど、僕の頭は今聞いたその単語で夢中になってた。除隊処分?
「誰が休んで良いって言ったよ、あん? もう一回サボったらお前らも全員ストレッチャーに乗せてやるから」
Aの怖い声も、今は聞こえない。除隊処分?
「おい、チョッパリ、またボケてんのかよ。おい、本当にわざわざこっちが日本語勉強して日本語で話さないと一生話通じないのかよ。あん?」
ハハハ。Aの言葉を聞いた先輩たちが皆僕のことを笑ってたけど、それも入ってこない。除隊処分。大怪我。家に帰れる。

《3/6に続く》

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