Left: Jonah Hill by Say Cheese!/GC Images. Center: Adwoa Aboah by Dave Benett/Getty Images for Miu Miu. Right: Bad Bunny by Kevin Mazur/Getty Images for Coachella. 

なぜ今、タイダイがこんなにも人気なのか?

60年代のウッドストックや80年代のカウンターカルチャーを彷彿されるタイダイだが、その熱が今またファッション界で再上昇してきている。タイダイというアイコニックなプリントを普及させた、個人主義、サステイナビリティ、ハイファッションについて、専門家にきいた。

by Laura Pitcher; translated by Ai Nakayama
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26 June 2019, 6:38am

Left: Jonah Hill by Say Cheese!/GC Images. Center: Adwoa Aboah by Dave Benett/Getty Images for Miu Miu. Right: Bad Bunny by Kevin Mazur/Getty Images for Coachella. 

あなたがタイダイTシャツを好いていようと嫌いだろうと、この世がタイダイのリバイバルを迎えていることは疑いようもない。

スカムブロ(scumbro)的なスケーターやヒッピー、そしてジョナ・ヒルに好んで着用されたのを皮切りに、Proenza Schouler、Prada、Eckhaus Lattaなどハイファッションのランウェイに登場し、Instagramではスーパーモデル全員が着ているのではと思わせるくらいの勢いをみせるタイダイ(あのビヨンセもビーチで着ていた)。

シュシュやウエストポーチから私たちが学んだことがあるとすれば、私たちは死ぬまで、幼い頃に着ていたファッションアイテムに飽きては買い、飽きては買いを繰り返すということ。しかし盛衰を繰り返すトレンドのなかでも、随一の強度を誇るのがタイダイだ。

タイダイは1960年代のウッドストックから80年代のカウンターカルチャー・ムーブメントまで、決して打ち捨てられることのない、もしかしたら私たちが自尊心をかけて守ろうとするほどの、唯一のアイテムである。

ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションのプリント・染色専門技術者のカヴィータ・クマリ(Kavita Kumari)は、タイダイが現代の世によみがえることになった理由には、いくつかの要素が絡んでいると指摘する。たとえば、飽和していながら制限された市場で自分らしさを表現する必要性や、サステイナビリティについての認知度の高まりとハイファッションでの受容、そして現代のデジタルプリントが、タイダイ復活につながるキーワードとして挙げられる。

タイダイへの偏向した熱狂、揺れ動く心について、カヴィータ・クマリに訊いた。

——あなたがファッションやテキスタイルに興味を抱くようになったのはいつですか?

ファッションも服もミシンも、昔からずっと近くにあって、小さい頃からファッションに親しんでいたんです。私の母親はお針子で、母の姉妹のひとりは、ファッションにかなり詳しかったんです。私自身も昔からファッションが好きで、テキスタイルの準学士号、そしてテキスタイルデザインの学士号を取得しながら、自分のクリエイティビティを磨いてきました。

——人間とタイダイとの関係を、他のプリントや染色との関係と比較すると?

タイダイは何世紀と続いてきた手作業ベースの染色です。タイダイは知名度が高く、誰もが60〜70年代のヒッピーファッション、自由の時代、ラブ&ピース、調和などを想起するでしょう。色や花、フェイスペイント、タイダイで着飾り自己表現するとき、特別な用具、専門的な道具はいりません。安い値段で楽しめるんです。

——どうして今、タイダイが復活していると考えますか?

タイダイ人気が再燃しているのは、ハイファッションで流行したことがきっかけです。ハイファッションは従来の手作業ベースのタイダイを、デジタルプリントへ変化させました。この変化が、タイダイへの関心をよみがえらせたのだと思います。また、みんな、ベラ&ジジ・ハディッド姉妹など、セレブたちを真似していますよね。ファッションというものは、影響力のあるひとを大衆が追うことでかたちづくられますが、SNSを通してその傾向がさらに強まっています。

——タイダイのプロセスの元を辿れば、インド文化など様々な他国のカルチャーに行きつきます。これは文化の盗用といえるでしょうか?

確かに文化の盗用から豊かに進化してきたといえるでしょう。インドには〈バンダニ(bandhani)〉と呼ばれる伝統的な染色法があります。〈バンダニ〉とは「絞る」という意味です。あとは日本の絞り染めなど、世界には様々な染色法があります。

——タイダイはサステイナブルとされていますが、チェーン展開するブランドのタイダイプリントはどれほど地球に優しいといえるのでしょうか。

私は、5月中旬に開かれた会議に、「真の意味のサステイナビリティはファッション/テキスタイル業界には存在しない。存在するのはサステイナビリティへの意識」という見出しを付けました。ただ、染色の原料や服の素材が購入された場所にもよりますね。たとえばPrimark(大型ファストファッションブランド)で購入したタイダイのTシャツは、倫理的にも、染色においても、原料の廃棄という観点においても、環境への影響においても、サステイナブルとはいえないでしょう。この問題についてはまだまだ議論の余地があると思います。

——自分ではタイダイは身につけますか?

着ませんね。単純に西洋のタイダイはあまり好みじゃなくて。インドのバンダニは着てますよ。

——このタイダイブームはいつまで続くと思いますか?

タイダイは生活に浸透してるので、完全に消えることはないと思ってます。きっと永遠に続きます。

This article originally appeared on i-D US.

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