幸せは明日のためにとっておこう: あいみょん interview

あいみょんとReebok CLASSICがコラボレーションした楽曲『GOOD NIGHT BABY』のMVが、ミラーレイチェル智恵の手によって光と色のファンタジーへとあなたを誘う。

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18 oktober 2018, 4:25am

「あなたの両目をくり抜いて私のポッケに入れたなら、あなたの最後の記憶は私であるはずよね」「君のアイスクリームが溶けた、口の中でほんのりほどけた」「最後のサヨナラは他の誰でもなく自分に叫んだんだろう」… 。

奥底に隠れた感情をえぐり返すように真っ直ぐな言葉が吐き出され、メロディーに乗りながら聴く人の心をさらっていく。アブストラクトな世界を生きる私たちを遠くまで連れ出してくれるような力強さを持ち合わせるシンガーソングライターのあいみょんが、Reebok CLASSICとコラボレーションしたMV「Good Night Baby」が公開された。ディレクターには、現実と幻想が共存する淡いユートピアのような世界観であいみょんのMVを度々手掛けるミラーレイチェル智恵が抜擢。新たなミューズとして人々を引き寄せるあいみょんの魅力に迫る。

太陽の下で履くアクティブなイメージが強いスニーカーも、あいみょんのフィルターを通せば夜道が似合う鮮やかなキックスへ生まれ変わる。強がりな少年と好きな女の子の別れ際を描いた「GOOD NIGHT BABY」の制作はそんな彼女のユニークな視点からスタートした。

「Reebokっていうイメージを曲にまで持っていくのは違うと思って制作は自由に進めたんですけど、スニーカーって昼間のイメージがあるじゃないですか。だけど夜でも映えるデザインなので、青春時代のもどかしい感じが滲み出るような夜のシーンをテーマにしました。例えば明日が楽しみになるように今日はキスしないでおこうとか、楽しみなことを後回しにする甘ずっぱさと切なさを描いたり。作詞と作曲はギターを持ちながら同時進行しているので、このストーリーがどうやって生まれたかは覚えていないことの方が多いですね。歌いながら言葉を付け足して、物語を展開している感じ。レイチェルさんと3回目のコラボになるんですけど、初のスタジオ撮影で結構変な感覚でした。今までロケ撮影が多かったのでずっと地下にいると暗い気分になるんじゃないかなと思ったんですけど、照明や背景色を使って景色が変わるように演出して下さったので、地下なのに外にいるような感覚でした。朝から23時くらいまで撮影してたんですけど、気が付けば時間が経っていました。それだけ長時間、スニーカーを履いてたんですけど全く疲れなかったのも驚きです。あと撮影中にアイスクリームを9個食べたのも思い出です(笑)。人生でアイスクリームを一番食べた日でした」

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まるで物語を読んでいるかのように情景が浮かんでくるあいみょんワールドは、目の前に広がる日常から想起される自由なイメージや彼女が高校生の頃に感銘を受けたという官能小説からインスパイアされることが多い。

「人を見ていると色々感じることがありますね。綺麗な女性でおしゃれなのに爪を塗っていない人の職業や車内で隣の人が読んでいる本の内容を勝手に想像したり、そういうのを考えるのが好きです。そういう日常からストーリーが生まれることもあります。あとは官能小説が私のバイブルです。17歳の時に初めて買ったのが『雫』というオムニバスみたいな作品だったんですけど、比喩表現がきれいでかなり作詞の影響を受けています。あとは映画の主題歌を作るってテーマで曲を作ったりしました。最近は、Twitter上で物語を書いて有名になった、燃え殻さんという作家の『ボクたちはみんな大人になれなかった』という小説がめちゃくちゃ面白かったです。ラブストーリーって言葉で片付けると申し訳ないんですけど、痛々しくてすごく苦しい気持ちになりました。あの本はよかったです」

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男らしくも女性的な表現を好み性別にとらわれないクリエイティブをあいみょんが生み出すのは、自分にはないものに憧れそれを手に入れようとする人間の本能的行動だからこそ、彼女の音楽は人々の心を掴むのだろう。

「男性目線で曲作りするのは、私の男性への憧れが強いから。女性に憧れる男性もいると思うし、それは無い物ねだりなだけであって良いことだと思います。筋肉量や強さなど身体能力的に女性が持っていないものを男性は持っているし女性は男性よりも精神的に強いから、結局は平等なのかなって思います。それからある程度、男性のことを分かっているつもりになって作詞作曲するっていう楽しみもありますね。だけどいつか結婚して子供を産んだときに、表現者としての女性らしさを意識できるのかなと思います。今は自分が女性だからこういう曲を歌っているという感覚は全くなくて、私はあいみょんって音楽のジャンルを作りたい。いろいろなジャンルがある中でJ-POPもやればHIPHOPみたいなものも作って、ひとつのジャンルに縛られたくないです」

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とても律儀で大人らしいあいみょんは、大家族の次女として兵庫県で育ち姉御肌であると同時に無邪気な少女でもある。そんな二面性が魅力の彼女が最近ハマっていること。

「同世代の女の子といても自分の方がお姉ちゃんぽくなっちゃうというか、世話好きなんですよね。みんなから甘えてこられるタイプかもしれないです。でもポンコツなんですよ。普通にしょーもないことが大好き。根は関西人なので、どうしても面白いことをしたいと思ってしまうし、下ネタとかでずっと笑ってます。でも最近は大人っぽく、赤ワインをお家で嗜むってことを覚えました。嗜みながら映画を見たり本を読むんですけど、結局はかっこいいなって自分に溺れてるだけです(笑)。それからAmazonで本棚とかハンガーとかミステリー小説をポチってます。洋服は滅多に買わなくて、スタジオに入ったり撮影に行ったりするので基本的にラフな格好が多いです。Reebokはおしゃれだけど学生の頃は陸上競技をやっていたのもあって、なかなか手を出せないイメージでした。いつもスポーツみたいなスニーカーばかり履いていたので、自分がReebokと仕事するなんて思ってもいなかったです。最近ダイエットするためにジムに通い始めたのでウェアも欲しいですね」

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「満月の夜なら」と「マリーゴールド」をリリースし、映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」の主題歌を書き下ろすなど、まだまだ加速するあいみょんに2018年の想いを語ってもらった。

「今年はありがたいことにファンが増えたっていうことが目に見えてわかったってこともありましたし、止まらずに作品を作ることができたので、2018年はこのまま楽しく忙しなく過ぎて行くだろうなって思います。書き下ろしや楽曲提供が面白くて、今まではアイドルやグループ系だったり自分と真逆のジャンルの人とコラボしていたんですけど、次は自分と同じソロのシンガーソングライターとコラボしてみたいです。音楽以外でチャレンジしたいことはロッククライミング。妹が体験しているのを見て、楽しそうだなって思いました(笑)。もっと運動したいですね。それから温泉とか美ら海水族館とか旭川動物園とか、国内をゆっくり旅行したいです」

http://www.aimyong.net/