デザイナーが選曲した「今、聴きたい一曲」 vol.1

注目のファッションデザイナーたちに、自身のブランドの思想が垣間見える「今、聴きたい一曲」を紹介してもらった。

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jun 11 2018, 11:37am

「The Sun's Gone Dim And The Sky's Turned Black」Johann Johannsson 三浦進(AVALONE
「アイスランド出身の作曲家で鍵盤楽器奏者であるヨハン・ヨハンソンは、今年の2月に死因不明で亡くなっています。彼の素晴らしい楽曲がこれからも受け継がれていくことを願い、選曲しました。タイトルを訳すと、“太陽が消えて、空が黒くなった”。宇宙の偉大さを感じるとともに、楽曲としてはモダン・クラシックを感じさせてくれます。AVALONEの根底には常に音楽があります。僕自身の好きなメタルミュージック、テクノミュージックの基本にはクラシックが存在していて、そのなかでも僕は弦楽ベースの曲が好き。車を運転しているとき、デザインをしているときにもこうしたコンテンポラリーなクラシックを必要としている自分にとって、音楽の存在は一種の安定剤のような役割ともいえます。4分13秒あたりから最後までの展開に鳥肌が立ち、心の底から湧き出る熱い何かをいつも感じます」

「Constant Growth Fails」Hauschka 鬼澤瑛菜・西野岳人(5-knot
5-knotのランウェイデビューコレクションでハウシュカ(Hauschka)の楽曲を使用しました。ピアノに物を付けたり、挟んだり、置いたりして複雑な音を奏でるプリペアドピアノ(改造ピアノ)という手法を用いています。その演奏方法は、私たちが様々なデザインソースを組み合わせてひとつのコレクションを作る作業ととても似ていますし、5-knotの柄、色、様々なファブリックをミックスさせる表現にも共通する部分があります。ピアノをベースに電子音、金属音、ノイズのようなものが交錯することで“新しい音”を生み出すハウシュカの楽曲。2017年に発表された「Constant Growth Fails」は新たに自動ピアノも取り入れたアルバム『What if』のなかの一曲。一定のリズムの中から徐々に音の厚みが立ち現れてくる感じがめちゃくちゃかっこいいです!」

「イメージの詩」吉田拓郎 岡本大陸(DAIRIKU)
「DAIRIKUのデザインを考える出発点として僕自身の幼少期の思い出を振り返ることが多いのですが、この曲を聴くと、ドライブをしながら大好きな吉田拓郎の曲をカセットテープで流しながら口ずさむ父の姿が蘇ってきます。僕と同世代で、夢を追いかけていたり、想いを寄せている人がいる人、新しい物事に挑戦しようとしている人にぜひ聴いてほしい一曲です。きっと、原動力になると思います。僕は23歳ですが、この年齢だから響く言葉があるし、歌詞の意味を自分の人生経験と照らし合わせながら何歳になっても聴いていたいと思います。歌詞に“古い水夫”という表現がありますが、僕は“新しい水夫”として、何も恐れることなく頑張っていこう!という気持ちにさせられます」

「LOVE YA!」HYUKOH 工藤司(kudos
「ミニアルバム『24: How to find true love and happiness』に収録された一曲。ベルリンでレコーディングされたこのアルバムは、それまでのヒョゴ(HYUKOH)の楽曲に通底していた“痛みに寄り添う暗さ”のようなものから解き放たれたような優しさに溢れていて、どこかあたたかくて、愛が深い。とくに“LOVE YA!”は、今、誰かに言ってほしかった言葉が詰まった一曲だなと思います。彼らが貫くインディペンデントな姿勢には、いつも学ぶところがあります。Mark LebonがMVを撮っていたりと、彼らのビジュアルへの取り組み方もすごく好き。去年の夏にfumiko imanoちゃんに連れて行ってもらったライブで初めてヒョゴと出会って、“LOVE YA!”って伝えたくなる友だちができたことが、何よりもすごくハッピー!」