世界を旅する写真家ケイト・ベルム

写真芸術を追求するアーティスト、ケイト・ベルムが、愛に、人生、そして冒険について語る。

by i-D Staff
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30 May 2016, 2:45am

水の中をまるで人魚のように泳ぐ女の子たちから、テクニカラーの鮮やかな色彩に浮かぶ岩山まで、ケイト・ベルム(Kate Bellm)の写真には、彼女が住む魔法の国が絶妙に捉えられている。遊牧民的にしてワイルド、そしてロマンチックなベルムはイギリス生まれ。彼女が"生涯最愛のひと"と言って憚らないパートナー、メキシコ人のエドガー・ロペス・アレラーノ(Edgar Lopez Arellano)とともに世界をめぐり、生まれては消えていく美しい瞬間をスナップに収め続けている。ファッションフォトグラフィーの世界に身を置いていた彼女の、女性のフォルムに対する審美眼は今でも鋭い。ファッションフォトの計算されたポーズをきめるモデルに対し、ベルムが現在写真に撮りおさめている女の子は、それぞれが自然でいられる環境で、自由に、そして冒険心に溢れた姿を見せている。LAMB ARTSでの最新エキシビション公開を前に、彼女に愛を、人生を、そして冒険を語ってもらった。

あなたの職業は?
フォトグラファー。今は、世界を旅して、そこで起こることを写真に収めているわ。

なぜ写真だったのでしょう?
13歳のときには、将来フォトグラファーになるって分かっていたの。子供の頃からその情熱を持っていたのよ。

あなたの作品に一貫する美学について聞かせてください。
カラー、自由、自然、それとヌードね。

インスピレーションはどのように得るのですか?
スケーター、自然、エドガーかな。

あなたの作品において、なぜ旅はそこまで重要な意味を持つのでしょうか?
旅こそが私の人生で、それを写真でドキュメントしているの。どちらが欠けても成り立たないわ。

作品の多くに女性が関わっていますが、女性に対する興味はどこからきているのでしょうか? また、女性を通してなにを模索しているのですか?
女性は素晴らしくて、美しい生き物です。私の周りにいる女性のナチュラルビューティを写真に収めるのが好き。よく撮るのは姉や妹、それから女友達。ヌード写真は私たちの日常を自然に捉えているまでよ。

彼女たちは、どうやって周りの環境にこんなに馴染んでいるのでしょうか?
彼女たちを取り巻く環境と同じくらい、彼女たち自身が自由で自然だから、すんなりと溶け込んでいるんだと思う。

ファッションフォトの世界で経験を積んできたことは、最近の作品にどのような影響を与えているのでしょうか?
女の子たちの配置と、路上で出会う見ず知らずのひとたちとリラックスして撮影に挑めるというところ。

あなたの作品には、衝動的な瞬間が多く捉えられています。緊張感を、撮影後の作品仕上げの工程まで保つことはどんな重要性を持つのでしょうか?
作品を仕上げる工程は、撮った写真にさらにクリエイティビティを発揮する楽しみでしかないわ。スケッチブックを作るにしても、写真に糸を縫い込むにしても、カラリングやブリーチにしても……それは手を使って色々試して、イメージに何か新しいものを作り出そうっていう、フォトグラフィーの延長でしかないの。

旅を続けるあなたにとっての"ホーム"はどこですか? それとも、ホームという概念は心の状態なのでしょうか?
過去4年間、私は家と呼べるような場所はなかったわ。だけど、最愛のエドガーと一緒に旅をしているから何とも思わなかった。だから、私の帰るところは、どこへ行こうと私が心を預けた"彼"ということになるんだと思う。

もっとも好きなアーティストは?
オジー・ライト(Ozzie Wright)、エド・テンプルトン(Ed Templeton)、ラリー・クラーク(Larry Clark)、そして織物や、地球に優しい家屋作り、ジュエリーや陶器作りをしている世界中の人々にインスパイアされるわ。

エドガーとの関係について教えてください。
完全なる愛よ! 一緒に創作をして、世界を旅して、とてもいい人生をふたりで歩んでるの。特別な関係ね。4年前、メキシコで彼に出会えたことを本当に幸運に思う。だから、私たちは帰る場所と持っているものも捨てて、一緒にこの素晴らしい地球を見に出かけようということになったの。一生に一度できるかできないかという経験だってことは分かっていたから。

エドガーとともに制作し、今回公開に至ったエキシビションについて聞かせてください。
今回のエキシビションは、旅をした過去4年間へのトリビュートなの。スケールの大きなヌード作品や風景写真、スケートでのロードトリップを収めた作品が大半。会場には、エドガーと私が手作りでビーチハウスのような小屋を建てて、私たちが旅して世界から集めてきた宝物や廃材でデコレーションをしているの。旅の途中、インスピレーションを感じた瞬間はすべて写真に捉えようとした。それを感じることができる内容になっているはずよ。コラージュ作品のためと思って、インドの道端に転がっていたマッチ箱を集めたり、日本のフリーマーケットで昔のクラシックポルノを見つけたり−−このエキシビションは、私たちが旅をし続けた自由な歳月への讃歌なの。でも同時に、見る人に「別の生き方、人生の構築の仕方があるんだ」って感じてもらえたらって思うわ。

今後はどのような活動を予定していますか?
何も決めてはいないけれど、エドガーとは今後も一緒に作品を作っていくし、世界を回って、より幸せな生き方を模索していくわ。特に、これから私たちが暮らす予定のスペイン・バレアレス諸島にあるマヨルカ島のトラムンタナで、自給自足、持続型の農業を試してみたいと思ってるの。

lamb-arts.com

katesworld.tumblr.com

Credits


Text Tish Weinstock
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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