山口はるみのリアルでハイパーなギャルズ

時代を超えても光を放ち続ける"はるみギャルズ”の魅力とそのパワー。

by Chihiro Yomono
|
22 July 2016, 8:55am

70年代初頭より、そのパワフルで斬新なイラストレーションを介して瞬く間に時の人となり、多くの人々に支持されてきた山口はるみ。日本広告美術の黄金期に頭角を現し、唯一無二のセンスを武器に、30年間パワフルに歩み続けている彼女とそのアートワークは今なお、色褪せない。ファッションとアートが交差するPARCO MUSEUM で、現在開催中の山口はるみ展「Hyper! HARUMI GALS!!」には、彼女をリスペクトするクリエイターとのコラボレーションを含めた約80点にも及ぶ作品が並ぶ。人々が抱く"憧れ"を"ギャルズ"に落とし込み、表現してきた歩みとその想いについて聞いた。

——山口はるみさんのアートワークを見て、多くの女の子たちが衝撃を受けたのではないかと思われます。当時、山口さんは"女性"としてどのような想い、または夢を持って"HARUMI GALS"を描かれていたのでしょうか?
「自由」と「自立」は私の中で、一番根底に存在するものでしたので、あくまでもアクティブな女子の姿をヴィジュアライズしていました。

——西武百貨店宣伝部働かれていたときに制服を拒んだこと。そして契約社員という雇用形態を選ばれたこと。現代では選択肢として普通の形態ではありますが、当時としては珍しいことだったのではないでしょうか?また、そうした会社や組織からの自立するという精神性は、ご自身のなかでどのように芽生えたのでしょうか。
西武百貨店の正社員の女子は、全て定められた制服を着用することが決まりでした。当時、パリ支局の堤邦子さん(実業家であり小説家の堤清二の実妹であり、1961~1976年の間、西武百貨店のブランドバイヤー責任者を務める)の素晴らしいセンスでセレクトされ、売り場を飾った、英仏のファッションの数々(Saint Laurent rive gauche、MARY QUANTのミニドレス等々)の広告を描く私には「制服を着用して描く」なんてことはどうしても出来ませんでした!

——HARUMI GALSたちには、強く美しく自由奔放、そして開放的なイメージが伺えます。"彼女たち"が誕生する過程で山口さんが影響を受け、憧れたミューズはいらっしゃいますか?
なんといってもBB!ブリジット・バルドーの映画、彼女の私生活、すべてにおいて、胸のすくようなカッコ良さを感じていました。

© Harumi Yamaguchi / Courtesy of NANZUKA

——最先端な技術と斬新で鮮やかな色彩、見たことがないようなスーパーリアルスタイル。今なお、HARUMI GALSはクールな存在として健在です。当時、アイデアソースとなったクールな女性たちのことを教えてもらえますか?
イギリスのロックスター達のハートも掴んでしまった女の子たちを写した1冊の写真集『BIRDS OF BRITAIN』(ジョン・D・グリーン)の中に集った、BIRDS達に心を奪われました。表紙のパティ・ボイド(Pattie Boyd、ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンが取り合ったカリスマモデル)を筆頭に、シャーロット・ランプリング、マリー・クワント、マリアンヌ・フェイスフル、ジェーン・バーキン、ジュリー・クリスティ、ジェーン・アッシャー。身近では安井かずみさんに、加賀まりこさん!

——共にPARCOのお仕事をされていたアートディレクターの石岡瑛子さんとはどのようにお仕事をされていたのでしょうか?
PARCO創始者の増田通二氏のセッティングによって、ADに石岡瑛子さん、コピーライターに小池一子さんと私、という女性のコンビ(当時は前代未聞!)で広告制作に至りました。それまで男子としか組んだことがなかったので、スリル満点でした ‼

——今回のPARCO MUSEUMでの展覧会、3人のクリエイター(古田泰子、カミーユ・ヴィヴィエ、テセウス・チャン)とのそれぞれの取り組みは、いかがでしたか?まずは、幻想的なカミーユ・ヴィヴィエの世界に落とし込まれたHARUMI GALSは、いつもの雰囲気とはまた異なったものでしたが、とても印象的でした。今回のムービーは、どのようなテーマを持って制作されたのでしょうか?
彼女のムービーはカミーユさんの色がばっちり出されていました。それに寄り添って、最終的には私の思うPARCOの遺伝子も盛り込んだものを描いたつもりです。

© Harumi Yamaguchi / Courtesy of NANZUKA

——テセウス・チャンディレクションによる、展覧会の空間はリズミカルで、素材にも透明シール?などオリジナルな工夫が施されていたり、コスメのブティックのようでとても楽しい空間でした。テセウスさんが今回の空間をディレクションされた際、山口さんからの依頼はどのようなものだったのでしょうか?
以前に拝見した谷川じゅんじさんの作品集のデザイン1冊で、テセウスさんの素晴らしいセンスに圧倒されていました。新しくて懐かしさも併せ持つチャーミングな彼の力に、私の描いたもののポジフィルムを全て委ねてみました。

——HARUMI GALSTOGAを着るという、モードとアートが好きな女の子たちの夢のようなコラボレーション企画。スタイリングにおいてTOGAの古田泰子さんとの会話の中で、どのような女性像が描かれたのでしょうか?
TOGAの新作の写真を拝見して、大胆かつ繊細で面白い、どちらに転んでいっても楽しいものになるなって感じていました。

——また、TOGAとのコラボレーションアイテムの中で、特にロングTシャツのストリートなデザインへの落とし込みはとても新鮮でした。このように、ご自身の作品が新たな時代から生まれたものと融合することで、新しいものが生まれることについてどのように感じられますか?
大歓迎!仕上がったTシャツやグッズを見せていただいて、喜びいっぱいです !!! 早速着用!

——今回の展覧会を通して新たな発見、または今後の取り組みに繋がりそうなアイデアは見つかりましたでしょうか? HARUMI GALSたちの再来の可能性などは?
明日、どなたかに声を掛けられたら、瞬時に「反応」したいです。毎日、アンテナは張っています。今回TOGAさんのコラボレーションで描かせていただいたのをきっかけに「ファッション・イラストレーション」が久しぶりに頭の片隅に甦ってきました。

山口はるみ展「Hyper! HARUMI GALS!!」
開催期間:開催中〜7月 25日(月)
時間:10:00 - 21:00 (最終日は18:00閉場 / 入場は閉場の30分前まで)
会場:パルコミュージアム(渋谷パルコ PART1・3F)
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1
入 場 料 : 一般500円 学生400円(税込)小学生以下無料
問い合わせ先:パルコミュージアム
tel. 03-3477-5873
www.parco-art.com

Tagged:
Culture
Interviews
tokyo
Exhibition
toga
harumi yamaguchi
hyper! harumi gals!!
parco museum