2017年 第89回アカデミー賞の全候補発表

『ラ・ラ・ランド』が14部門ノミネートで最多——『ムーンライト』と『メッセージ』は8部門ノミネート! 去年、ノミネートされた俳優がすべて白人だということで「#OscarsSoWhite(白人至上主義ハリウッド)」と批判を浴びたアカデミー賞だが、今年は多様性に富んだラインナップとなった。

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27 januari 2017, 12:56pm

Moonlight

2016年は「人類がさまざまな汚点を残した年」として歴史の教科書につづられるだろうが、映画史では「豊作の1年だった」として語り継がれることになるだろう。バリー・ジェンキンス監督の新作『ムーンライト』は、批評家のみならず世界中の観客からも大絶賛を浴びた。『ラ・ラ・ランド』はミュージカルというジャンルを現代に甦らせ、『ハクソー・リッジ』と『ヒドゥン・フィギュアズ』は実話を銀幕で物語り、人々に感動を与えた。これらの作品はすべて2017年アカデミー賞の最優秀作品賞候補。どのノミネート作品も選ばれてしかるべきの粒ぞろいだ。

ノミネートが発表されたのは昨日の朝。『ラ・ラ・ランド』は最優秀作品賞に加え、ライアン・ゴスリンが最優秀主演男優賞候補、エマ・ストーンが最優秀主演女優賞候補にあがるなど、全14部門でのノミネートとなった。これは、1997年の『タイタニック』、そして1950年の『イヴの総て』と並ぶ、アカデミー賞史上最多ノミネート数。アメリカの黒人たちが3世代にわたって経験した苦難を描き、作者の劇作家オーガスト・ウィルソンにピュリツァー賞やトニー賞をもたらした戯曲を基に映画化された『フェンス』も、主演と共同製作指揮を買って出たデンゼル・ワシントンにノミネートをもたらしている。

昨年は、ノミネートされた俳優がすべて白人ということで「#OscarsSoWhite(白人至上主義ハリウッド)」とソーシャル・メディア内外で批判を浴びたアカデミー賞だが、その影響もあってか、今年は多様性に富んだノミネートとなった。20ある俳優カテゴリーのうち7部門が有色人種俳優のノミネートとなり、最優秀長編ドキュメンタリー映画賞のノミネートは、全5作品のうち、『13th』(エイヴァ・デュヴァーネイ)、『I Am Not Your Negro』(ラウル・ペック)、『O.J. Made in America』(エズラ・エデルマン)の3作が有色人種監督による作品となった。しかし、女性監督はひとりとしてノミネートされていない。

女優としては『ラビング』のルース・ネッガと『ムーンライト』のナオミ・ハリスがアカデミー賞に初ノミネート。これまでノミネートされながらも受賞は逃してきたヴァイオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、ミシェル・ウィリアムズらが、それぞれ『フェンス』、『ヒドゥン・フィギュアズ』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』での演技を評価され、再びノミネートされている。

アカデミー賞授賞式は2月26日に開催。昨年は映画界にとってまたとない豊作の年だったから、誰が勝つのか予想するため授賞式までにすべてのノミネート作品を観ても、絶対に損はない。

2017年アカデミー賞全ノミネートのリストはこちら

Credits


Still from Moonlight
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.