Hood by Airがジャマイカのポルノスターをコレクションに

Hood by Airデザイナーのシェーン・オリバーは、写真集の制作で南アフリカ人フォトグラファーのピーター・ヒューゴとともにジャマイカへと飛んだ。出来上がった写真に触発されたオリバーは、それらの作品を用いて、新たなアイテムを作り上げた。

by Charlotte Gush
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09 December 2016, 6:29am

ファッションウィークでの発表でファッション界に衝撃を与え、それから1年以上が経過した現在もなお、余波が続いているHood by Air 2016年春夏「Galvanize」コレクション。オリバーが音楽プロジェクトWenchでコラボレーションを続けている音楽プロデューサーArcaなど、多くの著名人に愛用されている。

2016年初頭、デザイナーのシェーン・オリバーは「Galvanize」コレクションとともにジャマイカへ飛んだ。そして、ストラップやジッパー、フリルが多用されたテーラリングの作品をジャマイカのポルノ・スターやLGBTのホームレスにコレクションピースを着てもらい、撮影を行なった。世界でもっともホモフォビックな国のひとつと数えられることも多いジャマイカで、LGBTの人々の多くは、嵐の後の洪水被害を最小限に抑えるために作られた水路に暮らし、現地の人々からは「Gully Queens(水路のオカマ)」などと呼ばれている。スタイリストにはカルロス・ナザリオ(Carlos Nazario)が、カメラマンにはアフリカで端に追いやられたコミュニティを写真に捉え続けている南アフリカ出身の写真家ピーター・ヒューゴが起用された。

「Gully Queensに関しては、エディターでありスタイリストでもあり、コスチューム・デザイナーでもあるアキーム・スミス(Akeem Smith)から聞いていたんだ。彼はジャマイカの血を引いていているからね。彼らの話を聞いたとき、2000年代中頃にマンハッタンのクリストファー・ストリートに住んでいたキッズたちのことを思い出した。僕の友達の多くもあの路上に暮らしていたんだよ。Gully Queensが語る物語や苦難は、クリストファー・ストリートのキッズたちと共通していたんだ。そこで僕は、社会が見る彼らのイメージに反して、実際に彼らが放っている美しさを前面に出して表現したいと思ったんだ」とオリバーは『Vogue』誌に語っている。

ジャマイカで撮影された写真は『PH & HBA』という写真集にまとめられた。この本には、ヒューゴとナザリオが「同性愛が依然として違法とされる国で、性別が曖昧な存在としてカメラの前に立つことで、彼らが直面する問題」について語るテキストも収められている。

そしてまた、今回の撮影で生まれた写真作品は「Galvanize」コレクションのカプセル・コレクションにも反映されることになった。アイテムには、ヒューゴの写真作品をフロントにプリントし、ウルトラロング・スリーブの右には「Pieter Hugo. Hood by Air」、左には「Galvanize. Jamaica SS16」と大胆にプリントされたTシャツ・ドレスなどが加わった。もとはアイテムのコラボレーションとして始まったプロジェクトではなかったそうだが、ヒューゴが『Vouge』に語ったところによると「シェーンは、ファッションと写真というふたつのまったく異なるメディアが共存できる可能性をそこに見出した。そして出来上がった作品はただただ素晴らしいものになった」のだそうだ。

Credits


Text Charlotte Gush
Photography Pieter Hugo
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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