ソフトな男の友情のを捉える写真家ダニエル・ロウデン interview

ハリー・スタイルズなどのスターからも飾らない表情を引き出す写真家、ダニエル・ロウデン。 彼が親友を撮影したシリーズのお気に入りの写真について語る。

by Douglas Greenwood; translated by Nozomi Otaki
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19 March 2021, 12:00am

ダニエル・ロウデンが撮る写真には、ある種の繊細さがある。慣れ親しんだ人や場所の一瞬を切り取った写真や、彼がよく知る誰かのまなざしにフォーカスした写真。この繊細さは、ドキュメンタリー調の写真でもファッション誌でも、彼のすべての作品に当てはまる共通点だ。

『L’Officiel』のハリー・スタイルズの表紙の撮影を依頼されたときも、ダニエルはまるで友人のスナップショットを撮るかのように、このスターの飾らない、親しげな表情を捉えることに成功している。

そんな彼がモデルで友人のルドウィグ・ウィルズドーフ(Ludwig Wilsdorff)を3年近く撮り続けたシリーズも、ハリーの表紙と同様、素朴で親密な空気に満ちている。キム・ジョーンズのFENDIでのデビューコレクションやDior 2021年秋冬コレクションでは、天才デザイナーが手がけたアイテムを身にまとって颯爽と歩くルドウィグの姿を見ることができる。

しかし、ダニエルの写真に写るのは、オオカミのTシャツを着てベッドに入ったり、パーティーの後、崩れたメイクを落とさないまま寝転んだり、鏡の前で歯を磨いたり、彼が〈ルド〉と呼ぶ素朴なルドウィグの姿だ。

ふたりの友情について、そして彼らがお互いにとってどんな存在なのか、ダニエル自身が語ってくれた。

Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden
Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden

──最初にルドウィグに会ったときのことを覚えていますか?

2018年の夏にモデルの面接で会った。イングランドがW杯でかなりいいところまで行った年で、毎日とんでもなく暑かった。ほんの少しでも風が吹いたら思わず感謝したくなるくらいね。彼とのあいだには自然と友情が芽生えていった。きっかけは覚えていないけど、気づいたら何週間も毎日のように遊んでて、それでも飽きることなく楽しく過ごしてた。だいたいはロンドンを歩き回ったり、友達に会ったり、写真を撮ったりしてた。

Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden
Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden

──目を閉じて彼をイメージすると、最初に思い浮かぶ身体的、精神的な特徴は?

目を閉じたらちょっと笑っちゃった。こんなふうに目を閉じて身の回りのひとを思い浮かべるのは初めてだから。最初に浮かんだ身体的な特徴は、彼の唇の上にあるほくろと、ふさふさの若々しいダークヘアかな。精神的な面に関しては、彼はすごく陽気なひとで、同じ部屋にいると集中力を全部持っていかれるんだ。でも僕は誰かにそうされるのが好きだから、特に文句はないよ。 

Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden
Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden

──ポーズを取っているものから、もっと親密さを感じさせるドキュメンタリー調のものまで、さまざまな写真がありますね。ルドウィグとの撮影は場当たり的なことが多いんでしょうか?

 

写真家と親しければ、やはりどこか意識してしまうものだよね。良い瞬間が僕らの友情だけじゃなくカメラのものにもなるのはちょっと悔しいし、自然体な動きや場面に一旦ストップをかけて、他の部屋にカメラを取りに走ったりすることも多い。でもニューヨークにいたときは、週末に撮影の準備をしてウィリアム・クラークの生家に行ったこともある。そこで(雑誌の)プロジェクトも一緒にやったんだ。

Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden
Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden

──特に彼のエネルギーをよく捉えていると思う写真は?

 ルドがベッドに寝っ転がっている写真かな。ハロウィンパーティーから帰ってきたときに撮った。「Me Against The Music」のMVのブリトニー・スピアーズとマドンナの仮装をしたんだけど、彼はまだリップを塗ったままで、頰には誰かのキスマークがついてる。すごく自然体で、心がなごむ。だから彼の写真を撮るのは楽しいんだ。

Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden
Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden

──ルドウィグは写真を撮られることにもう慣れたと思いますか?

 彼は僕といるときはいつもリラックスしてると思うよ。僕がカメラを持って近づいても特に何も感じない、と言うほうが正しいかも。でも、こうやってすぐ近くで一緒に成長しながら、何年もかけて写真を撮り溜めるというのは、僕らだからこそできたことだと思う。

Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden
Ludwig Wilsdorff by Daniyel Lowden

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Credits


Photography Daniyel Lowden

Art direction Clarke Rudick

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