“罪なる”レシピその2:フランク・オーシャンが愛するLAのOhana BBQの看板メニュー「オハナ・ポークプレート」を再現

食に対する既存の風潮に中指を立て「オリジナル」に忠誠を誓う謎のフード集団。あらゆるカルチャーを軸とするフードメディア mcnai(マカナイ)だ。前代未聞のゴールデンウィークを楽しく送るためのレシピ第二弾は、傑作アルバム『Blonde』の産みの親、アメリカで最もミステリアスなアーティスト、フランク・オーシャンと現代のティーンプリンス、ティモシー・シャラメが対談で語った、LAの「Ohama BBQ」からインスピレーションを得た”罪なる”「オハナ・ポークプレート」。

by mcnai
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03 May 2020, 9:00am

カニエ・ウェストがフランク・オーシャンへ綴るマクドナルドの詩、スパイク・ジョーンズ監督『her』作中に登場するレストランの内装、ウディ・アレンが愛したNY老舗レストランの定番パスタ。mcnai(マカナイ)は、これらの食を軸としてその周辺にあるカルチャーを発信、創造する”ニューウェーヴメディア”である。

彼らの言葉を借りるなら「味と雰囲気だけに評価を置くような、食に対する既存の風潮に中指を立て、食周辺”それ以上”の新たな価値を探究し、撹乱する反乱軍」なのだ。つまりこのナードな青年達は食を起点とした若者の為の新しい文化圏を創造しようと企みている。その根底こそは食でもあり、飢える彼らの精神でもある。

映像作品、ポッドキャスト、フードレイヴ、音楽のキュレーション、彼らの活動は決して記事だけに止まらない。特にIGTVで公開中の”Guilty Pleasure Night”と題したオリジナル番組は、従来の「クッキング番組」のフレームワークを大きく逸脱したジャンキーかつポップなイメージから若者を中心に少しずつファンが増えているようだ。

第一弾のチャイルディッシュ・ガンビーノ主演ドラマ『ATLANTA』からのインスピレーションレシピ「レモンペッパーウェットチキン」からも読み取れるように、フレッシュな話題とフレッシュなレシピを提供するのが、まさに ”mcnai(マカナイ)流” なのだ。

そして、デリシャスフレッシュな ”mcnai GW” は、次なる章へ進む。

〈第二弾〉

まずは、フランクオーシャンについて。

ニューオリンズ出身のR&Bシンガー、フランクオーシャンは一言で表すなら”キング・オブ・ノスタルジア” だ。2016年、これまでのポップスの世界は彼によって静かに、そして轟音を伴って崩れ去ってしまった。4年の沈黙を終え、夏の終わりに突如公開されたヴィジュアルアルバム『Endless』と、その2週間後にリリースされたアルバム『Blonde』の2枚、そしてThe Cureの同名の曲から取ったZINE『Boys Don’t Cry Magazine』は”これからも語り継がれる傑作”であることは間違いない。

フランク・オーシャン アルバム『Blonde』のより詳しい解説はこちら →「shukki’s blog」より

夕陽が沈みかける時、静かに『Endless』を再生してみよう。写真家・ヴォルフガング・ティルマンスが手掛けた冒頭部分のテクノミュージックの断片は我々を感覚の盲から解放し、形而上学的な詩節から始まるR&Bシンガーであるアリーヤ(Aaliyah)のカヴァーで、我々を成層圏の浮浪者へと変身させてしまう。同年公開のバリー・ジェンキンス監督『ムーンライト』の世界観とも共振し、この作品群はアメリカを超えたポップソングの不動の地位を築いたことはもはや自明だろう。

前作の『Channel Orange』とは似ているようで、全くと言っていいほど違う。大気のように浮遊するコードは我々の神経中枢が有するリミナルな箇所までゆっくりとした螺旋を持って下降し、接続され、最小限にまで抑えたビートと彼の呟くようでどこまでも伸びていくような繊細な声と極めてポストモダンに「選ばれる」内省的な言葉によってAmbient R&B(環境音楽とR&Bの融合)という新たな流れを生み出した。それは取り戻せない過去を、極めて解像度の高い白昼夢として我々の大脳皮質に映し出す装置だと言える。その緩やかな無意識の海へと我々は飲み込まれ、「死を耐え忍び、死の中に自らを維持する生」といったヘーゲル的な緩やかな死への渇望さえも呼び起こす。「ニルヴァーナ(涅槃の境地)の話をするよ、この目で見たんだ」(『Blonde』、Seigfried より)。

彼こそが現代版の新たなゴス的形象だろう。先程紹介した80年代ゴスの顕著な例も然り、彼の非R&B的な嗜好はこのアルバム達を聴くと至る所にそれらが静寂な余韻で満たされていることがわかる。

フランク・オーシャンは滅多にメディア露出しないことで有名だ。またヴォルフガング・ティルマンスによって撮影された、『Blonde』とマガジン『Boy’s Don’t Cry Magazine』のカヴァーである2枚のフランクのポートレートは両方とも彼の顔が隠されている(手前はヘルメットを被って、もうひとつは手で覆っている)。

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via: blonded.co " “I got two versions. I got twoooo versions.” #ISSUE1 #ALBUM3 #JULY2015 #BOYSDONTCRY"

彼はこうした方法で「真に知覚すること」への啓蒙を我々に暗にほのめかす。なぜなら「見るためには目を開くのではなく、閉じなけらばならない」からであり、モノの2面性「シャネル(のロゴ)みたいに両方を持ち合わせてるんだ」において、両方の腕でそれぞれの質量を推し量りながら「手において思考」せねばならないことを彼は知っているからだ。彼は作品において、それを妨げるメディアが生み出すバイアスを退け、BMWのE30M3に羽を着けて空中で運転しながら、いとも簡単に「曖昧さの世界」を飛び越えて見せる。我々は彼の音楽を聴くとき、彼と共に「先に未来を見る」のだ。

そんな啓蒙者であり未来の先駆者、かつ僕らのヒーローであるフランク・オーシャンを愛するのはナードな少年たちだけではない。同じミュージシャンであれば、カニエ・ウェスト、タイラー・ザ・クリエイター、A$AP Rockyがいるし、あのブラッドピットも彼の音楽を愛する一人で、フランクのライブにカメオ出演を果たしている。

(「Close to you」のパフォーマンスにて、携帯に向かって話しかける演技をしたブラッド・ピット。)

そんな中でも我々mcnaiの目を引く人物を見つけた。それはティーンのプリンスであり、映画監督ウェス・アンダーソンの最新作『The French Dispatch(ザ・フレンチ・ディスパッチ)』にも出演する新鋭ティモシー・シャラメ。ある雑誌の企画でティモシー・シャラメとフランク・オーシャンの談話の記録が残っているのだがその会話の中でティモシーはフランク・オーシャンに対して「様々な影響を僕に与えてくれた」と絶賛しており、俳優ホアキン・フェニックスやファッションデザイナーのラフ・シモンズに対する敬意の気持ちなども彼と共有していた。

そのような話から彼らの会話は食の話へと移り、お互いの好きなレストランを紹介することに。ティモシーは好きなコーヒー屋さんや彼が知る中で一番美味しいベーグル屋さんを紹介し、対するフランク・オーシャンはLAに行ったら絶対に行くというハワイアン・コリアン・バーベキュー屋さん「Ohana BBQ」を紹介している。

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via: ohanahibbq.com

Ohana BBQは”ハワイのテイストを入れた韓国料理”というはちゃめちゃなコンセプトをテーマにフードを販売しているわけだが、料理自体の見た目はかなりイケてる。

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via: ohanahibbq.com. Ohanaの看板メニュー「バーベキュー・ポーク・プレート」

21世紀の鬼才、フランク・オーシャンが愛するレストランに行ってみたいと思う方も少なくないはず。しかし残念なことに今の状況では海外に行くこともできなければ飛行機に乗ることも困難だ。どうすればあの旨そうなプレートにありつけるんだ!?

そんなユースたちのために、今回はギルティーレシピ第二弾ということでフランク・オーシャンが愛してやまない、レストラン「Ohana BBQ」の看板メニュー「バーベキュー・ポーク・プレート」の再現レシピを紹介したいと思う。ユースのみんな覚えていてくれ。DIY精神さえ持ち合わせていれば叶えられないことなどないのだ。

🐖🌺オハナ・ポークプレートのレシピ🌺🐖

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COPYRIGHT © mcnai 2020

〜用意するもの〜

豚ロース 1~2枚
水 大さじ 2
アロハ・ショウユ(なければ一般的な醤油で良い) 大さじ2

〈特製BBQソース〉

酒 大さじ1
みりん 大さじ1
パイナップルジュース 大さじ 1
はちみつ 大さじ 1
白ごま 適量
ねぎ 適量
白ご飯(好きな量だけ)
お好きなサラダ

〈mcnaiオリジナルパイナップルドレッシング〉

パイナップルジュース 100ml
バルサミコ酢or白ワインビネガー 50ml
オリーブオイル 10ml
クミンパウダー 小さじ 1
おろしにんにく 小さじ 1
塩 小さじ 1
黒胡椒 小さじ 2

〈手順〉

1.
醤油、酒、みりん、パイナップルジュース、蜂蜜を混ぜ合わせジップロックに入れる。

2.
豚ロースを上記のジップロックの中に入れ味がつくようしっかりと揉む。

3.
豚ロースが入ったジップロックを冷蔵庫の中に入れ、半日寝かせる。

4.
フライパンに油をしき、温める。

5.
冷蔵庫からジップロックを取り出し、豚ロースをフライパンに置き焼いていく。
(ジップロックの中のソースも入れてしまう)

6.
こまめに裏返しながら焼いていき、日が通ったら弱火で豚ロースを保温しておく。

7.
お好きなサラダを作る。その後にmcnaiオリジナルパイナップルドレッシングを作成する。

8.
ひとつのお皿にご飯、ポーク、サラダを盛り付け最後に
ドレッシングをサラダにかければオハナ・ポークプレートの完成。

9.
フランク・オーシャンになり切って食べる!

いかがだっただろうか。この甘めの照り焼きスタイルはかなりハワイアン。そしてもしあなたがALOHA SHOYU(アロハ醤油)を使っているならあなたはかなりのロコだ。(ハワイ在住ローカル人の総称)フランク・オーシャンが君の家にいつでもきて良いように練習しておこう。次回のmcnaiによる Guilty Pleasure Recipeも是非、見逃さないでほしい。


Official Instagram: @mcnaieatmecrazy
Official site: https://www.mcnaieatmecrazy.com/

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