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2018年、美を撮るということ

6名の新進フォトグラファーに彼らが考える美の定義を聞いた。

by Tish Weinstock; translated by Aya Takatsu
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aug 16 2018, 10:27am

最愛の人の愛おしいもの————欠点、傷跡、そばかす————から、見知らぬ人の豊かな個性、もしくは歯についてしまったリップがかもし出す魅力まで。写真は美の複雑さを写し出す。

デヴィッド・ウゾチュクゥ(David Uzochukwu)

「これはレイモンド。彼はダンサーなんだ。僕はときどき知らない人と待ち合わせして、話をしたあとポートレイトを撮って、別れることがある。みんなのありのままを認めれば認めるほど、彼らは本当に気にかけていることを話してくれて、その姿がもっと美しくなる。僕は誰かの情熱の輝きに影響を受けるんだ。自分自身を信じて、そして大切にしていることの中に美があると感じるよ」

「妹は僕より3歳年下。記憶にある限り、あの子はいつも毅然とした美しさをただよわせていた。でも本当に美しいと思うのは、彼女の成長を見守り、人となりや黒人であること、そのウィットを愛することなんだ。あの子はこの世界で頑なになってしまっているけど————でも対立するものが多い中でも、堂々としていることを学んだんだ。美は自分を信じることにあるんだよ」


細倉真弓(Mayumi Hosokura)

「私にとってミックスすることはとても大切です。人種や国籍、ジェンダー、それに人と動物、生物と無生物、人のネガティブな面とポジティブな面をミックスするのが大好き。ミックスすることで、それぞれのカテゴリの境界がぼやける。それを〈新たな皮膚〉と呼んでいます。私はダナ・ハラウェイに大きな影響を受けました。新たな美について語るとき、〈新たな皮膚〉は私にとってのキーワードなのです」


カミーラ・ファルケス(Camila Falquez)

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「人間の美を表現するうえで、2018年は大事な年。インターネットによって個人間の民主的なコミュニケーション手段が確立されたから、メディアが専制的に美とは何かを伝え、私たちがそれに憧れたりそれを真似たりすることはもうなくなりました。私の写真は私たち自身の本質の所在を伝えるものです。もっとも美しい意味で、私たちの身体はすべて違っているから。このふたりの人物は、同じような堂々としたポーズで撮影しようと決めて撮影しました。それがどんなかたちであれ、自分の身体を認めている人たちだったから。彼らのような人びとがインスピレーションを私にもたらしてくれます。この人たちは実際に美しくて、自分自身も自分を美しいと感じている。彼女、そして彼の物質的な重みひとつひとつが美に満ちているんです」


シア・ゲルディ(Thea Geldi)

「美はフィーリング。美は不完全。それは多様性と個性を認めること」


イモージェン・バロン(Imogene Barron)

「現代社会は整形やInstagramのフィルターばかり。今の若い子たちがもっと強くそれを拒み、ほかと違うことや個性、型にはまらないことをよしとすればいいと本当に思う。私は美とは内側からくるもので、決して表面だけから考えられるものではないと思っています。知性や自信、ユーモアやクリエイティビティから生まれるものだし、人の不完全さのコンビネーションは、私を引きつけて止みません。この写真のスージーは、オーストラリアで私が育った場所の近くにある小さな町の出身。女の子全員が同じような見た目で、同じような服を着ているようなところ。そういう考え方から逃れられること、そんな縛りを振り払えることが、彼女の見た目を前に言ったみたいな要素をすべてあわせ持ったものに変えたの。私にとって、これ以上ない真の姿で美を表現したものね」


ソフィ・ハリス=テイラー(Sophie Harris-Taylor)

「私にとって、美とは自信。自分の姿に自信を持ち、満足していることが、いちばん魅力的。美といえば身体的な特性ばかりが取りざたされる。でも、こう言うと陳腐に聞こえるかもしれないけど、美とは内側から生まれるもので、それがわかるのが早ければ早いほどいい。美しい友だちであれ、親切であれ、思いやりある人であれ、どれほど見た目が従来型の美人であろうと、最後には意味をなさなくなる。あなたの恋人は、あなたの人格を愛しているのであって、あなたがどう他人にあわせるかを愛しているわけじゃないから」


イサク・ラム(Issac Lam)

「この写真は、無限の美についてのもの。ミー・リンは、僕がファッションデザインとブランディングを学んでいたとき、ファッションジャーナリズムの先生だったんだ。ちょうど今、54歳。僕に大きな影響を与えた人物で、憧れの存在。彼女は好きなことをなんでもするんだ。ジムに通い、柔道をし、自身の経験を学生と分かち合う。リアルなときを生きているんだ。僕にとって、美とはいつも自分らしくいること。これは何も2018年の最新流行ってわけじゃない。人生を通じての姿勢なんだ」

This article originally appeared on i-D UK.

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