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未来のバッハへ

ヒップホップダンサー、ジョン・ブーズがクラッシックなエレガンスを美しく捉えなおす。

by i-D Japan; translated by Aya Takatsu
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aug 23 2018, 4:03am

In Partnership With Dom Pérignon

ストリートダンスについて考えるとき、透明感ある日差しが注ぐ静かで穏やかなロサンゼルスの海岸をまっさきに思い浮かべる人は少ないかもしれない。しかし、かの名高きシャンパーニュ・ブランドDom Pérignonとの取り組みの一環、バンジャマン・ミルピエ(Benjamin Millepied)とのコラボレーション動画にて、社会運動家でポッピング、ヒップホップダンスのマスターであるジョン・ブーズ(Jon Boogz)がやりたいと考えたのは、既知の概念を再定義することだった。

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ブーズはストリートダンスの社会的および文化的役割を呼び戻し、世界とダンスがどのように関わり合うのかを再考する。ブーズのクリエイションと、豊かで圧倒的な歴史に立脚しながら、毎年個性的なワインで絶えず改革を行い続ける、Dom Pérignonのあいだの魅力的な類似点を描き出すのがこの動画なのだ。インスピレーションが持つ力へのやむことのない情熱が、この2者を結びつけた。

自然のなかにある共生関係、なめらかで表現力に富んだ動き、そしてブーズ自身の好む伝統のスタイルが完璧な調和を生み出し、あっという間に観る者を引きつけ、エレガンスやストリートダンスについての私たちの思い込みすべてに挑戦する動画に仕上がっている。表面上は素晴らしくシンプルに見えるものは、複雑さにあふれている。ブーズとのインタビューを通して、この動画に隠されたインスピレーションや、なぜダンスが彼にとって大切でパワーをあたえてくれる表現方法なのかをひも解いていこう。

——この音楽を選んだ理由と、この曲を聴いたときに感じたことを教えてください。
バンジャマンと一緒に選んだバッハのこの楽曲は、とても美しく構成されたものです。私はダンサーとして、私が感じるエレガンスを表現したいと思いました。ダンスというのは、この世でもっとも力強く、確立された表現形態のひとつで、ユニバーサルな癒しの言語でもあります。ストリートダンスはその起源をアメリカのあるゲットー地区に持ち、不名誉な烙印を押されています。だからストリートダンスは美しさや、エレガントさとは無縁だと言う人もいるでしょうが、私はそれを実現できるということを示したかったのです。

——あなたのダンスのバックグラウンドは、この動画を通して伝えたかったストーリーにどのように影響していますか。
ポップを踊るということは、ヒップホップダンスにおけるバレエのようなものだと考えています。ポッピングは1970年代ごろから出てきたもので、これ以降のダンスの多くは、ある種の要素をそこから持ってきているのです。そのベースがバレエにあるというだけで、モダンダンスやコンテンポラリーダンスと同じような感じですね。私が最近になって自分のスタイルがどれほど誉れ高く、豊かな歴史を持っているかということに気づきはじめたというわけです。それがこの世に現れてから、もう40年以上が経ちますから。Dom Pérignonも同様にインスピレーションにあふれ、素晴らしい歴史を持ち、さらにいつも何か新しいもの提供してくれます。

——バンジャマンとともにこのプロジェクトに取り組み、あなたが伝えたかったことは何ですか?
彼の仕事をとてもリスペクトしています。作品はただバッハの音楽に合わせてダンスするのではなく、ストーリー性のあるものを提供したいと考えていました。Dom Pérignonにもストーリー性がありますから。私にとって、それこそが常に目標なのです。ですからこう考えはじめました。「この曲は私にどんな感情を抱かせるだろう?」「何を言いたいと思わせる?」そうやって編んだストーリーをより力強いものにするための道具として、ストリートダンスを使いました。

——あのロケーションは、あなたのダンスにどのような影響を与えましたか?
ビーチというロケーションと水が心を穏やかにさせる効果を生み出しましたし、あの環境は私をかなりリラックスさせてくれました。あの日の海は美しく、ダンスやストーリーを伝えること、そして動きがどれほど美しいものであるかを私にただ考えさせてくれたのです。その感覚を作品に込めたいと考えました。

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——あなたの作品は困難なことや、悲痛なことがらと関係することがしばしばあります。ダンスはそういったことを表現をする上で、これほどまでに効果的なのでしょうか。
動きは観る人によって異なった理解ををさせるからでしょう。2016年に起こった警官による迫害事件を扱いたいと思い、アレクサ・リードというアーティストとコラボレーションして、力強い動画を作成しました。非常に多くの人が目にしたその動画は、『ニューヨーク・タイムズ』誌の表紙にもなったのですが、私はそれによって多くのことを学びました。私はストーリーをより力強いものにするための道具としてストリートダンスを使うようになり、それ以降、気候変動や大量投獄、若い男女の人身売買などをテーマにした作品を手がけてきたのです。さまざまな人生をたどってきた、さまざまな人たちが共感できるような題材を扱い、言葉ではできないような方法で人々に話しかけられるのがダンスである、という考えがその中核にあるのです。

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