Advertisement

誰かを癒す歌:iri インタビュー

アーティストとしてのみならず、ファッション界からも注目を集める気鋭のシンガーソングライター iri。8月29日に新曲「Only One」をリリースしたばかりの彼女に話をきいた。

|
sep 11 2018, 4:00am

黒髪をなびかせて、ディープな歌声でメロディを紡ぐ。iriの姿は、特別でありつつも、普遍的で、街角にいそうな都会の女の子のそれでもある。1994年、逗子生まれ。今年2月に、満を持して5lackやWONK、LUCKY TAPESのメンバーなどが参加した2ndアルバム『JUICE』を発表し、底知れぬ音楽性をさらに開花させた。彼女のルーツ、そしてヒーローたる人物は誰なのか?リリースされたばかりの新作についても話を聞いた。

——歌手を目指したきっかけを教えてください。
小学生のころ、自分自身がスクールカウンセラーの先生にすごく支えられたということもあって、カウンセリングの仕事がしたいなと思っていたんです。それと同じ時期、小学生や中学生の頃にMTVをよく見るようになって、そこに出てくる人たち——例えばビヨンセとかアリシア(・キーズ)とかーーが歌っているのを見て、すごく憧れて、特に、アリシア・キーズの「If I Ain’t Got You」のライブ映像を見た時に涙が出てきたんです。それで、音楽にもカウンセリングと同じく、そういう(癒しの)力があるなと思って、歌の仕事をしたいと思うようになりました。

Advertisement

——実際に歌ってみよう、と一歩を踏み出した時のことを覚えていますか?
中学校の頃から音楽を仕事にしたいなとは思っていたんですけど、それなら、基礎から音楽を勉強しなければいけないと思って、高校生になってからは部活の代わりにボイストレーニングに通い始めたんです。ゴスペルを学んでいた先生に歌の基礎から教えて頂いて、それと同時に、友達にギターも教えてもらっていました。そのうち、逗子のカフェとかで少しずつ歌い始めて…という流れです。

——歌い始めた時の手ごたえは?
最初、自分では「結構、いい声してるな」と思いました(笑)。でも、人に聴かせるためには技術が必要だし、そういう面では厳しく先生に教えてもらいました。

——iriさんの歌詞は、リスナーとの距離感が絶妙というか、ウェットになりすぎないギリギリのところで、エモーショナルで前向きなことを歌っているなという印象です。制作の際、どんなことからインスピレーションを受けることが多いですか?
普段、曲を作る時にテーマとは決めずに作る方が好きで、自由に作るんです。歌詞を書き留めて残しておくこともなくて、その時感じたことしか書かない。歌詞の内容は、実体験がほとんどですね。基本的には、自分の実体験とか感情とか、いつも見ているものとか、そういうものにインスピレーションを受けることが多いです。

——新曲「Only One」も、カップリングの収録曲含め、これまでとは違う雰囲気を感じました。
リード曲は、国際ファッション専門職大学のCMのために書き下ろした曲ですね。その他の曲に関しては、次のアルバムに向けて、今まで自分がデビュー前にやってきた弾き語りや、自分らしいものっていうのをもうちょっと見つけたいという思いがあって。そうした時、ギター一本で作ったメロディや歌詞の乗せ方が、一番自分らしさが出ていたんです。そうやって、生音のバランスを考えながら作ったのがこのカップリングの曲です。

——今回は、〈ヒーロー〉をテーマにプレイリストも作って頂きましたが、iriさんにとってのヒーローとは、ズバリ誰ですか?
ヒーロー…誰だろうなあ。お母さんですかね、やっぱり。お母さんはギターをすこし弾いていたくらいなんですけど、音楽がすごく好きで。最近、私がヒップホップとかを聴かせたらハマってて、「DJやりたい」って言っているくらいなんです(笑)。今も、私の曲をめちゃくちゃ聴いていて、ライブにもよく来ますね。来なくていいって言ってるんですけど。ヒーローは、他の言い換えると自分の〈味方〉かなと思います。

——最初に、カウンセラーになりたいと言っていたように、今ではiriさんが誰かのヒーローになっていることも多いのでは?と思います。リスナーの味方になって寄り添う…というか。
最近はよくそれを感じるようになりました。ファンの方からよく話し掛けられるんですけど、泣きながら「iriちゃんの音楽すごく好きで、いつも元気もらってます」と言われると、自分の音楽が届いてるなって思うし、「ちゃんと支えられているのかな」と感じますね。そんな人がもっと増えて欲しいし、自分らしさを保ちながら、いい作品をどんどん残していきたい。ライブも、歳をとってもずっとやっていきたいです。

more from i-D