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“狭間にある美”をコンセプトに掲げるdilemmaがカプセルコレクション発表イベント開催

新鋭ブランドdilemma(ダイレマ)が都内のコインロッカーに限定Tシャツを設置し、自ら足を運ぶことでそれを手にすることができる参加型イベントを9月8日(土)に開催。その背景について彼らにいくつかの質問を投げかけた。

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sep 7 2018, 3:47pm

2017年に「狭間にある美」をコンセプトにスタートしたdilemma(ダイレマ)が、カプセルコレクションの発表と時を同じくして、コンセプチュアルな参加型イベントを開催する。ランダムに選ばれた都内のコインロッカー20箇所に、イギリスを中心に活動するアーティストのリアム・コブ(Liam Cobb)によるイラストがプリントされたTシャツが設置され、イベント当日の9月8日(土)12時から順次、公式アカウントでコインロッカーの場所とパスワードなどが公開される。その情報を手がかりにする参加者が“自ら足を運ぶ”ことで、無料でTシャツを手にすることができる、というプロセスだ。

「今回のイベントの主旨は無料で配布することではありません。“苦労を取るか、それとも便利を取るか”の狭間に立ってもらうことです」。インターネットでものを購入し、体を動かすことなくあらゆるものが手に入る“便利さ”が、消費生活のなかに深く浸透する現在においてファッションブランドがこのような仕掛けをする目的とは? ブランドにメールインタビューを行った。

——ブランドコンセプトである“狭間にある美”とはどういった意味なのでしょうか?
ほとんどの場合において、人生は、思い描いている通りにはいかないという経験からきています。例えば、お金、家族、年齢、性別、国籍といった人それぞれが持つバックグラウンドが原因で、自分の意志と行動が伴わないといったdilemma(ダイレマ)が生じてしまうのではないかと思っています。ただ、その様なダイレマの中で必死に考え、もがいている姿こそが最も人間らしく、美しいのではないでしょうか。狭間にある不安定な状態こそ最も可能性が秘められており、さまざまなストーリーがあるのではないかと考えています。そうした想いから毎シーズン異なったテーマについてのストーリーをつくり、表現するというコンセプトが生まれました。

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——そのコンセプトと今回のカプセルコレクション&イベントの関連性についてお聞かせください。
メインのコレクションでは、オリジナルストーリーを用いて世界観を表現していますが、カプセルコレクションでは自分たちの世界観を別の方法で表現したいと思っています。今回のテーマは「苦労と便利」について。アナログとデジタルの狭間の時代では、世の中が便利になっていく一方で、何かを失っているというdilemmaがあります。例えば、インターネットでモノを買うことはとても便利ですし、自分が行動しない分、時間も生まれます。ただ同時に、それを“いつ・どこで・誰から”買ったのかというストーリーは失われ、偶然の出会いもなくなってしまいます。時には意識的に“便利さ”から離れて、自ら“苦労する”ことも必要なのではないか。そんな想いを込めたイラストをアーティストのリアム・コブと制作し、Tシャツに落とし込みました。単に販売するだけではなく、「苦労と便利」について参加者が自らイベントに参加することで、コンセプトを肌で体感し、共感してもらえたらと思っています。

——イベントの手法としての新しさを感じますが、着想源になったことは何かありますか?
我々メンバー自身がファッション畑の人間ではなく、広告や音楽、印刷の仕事をしている身でもあるため、常に、今ある技術や製品、物事を別の角度から捉えて利用できないかと考えていることは、今回のようなイベントの手法につながっているのかもしれません。

——現代人の行動規範や消費活動などに対する問題提起も含まれていると思います。
そうしたことに関わらず、様々なジャンルに対しての問題意識は常に抱いています。しかし、“こうあるべきだ”という結論はあえて提示せず、あくまでニュートラルな視点で捉えることに留めることで、みなさんにも考えていただく機会になればと思っています。我々が普段抱えている問題意識は今後のコレクションを通して少しずつ発信していきたいと思います。

——メインコレクションでは、オリジナルストーリーをイラスト・コミックを用いて表現されています。実際のデザインとの関連性を教えてください。
第一に、消費者に対して「なぜこのようなアイテムを作ったのか、なぜこのようなデザインにしたのか」ということを分かりやすく伝えるため。2つ目は、dilemmaというブランドに付加価値を付けるためです。消費者は、テーマとアイテムを見ただけではデザイナーの想いや伝えたかったことを汲み取ることができていないような気がしています。

それに加えて、便利なツールやサービスが増えたことによって、誰でもクリエイターになれるし、発信できる時代になっている。ブランドの同質化も進んでいると思っています。このような時代では、人々は単に商品を購入するということでは満足できなくなっているのではないか。その一方で、シーズンごとのストーリーは、時代背景やキャラクターの台詞、その中で用いられているさまざまな要素を服のデザインへと落とし込んでいます。

2018-19年秋冬コレクションでは、“6カ国間の戦争”という架空のストーリーを描き、6カ国すべての国旗のグラフィックを作成しています。物語上では兵士がそれぞれの国旗を取り合い、奪った国旗の数でステータスを決めるといった設定です。そのため、実際に販売する服では、背中のスナップボタンと国旗のプリントパネルを付け替え可能にし、集めたい人は集められるようにすることで、ストーリーと実際のアイテムをリンクさせました。今後も、新しい体験や見せ方を常に模索しながら、彼らの琴線に触れるブランドづくりと表現を考えていきたいです。

『dilemma カプセルコレクション&イベント』
期間:9月8日(土)12:00~9月9日(日) 21:00
※公式のECサイトでも数量限定で同アイテムを販売
※9月9日(日)にアイテムを取得した方につきましては、コインロッカーの追加料金(200円~)をご自身で負担していただくこととなりますので、その旨ご了承ください

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