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      music Naoko Okada 14 July, 2017

      BACARDIが仕掛ける“アートと音楽の交差点”

      「Over The Border=既存の概念を超える」をテーマに、世界で活躍し注目を集めるアーティストたちがTABLOIDに集合した。

      BACARDIが仕掛ける“アートと音楽の交差点” BACARDIが仕掛ける“アートと音楽の交差点” BACARDIが仕掛ける“アートと音楽の交差点”

      既成概念に支配されがちな人間にとって、概念を超えることは容易ではない。ではどうすれば、人々は「概念」を飛び越えた自由な表現を手に入れることができるのだろうか。その答えを示すように、ラム酒ブランドBACARDIによって、音楽とアートが交差する新しいカルチャー・カクテル・プロジェクト「Over The Border」がスタートした。

      そのローンチ・パーティとして、先日6月29日に港区のイベント・スペース<TABLOID>にて、「音楽フェスティバル」と「アートミュージアム」を融合させた完全招待制の体験型イベントが開催された。

      会場に到着するや否や、目に飛び込んできたのは入口を覆う巨大なオブジェ。フジロックやサマソニをはじめ、国内外の様々なパーティ・イベントの装飾を手掛けるアーティスト・R領域による作品だ。今回のイベントではライブステージの装飾も担当しており、廃材と植物を利用した巨大なインスタレーションはまるで「生きる無機物」。その近未来的な表現は参加者の視線を釘付けにしていた。

      そしてR領域とともに会場に彩りを与えていたのが、「宇宙と和式美」をテーマに多数のミラーボールを使用し、幻想的な空間を作り出すMIRRORBOWLERによるインスタレーションだ。そこにライティングアーティスト・AIBAによる鮮やかな照明演出が絡み合うことで、野外音楽フェスさながらの豪華で躍然たる空間となっていた。

      そのほかアート分野からは、ベルリンに拠点を置きグラフィティアートをメインに活動するアーティスト・Hiroyasu Tsuriや、直線と面を駆使してモチーフを再構築するイラストレーター・澁谷忠臣、「踊るフォトグラファー」の異名を持ちファッションシーンやパーティなどで活躍する若き写真家・ARISAKが参加。会場のどこを見渡しても参加アーティストの作品が目に入るという見事な空間構成に唸らされた。

      音楽分野からオープニングアクトとして登場したのはDJ/プロデューサーのNAOKI SERIZAWA。DJとして10年以上に渡ってクラブシーンを牽引し、また音楽誌「FLOOR」の編集長も務めるなど、卓越した技術と音楽知識を持つ彼の選曲はハズレ知らず。豪華なイベントの幕明けとなった。

      そして徐々に盛り上がりを見せるフロアの熱量を一気に引き上げたのは間違いなく和田永だろう。ライブステージが現れたかと思うと、ステージ上に立ち並ぶいくつものブラウン管テレビ。その画面に和田が触れると、重みのあるノイズ音が鳴り響く。この日Braun Tube Jazz Bandとして登場した彼は、このテレビ画面を鍵盤打楽器として演奏するパフォーマンスで第13回文化庁メディア芸術祭アート部門で優秀賞を受賞している。目の前で繰り広げられる実験的パフォーマンスは音楽の域を超え、芸術のように感じられた。

      ファッションアイコンとしても知られるDJ SARASAのプレイタイムには、Hiroyasu Tsuriによるライブペインティングも行われた。ディスコやファンクからハウスまで縦横無尽に多ジャンルを渡り歩くプレイが特徴のDJ SARASAだが、この日はヒップホップをメインに攻めるプレイを披露。Hiroyasu Tsuriのペインティングをより力強いものへと変えていた。

      また、フライングロータス率いる<Brainfeeder>史上初の女性アーティストとなった、L.A.ビートシーンの女王・TOKiMONSTAの登場に会場は揺れた。彼女もまたヒップホップを軸に男勝りなビートサウンドを披露。抒情的なメロディとともに時折のぞかせる女性らしさとに、誰もが踊らずにはいられないような印象を受けた。

      さらに今回のイベントでは、ロンドンで注目を集めるシンガーソングライター・Anna Strakerと、NYで活動するエレクトロニックデュオ・SOFI TUKKERの2組が初来日となった。

      Anna Strakerはこれまで、ティーンから絶大な支持を集めるYears&Yearsのコーラスを担当するなど、シンガーとして経験を積んできた。そして2016年に19歳の若さでデビュー。どのようなライブとなるのか期待していたが、その実力に驚かされた。小柄な体格から飛び出すパワフルな歌声は太く伸びやかで、R&Bシンガーのようにアーバンポップでメランコリックな楽曲を歌い上げる。凛として時に妖艶な表情を見せる大人な顔つきからも目が離せず、一夜にして彼女が持つエッジーな空気の虜になった人も多いのではないだろうか。

      イベントのトリを飾ったSOFI TUKKERのライブではフロアは超満員。熱気が立ち込めるなか、ラテン的なダンスサウンドとエキセントリックなパフォーマンスに、多くの人が顔を上気させた。ライブ中何度も行われる掛け合い、セットに組み込まれたパッドを踊りながら叩く様はさながら熱帯林を想起させ、彼らがグラミー賞にノミネートされる理由も納得の、非常に中毒性のあるライブパフォーマンスを披露した。

      <Over The Border>というテーマのもと、既存の概念を超える表現を持つアーティストによって新しいものを次々と見せてくれたパーティは、大盛況で華々しく幕を下ろした。来場者のなかにはフォトグラファー/モデルのCailin Hill Arakiゴールドエリカらインフルエンサーの姿もあり、注目度の高さが伺えるイベントとなった。

      7月1日には、クリエイティブセンター大阪でも開催されたローンチ・パーティだが、今秋にかけて名古屋・札幌・福岡でもポップアップパーティの開催を予定しているとのこと。まったく新しいプロジェクトとして始動した<Over The Border>は、これから私たちにどんな景色を見せてくれるのだろうか。その動向に期待したい。

      Credits

      Text Naoko Okada
      Photography Takao Iwasawa

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      Topics:music, music event, event report, over the border, bacardi, braun tube jazz band, naoki serizawa, dj sarasa, tokimonsta, anna straker, sofi tukker

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